◇ 成長率が3%を下回った = 中国政府は17日、きわめて重要な経済指標をまとめて発表した。それを見ると、いま中国経済が短期的にも中長期的にも、非常に大きな困難に直面したことが判る。GDP成長率が急減速したにもかかわらず、物価は上昇。また総人口が減り始めたにもかかわらず、失業者は増えている。高齢化が進み、政府の社会保障支出も急増して行く。習近平政権は、この苦境を乗り越えられるのだろうか。
統計局の発表によると、昨年10-12月期のGDP成長率は、前年比の実質で2.9%だった。7-9月期の3.9%から、さらに減速している。ゼロ・コロナ政策の実施で消費需要が抑制され、生産活動も規制された。加えて欧米諸国の金融引き締めで、輸出が大きく落ち込んでいる。10-12月期の輸出は前年比7%の減少。アメリカ向けは19%、EU向けは12%の減少となっている。
この結果、22年のGDP成長率は3.0%に落ち込んだ。ひところは8-10%の高度成長を誇っていたが、いまや低成長国の仲間入り寸前。習政権が目標とした5.5%にも、全く届かなかった。同時に発表された鉱工業生産は前年比3.6%の増加だったが、1-9月期の3.9%増からやや鈍化。小売り売上高は0.2%の減少で、1-9月期の0.7%増から大幅に低下。固定資産投資額も5.1%伸びたが、1-9月期の5.9%増からは縮小という具合。いいところがない。
高度成長のおかげで、GDPがアメリカの7割にまで拡大した中国経済。習近平主席は「アメリカに追い付き、追い越す」ことを夢見ていたに違いない。だが、それは夢のまた夢になりそうな気配。いま習政権は景気の立て直しに必死だ。ゼロ・コロナ政策を停止、不動産に対する融資規制を撤廃、アリババなど巨大IT企業に対する規制も解除した。さらに人民銀行は、大量の資金を市中に放出している。
だが、やりすぎると不動産バブルが再燃したり、インフレが加速しかねない。さじ加減はきわめて難しい。ゼロ・コロナ政策を放棄し、国内の往来を自由にしたから、成長率はいったん5%程度にまでは戻るだろう。しかし、5%以上の経済成長を長期にわたって続けることは至難の業に違いない。人口も減り始めたからである。
(続きは明日)
≪18日の日経平均 = 上げ +652.44円≫
≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
統計局の発表によると、昨年10-12月期のGDP成長率は、前年比の実質で2.9%だった。7-9月期の3.9%から、さらに減速している。ゼロ・コロナ政策の実施で消費需要が抑制され、生産活動も規制された。加えて欧米諸国の金融引き締めで、輸出が大きく落ち込んでいる。10-12月期の輸出は前年比7%の減少。アメリカ向けは19%、EU向けは12%の減少となっている。
この結果、22年のGDP成長率は3.0%に落ち込んだ。ひところは8-10%の高度成長を誇っていたが、いまや低成長国の仲間入り寸前。習政権が目標とした5.5%にも、全く届かなかった。同時に発表された鉱工業生産は前年比3.6%の増加だったが、1-9月期の3.9%増からやや鈍化。小売り売上高は0.2%の減少で、1-9月期の0.7%増から大幅に低下。固定資産投資額も5.1%伸びたが、1-9月期の5.9%増からは縮小という具合。いいところがない。
高度成長のおかげで、GDPがアメリカの7割にまで拡大した中国経済。習近平主席は「アメリカに追い付き、追い越す」ことを夢見ていたに違いない。だが、それは夢のまた夢になりそうな気配。いま習政権は景気の立て直しに必死だ。ゼロ・コロナ政策を停止、不動産に対する融資規制を撤廃、アリババなど巨大IT企業に対する規制も解除した。さらに人民銀行は、大量の資金を市中に放出している。
だが、やりすぎると不動産バブルが再燃したり、インフレが加速しかねない。さじ加減はきわめて難しい。ゼロ・コロナ政策を放棄し、国内の往来を自由にしたから、成長率はいったん5%程度にまでは戻るだろう。しかし、5%以上の経済成長を長期にわたって続けることは至難の業に違いない。人口も減り始めたからである。
(続きは明日)
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≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫