◇ 「物価2%目標」にイミはあるのか? = 黒田日銀総裁は「物価2%の目標を達成するまでは、超金融緩和政策を続ける」と、しばしば発言してきた。この「物価2%目標」は、13年1月に政府と日銀が異例とも言える共同声明を発表する形で打ち出した政策目標。そこには「デフレ脱却のため、物価上昇率2%に向けて大規模緩和を続ける」と書かれていた。要するに、景気が上昇し需要が増大して物価が2%程度にまで上昇するような状態を目指すというわけだった。
いま消費者物価は、前年比4%にまで上昇している。しかし、この上昇はエネルギーや食料の国際価格が急騰、それに円安の効果が加わったことが原因。国内需要が増大した結果ではない。したがって、日銀は「まだ2%目標は達成できておらず、超緩和政策を続ける」と主張している。だが過去10年にわたって「物価2%目標」が達成されなかったことは、厳然たる事実。近い将来に達成できる可能性はあるのだろうか。
冷ややかな目で観察すれば、政府と日銀は‟10年前の古証文”を後生大事に取り扱い、果たせぬ夢を追い求めているようにも映る。しかも、そのために日銀は異常な勢いで国債を買い集め、金融市場の機能を破壊してしまった。さらに円安を助長し、企業や家計に多大な負担を押し付けている。このため最近では、政府部内にも「物価2%目標は取り下げた方がいい」という声が出始めている。
この4月8日には、日銀総裁が交代する。新総裁の最初の大仕事は、おそらく「物価2%目標」の修正あるいは廃止になる公算が大きい。だが、こんな後ろ向きの仕事を新総裁に託するよりは、黒田総裁が「自ら播いたタネを刈り取ったら」どうだろう。同時に副作用が大きくなりすぎた超緩和政策についても修正し、国民に説明責任を果たす。立つ鳥跡を濁さず、である。
≪24日の日経平均 = 上げ +393.15円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
いま消費者物価は、前年比4%にまで上昇している。しかし、この上昇はエネルギーや食料の国際価格が急騰、それに円安の効果が加わったことが原因。国内需要が増大した結果ではない。したがって、日銀は「まだ2%目標は達成できておらず、超緩和政策を続ける」と主張している。だが過去10年にわたって「物価2%目標」が達成されなかったことは、厳然たる事実。近い将来に達成できる可能性はあるのだろうか。
冷ややかな目で観察すれば、政府と日銀は‟10年前の古証文”を後生大事に取り扱い、果たせぬ夢を追い求めているようにも映る。しかも、そのために日銀は異常な勢いで国債を買い集め、金融市場の機能を破壊してしまった。さらに円安を助長し、企業や家計に多大な負担を押し付けている。このため最近では、政府部内にも「物価2%目標は取り下げた方がいい」という声が出始めている。
この4月8日には、日銀総裁が交代する。新総裁の最初の大仕事は、おそらく「物価2%目標」の修正あるいは廃止になる公算が大きい。だが、こんな後ろ向きの仕事を新総裁に託するよりは、黒田総裁が「自ら播いたタネを刈り取ったら」どうだろう。同時に副作用が大きくなりすぎた超緩和政策についても修正し、国民に説明責任を果たす。立つ鳥跡を濁さず、である。
≪24日の日経平均 = 上げ +393.15円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫