◇ 経済規模がすべてを制す = 中国共産党は昨年11月、新しい5か年計画を策定。そのなかで「35年に1人当たりGDPを中等国並みにする」ことを、目標に掲げた。これは3万ドル程度、現在のイタリアや韓国に匹敵する水準だと考えられている。しかし中国の1人当たりGDPは19年に1万ドルを超えたばかり。日本の4万ドル、アメリカの6万5000ドルに追い付くまでには、相当の時間がかかる。
そういうこともあってか、李克強首相の演説では1人当たりGDPには触れていない。GDPの大きさ、つまり経済規模いっぽんで、勝負する姿勢をみせている。たしかに1人当たりGDPは、国民の豊かさを示す尺度にはなる。しかし世界のなかでの存在感は、経済規模で決まってくる。中国のGDPが世界に占める比率は、10年の9%から20年には17%に拡大した。
もし中国のGDPがアメリカのGDPを上回れば、世界中がびっくりするだろう。多くの新興国が、欧米流の資本主義よりも中国流の社会主義経済政策を取り入れることになるだろう。GDPの大きさに比例して、軍事費や外交予算を増やすことが出来る。基軸通貨も米ドルではなく、中国元に変わるだろう。習近平国家主席の頭のなかに、こんな図柄が描かれていても不思議はない。
アメリカも最近になって、やっと中国の経済的な野望に気が付いた。バイデン大統領も「真の競争相手は中国だ」と言い始めた。半導体の中国向け輸出を規制したりしている。しかし中国に負けないためには、アメリカ自身が成長しなければならない。もし政治・人種・地域の“分断”が長く尾を引き、経済の不調が続くようだと、それはアメリカの自滅につながりかねない。中国はそれも期待している。
≪10日の日経平均 = 上げ +8.62円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
そういうこともあってか、李克強首相の演説では1人当たりGDPには触れていない。GDPの大きさ、つまり経済規模いっぽんで、勝負する姿勢をみせている。たしかに1人当たりGDPは、国民の豊かさを示す尺度にはなる。しかし世界のなかでの存在感は、経済規模で決まってくる。中国のGDPが世界に占める比率は、10年の9%から20年には17%に拡大した。
もし中国のGDPがアメリカのGDPを上回れば、世界中がびっくりするだろう。多くの新興国が、欧米流の資本主義よりも中国流の社会主義経済政策を取り入れることになるだろう。GDPの大きさに比例して、軍事費や外交予算を増やすことが出来る。基軸通貨も米ドルではなく、中国元に変わるだろう。習近平国家主席の頭のなかに、こんな図柄が描かれていても不思議はない。
アメリカも最近になって、やっと中国の経済的な野望に気が付いた。バイデン大統領も「真の競争相手は中国だ」と言い始めた。半導体の中国向け輸出を規制したりしている。しかし中国に負けないためには、アメリカ自身が成長しなければならない。もし政治・人種・地域の“分断”が長く尾を引き、経済の不調が続くようだと、それはアメリカの自滅につながりかねない。中国はそれも期待している。
≪10日の日経平均 = 上げ +8.62円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫