◇ 米中のGDP逆転はなくなった = 中国では5日に北京で開幕した全国人民代表大会の冒頭、李克強首相が「23年の経済成長目標を5%前後とする」と発表した。22年は「5.5%前後」を目標に掲げたが、ゼロ・コロナ政策の影響で景気が低迷、3.0%の成長に終わった。このため23年は確実に達成できるよう、目標を引き下げたものと思われる。どうやら中国も高度成長の時期を過ぎて、‟中成長国”の仲間入りをしたらしい。
国家統計局が2月末に発表した国民1人当たりのGNI(国民総所得)は1万2608ドル。GNIというのはGDPに海外で得た利益を加算した統計。世界銀行は現在、1人1万3205ドル以上のGNIがある国を「高所得国」と定義しているが、もう少しのところで届かなかった。中国政府はことし5.0%の成長を達成することで、この「高所得国」の仲間入りを目指すことになる。
ただ‟中成長国”になったことで、アメリカのGDPに追い付くことは難しくなった。たとえば日本経済研究センターは20年時点の予測で「早ければ28年にも米中のGDPは逆転」と推計。21年には「33年に逆転」と先延ばしした。これを22年時点の予測では「逆転する可能性はなくなった」と修正している。時間の経過とともに、中国の予想される成長率が低下したために他ならない。
代わって台頭してきたのがインド。22年の成長率は、コロナやエネルギー・資源の高騰にもかかわらず6.7%の高さを維持した。ドル・ベースの名目GDPは3兆3800億ドル。かつての宗主国だったイギリスを上回り、世界第5位に浮上。日本の約8割にまで増大している。インドの高成長はなお続くとみられ、IMF(国際通貨基金)では、27年に日本のGDPを追い越すという予測を発表した。
(続きは明日)
≪7日の日経平均 = 上げ +71.38円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
国家統計局が2月末に発表した国民1人当たりのGNI(国民総所得)は1万2608ドル。GNIというのはGDPに海外で得た利益を加算した統計。世界銀行は現在、1人1万3205ドル以上のGNIがある国を「高所得国」と定義しているが、もう少しのところで届かなかった。中国政府はことし5.0%の成長を達成することで、この「高所得国」の仲間入りを目指すことになる。
ただ‟中成長国”になったことで、アメリカのGDPに追い付くことは難しくなった。たとえば日本経済研究センターは20年時点の予測で「早ければ28年にも米中のGDPは逆転」と推計。21年には「33年に逆転」と先延ばしした。これを22年時点の予測では「逆転する可能性はなくなった」と修正している。時間の経過とともに、中国の予想される成長率が低下したために他ならない。
代わって台頭してきたのがインド。22年の成長率は、コロナやエネルギー・資源の高騰にもかかわらず6.7%の高さを維持した。ドル・ベースの名目GDPは3兆3800億ドル。かつての宗主国だったイギリスを上回り、世界第5位に浮上。日本の約8割にまで増大している。インドの高成長はなお続くとみられ、IMF(国際通貨基金)では、27年に日本のGDPを追い越すという予測を発表した。
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≪7日の日経平均 = 上げ +71.38円≫
≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ≫