紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

針ノ木~蓮華~北葛岳~七倉縦走・4

2009-08-23 11:06:59 | 3・山の日記
■ 2日目(8月15日):北葛乗越し~北葛岳~七倉岳~船窪小屋

10:10 北葛岳に向かって登り始める。暑くて、きつい。

 


後ろには、蓮華の大下りが見える。

 


だんだんと山頂に近づいてゆく。

 


下には大町が見える。

 

11:20 北葛岳山頂 

  


ここでも、グレープフルーツを食べる。去年も食べたのだった。

 


トウヤクリンドウ。

 


いよいよ、その日の核心部。そこからの下りで、去年滑落事故が起こった。

 


このような所を下って行く。

 


そして、滑落現場。良流娯(ラルゴ)さんが立っているあたりで、バランスを崩して、つかまったシャクナゲが抜けて、斜面をころがり落ちていった。

 


斜面は、こうしてみると、かなりの急角度だ。

少し行くと、ハシゴがかかり、そこをおりてゆくと、最後に、Sさんが寝かされていた場所に出る。


 


コキンレイカやイワシャジンが咲き乱れる斜面に、心が和む。最期の場所が花いっぱいだったことに、少し救われる。

 


 


ここで、ご家族から預かってきた写真、それに好物や、ビールを供え、お線香をあげる。

 


心よりご冥福をお祈りし、別れを告げて、そこをあとにする。

 


13:00 七倉乗越し

 


ホタルブクロ。

 

 イブキジャコウソウ。

 


そこから、七倉岳に向かって登る。去年、ここを救助の連絡をするために、走れる所はすべて全力で走ったというOさんは、わずか30分で船窪小屋にたどり着いたという。
ハシゴはあるし、両側がすっぱりと切れ落ちた歯渡りのような細い所も通るし、危ない道だった。何事もなくてよかったと思う。
ちなみに、今回はのんびり登って、ゆっくり山頂で過ごしたので、同じ所を1時間35分もかかった。


ハシゴ。

 


 


oさん。

 



14:15 七倉岳山頂 去年は記念撮影をしなかった。

 


 


14:35  船窪小屋着  登山客がくると、鐘を鳴らして迎えてくれる。山小屋のお父さん、お母さんが去年のことを覚えていて、暖かく迎えてくださった。

 

そして、カンパイ! 雄大な北アルプスを眺めながら、ビールを飲める幸せを思う。

 



どこかのサイトで見つけた山の断面図。北葛岳の最後が急だというのがよくわかる。

 



夜は、ネパールティーを飲みながら、ミーティング。Oさんと良流娯さんと私の3人が参加した。
それぞれが、自己紹介をした後、まっちゃんによるアコーディオンの演奏がある。写真撮影、録音は禁止とのこと。そんなこんなの、おしゃべりも楽しい演奏者であった。

 


アルハンブラの思い出、チャールダーシュ、アンダンテカンタービレなどなど、どれも心に染みいる演奏だった。
その中の一曲、少年時代を聴いている時に、ふいにSさんの少年時代からの夏の日々に思いを馳せ、涙がこぼれた。


◆ 針ノ木~蓮華~北葛岳~七倉縦走・・4・