◇ 間の悪い日銀の突飛な“実験” = 株式市場にとって、金利の上昇はだいたいマイナス材料。本当は“いい金利上昇”など、ないのかもしれない。ただ金利上昇という現象が株価に与える影響は、過大評価されているフシがある。市場にとっていちばん恐ろしいのは、金利が上がるほど景気がよくなって、中央銀行が金融を引き締めることだろう。その観点からすれば、最も注意すべき経済指標は物価だということになる。
アメリカ商務省の発表によると、FRBが最も重視している1月のPCE(個人消費支出の物価指数)は前年比1.5%の上昇だった。この上げ幅は11か月ぶりの大きさ。今後も上昇率は拡大する見通しだ。その一方、雇用の回復は遅れているので、FRBが直ちに政策を転換することはない。しかし物価がどこまで上がったら、FRBが行動を起こすのかは不明。そこが市場の警戒感を強めている。
日本の金利も、アメリカに引きずられて上昇した。10年もの国債の利回りは先週0.175%まで上昇、5年1か月ぶりの高さになった。日銀がゼロ金利政策に踏み切る前の水準に戻ったことになる。しかし、その上げ幅はきわめて小幅。このため日米間の金利差はむしろ拡大し、ドル高・円安が進行した。それでも市場には、やはり不安感が広がっている。
輪をかけたのは、日銀が秘かに実施したある“実験”。これまで恒常的に行なってきたETF(上場投資信託)の買い入れを突然ストップしたのである。2月中は1200円を超えた下落となった26日を除けば、いっさい買わなかった。日銀は「株価が上昇基調にあるとき、ETFの買い入れを止めるとどうなるか」を“実験した”のだと言われている。だが、まことに間の悪いときの実験になってしまい、株価の下落に拍車をかける形となった。
≪2日の日経平均 = 下げ -255.33円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
アメリカ商務省の発表によると、FRBが最も重視している1月のPCE(個人消費支出の物価指数)は前年比1.5%の上昇だった。この上げ幅は11か月ぶりの大きさ。今後も上昇率は拡大する見通しだ。その一方、雇用の回復は遅れているので、FRBが直ちに政策を転換することはない。しかし物価がどこまで上がったら、FRBが行動を起こすのかは不明。そこが市場の警戒感を強めている。
日本の金利も、アメリカに引きずられて上昇した。10年もの国債の利回りは先週0.175%まで上昇、5年1か月ぶりの高さになった。日銀がゼロ金利政策に踏み切る前の水準に戻ったことになる。しかし、その上げ幅はきわめて小幅。このため日米間の金利差はむしろ拡大し、ドル高・円安が進行した。それでも市場には、やはり不安感が広がっている。
輪をかけたのは、日銀が秘かに実施したある“実験”。これまで恒常的に行なってきたETF(上場投資信託)の買い入れを突然ストップしたのである。2月中は1200円を超えた下落となった26日を除けば、いっさい買わなかった。日銀は「株価が上昇基調にあるとき、ETFの買い入れを止めるとどうなるか」を“実験した”のだと言われている。だが、まことに間の悪いときの実験になってしまい、株価の下落に拍車をかける形となった。
≪2日の日経平均 = 下げ -255.33円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫