◇ 消化できない貿易戦争の影響 = 日銀は2日、6月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、最も注目される大企業・製造業の業況判断指数はプラス21で、前回3月調査の結果を3ポイント下回った。この判断指数は、業況が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を差し引いて作成する。前々回までは8四半期連続で上昇していたが、ことしに入って2期連続で低下したことになる。
このため一部の新聞やテレビ・ニュースは「2期連続で下降」と、大々的に報道した。しかし数字だけから判断すると、大騒ぎするような内容ではない。プラス21という水準はまだかなり高いし、たとえば大企業・非製造業はプラス24で、前回より1ポイント上昇している。全規模・全産業でみても、判断指数は16で前回を1ポイント下回るだけだった。
業況判断が低下したのは、原油などの原材料価格が上昇したこと、それに人手不足の影響によると説明されている。だが同じく人手不足に悩む非製造業の判断指数が上昇するなど、納得しにくい面もある。要するにトランプ大統領が始めた貿易戦争の影響がまだ不透明で、なんとなく不安感が湧いてきたという段階ではないだろうか。
今後の見通しも、そんなに悪くはない。3か月後の予想をみると、大企業・製造業はプラス21で変わらず。全規模・全産業でも3ポイントの低下を予想しているだけだ。問題はこの見通しが当たるかどうか。貿易戦争の影響が明らかになるにつれ、業況判断はもっと下がる可能性が大きい。6月の時点で、経営者はそこまで感知していないということだろう。
≪2日の日経平均 = 下げ -492.58円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
このため一部の新聞やテレビ・ニュースは「2期連続で下降」と、大々的に報道した。しかし数字だけから判断すると、大騒ぎするような内容ではない。プラス21という水準はまだかなり高いし、たとえば大企業・非製造業はプラス24で、前回より1ポイント上昇している。全規模・全産業でみても、判断指数は16で前回を1ポイント下回るだけだった。
業況判断が低下したのは、原油などの原材料価格が上昇したこと、それに人手不足の影響によると説明されている。だが同じく人手不足に悩む非製造業の判断指数が上昇するなど、納得しにくい面もある。要するにトランプ大統領が始めた貿易戦争の影響がまだ不透明で、なんとなく不安感が湧いてきたという段階ではないだろうか。
今後の見通しも、そんなに悪くはない。3か月後の予想をみると、大企業・製造業はプラス21で変わらず。全規模・全産業でも3ポイントの低下を予想しているだけだ。問題はこの見通しが当たるかどうか。貿易戦争の影響が明らかになるにつれ、業況判断はもっと下がる可能性が大きい。6月の時点で、経営者はそこまで感知していないということだろう。
≪2日の日経平均 = 下げ -492.58円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫