経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

中国をテコに再生 : バイデン戦略

2021-05-03 07:55:10 | アメリカ
◇ 国内の分断を修復できるか = バイデン大統領は28日、上下両院の合同会議で就任後初めての施政方針演説を行った。コロナ対策から経済再生、地球温暖化防止から民主主義の防衛まで。話は広範な分野に及んだが、ひときわ注目を集めたのが中国への言及だった。たとえば「21世紀を勝ち抜くために、中国やその他の国と競争している」と指摘。また習近平国家主席の名前を挙げて、貿易慣行や人権問題では厳しく対応して行くと宣言した。

経済政策の柱は、8年で2兆ドルを支出するアメリカ雇用計画と、10年で1兆8000億ドルを支出するアメリカ家庭計画。また、その財源となる大企業や富裕層に対する増税だ。共和党は大反対だが、「中国との競争に勝つためには、景気の回復と貧富の格差縮小が必要だ」と言われると、矛先はやや鈍りそう。要するに政治的には分断された民主党と共和党だが、唯一の合意できる点はアンチ中国。バイデン氏は、そこへ目を付けたわけだ。

トランプ前大統領も、中国に対しては厳しく対応した。ただ、その姿勢は中国製品に対して高関税を課するなど、アメリカの力を見せつける直接対決。これに対してバイデン大統領は、同盟国を巻き込んでの中国封じ込め作戦。そこでは民主主義国対社会主義国という基本的な政治体制の対決に、持って行こうという戦略が見て取れる。言うなれば、“冷たい戦争”の再現である。

こうしたバイデン戦略が成功するかどうかは、まだ判らない。中国に対する圧力が弱ければ、効果は薄い。圧力が強すぎると、核戦争などの脅威が増大しかねない。そして何よりも重要なのは、アメリカ国内の政治・人種・地域的な分断が解消に向かうかどうかだろう。分断が続けば、同盟国の結束もままならない。就任100日を過ぎたバイデン大統領の真価が問われることになる。


Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>