紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

2006-09-14 23:06:16 | 13・本・映画・演劇・音楽など
いつかこのBlogでも書いたことのある沢木耕太郎さんの映画評「世界は使われなかった人生であふれている」
その本を読んだ時から、ぜひ見たいと思っていた映画「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」

やっと見た。すごくよかった。12歳の主人公、イングマル少年のお母さんは重い病気だし、お兄ちゃんはいじわる。だけど、犬のシッカンがいれば幸せという男の子。

お母さんの病気にさわるために、叔父さんのもとに預けられるイングマルの夏から冬へ、また夏へと季節が移ろっていく間の日常が、スウェーデンの自然を舞台に、淡々と切々と描かれる。
その間に、とても悲しい出来事があるのだけど、人工衛星に乗せられて地球最初の宇宙旅行者になって餓死したライカ犬の悲しみに比べれば、自分の方がまだましだと考える。とても繊細で賢い男の子なのだ。

そんなイングマルに、村に住むまわりの大人や子ども達がとても優しい。
中でも、少年に混ざってサッカーをしたりボクシングをする、女の子になりたくないと思っているサガとの出会いが、この物語を引き立てている。



最後には、ワンピースを着て女の子になった場面も、ほのぼのしていて、とてもいい感じ。



この映画の監督は、「やかまし村」のラッセ・ハルストム。
「やかまし村」の映画もそうだったけど、子どもたちの仕草、表情がほんとうにふつうで、すごくいい。

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久我山散人のメリンダ・キンナマン(マイ ライフ アズ ア ドッグのサガ)《夜ごとの美少女(1)》