◇ おカネだけでは止められない少子化 = 厚生労働省は28日、昨年の外国人を含む出生数が79万9728人に落ち込んだと発表した。統計を取り始めた1899年以来、初めて80万人を割っている。コロナの影響もあって前年比は5.1%の減少、21年の3.4%減少から加速した。岸田首相は「危機的な状況だと認識している」と述べ、政府は3月中に総合的な少子化対策をまとめる方針。
出生数の長期的な推移をみると、最大だったのは第1次ベビーブームと言われた1947-49年の年間269万6000人。次は第2次ベビーブームだった71-74年の年間209万2000人。そこからは急な下り坂を転げ落ち、少子化ガ急速に進んでいる。この間、たとえば保育サービスや児童手当などを合計した家族関係社会支出は、90年度の1兆6000億円から20年度の10兆8000億円へと大幅に膨らんだ。しかし少子化の勢いは少しも緩んでいない。
いま岸田内閣は、①経済支援の強化②子育てサービスの充実③仕事と育児の両立支援--を3本柱に、家族関係社会支出を倍増させると意気込んでいる。その財源を巡って、国会で論争が行われていることは周知の通りだ。しかし過去30年間の実績からみて、こうした財政支援で少子化が収束するとは考えられない。少子化はおカネだけで解決できる問題ではないからだ。
たとえば子ども1人当たり年間100万円を支給するとでも言えば、話は別。だが、そんなおカネは出しようがない。また働く人たちの実質収入が毎年3%ずつ増えると保証すれば、出生数は必ず増えるだろう。だが、そんな経済成長も望めるはずがない。おカネでダメなら、あとは若い人の結婚観や家族観が変わるのを待つしかない。しかし、それには時間がかかるし、変わる可能性があるかどうかも判らない。
(続きは明日)
≪2日の日経平均 = 下げ -17.66円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
出生数の長期的な推移をみると、最大だったのは第1次ベビーブームと言われた1947-49年の年間269万6000人。次は第2次ベビーブームだった71-74年の年間209万2000人。そこからは急な下り坂を転げ落ち、少子化ガ急速に進んでいる。この間、たとえば保育サービスや児童手当などを合計した家族関係社会支出は、90年度の1兆6000億円から20年度の10兆8000億円へと大幅に膨らんだ。しかし少子化の勢いは少しも緩んでいない。
いま岸田内閣は、①経済支援の強化②子育てサービスの充実③仕事と育児の両立支援--を3本柱に、家族関係社会支出を倍増させると意気込んでいる。その財源を巡って、国会で論争が行われていることは周知の通りだ。しかし過去30年間の実績からみて、こうした財政支援で少子化が収束するとは考えられない。少子化はおカネだけで解決できる問題ではないからだ。
たとえば子ども1人当たり年間100万円を支給するとでも言えば、話は別。だが、そんなおカネは出しようがない。また働く人たちの実質収入が毎年3%ずつ増えると保証すれば、出生数は必ず増えるだろう。だが、そんな経済成長も望めるはずがない。おカネでダメなら、あとは若い人の結婚観や家族観が変わるのを待つしかない。しかし、それには時間がかかるし、変わる可能性があるかどうかも判らない。
(続きは明日)
≪2日の日経平均 = 下げ -17.66円≫
≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫