◇ 1月の実質賃金は記録的な減少 = 実質賃金の減少率が、歴史的な水準にまで拡大した。厚生労働省が発表した1月の毎月勤労統計によると、1人当たりの現金給与総額は27万6857円で前年比0.8%の増加だった。しかし物価が5.1%も上昇したため、実質賃金は4.1%の減少となった。この減少率は14年5月と09年12月に、ほぼ並ぶ。14年は消費税の引き上げ、09年はリーマン・ショックの直後だった。
現金給与総額というのは名目賃金、つまり手取りの収入だ。しかし物価の高騰で、実際に買えるモノの数量は4%ほど減ってしまったわけである。さらに22年の統計をみても給与総額は2.0%増加しているが、やはり物価の上昇には追い付かず実質賃金は1.0%目減りした。それだけ日本人の生活水準は下がったとも言える。
政府はこうした状況を是正しようと、経済界に賃上げの実施を強く要請している。このため大企業のなかには、5%程度の賃上げを決めたところも出始めた。しかし中小企業の多くは1-2%程度の賃上げがやっと、賃上げできない企業が大半だ。したがって、働く人全部の賃金水準が物価上昇分を超えることは、どう考えても不可能に近い。
とすれば実質賃金をプラスにするためには、物価の上昇を抑えるしかない。そこで政府は電気・ガス料金や小麦の価格を引き下げるために、補助金を支出している。それも効果なしとは言わないが、いつまで続けられるのか。その一方で日銀は相変わらずゼロ金利に固執、円安が進んで輸入物価は再び上昇気味。政府には確固とした物価対策が、全く見受けられない。
≪9日の日経平均 = 上げ +178.96円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
現金給与総額というのは名目賃金、つまり手取りの収入だ。しかし物価の高騰で、実際に買えるモノの数量は4%ほど減ってしまったわけである。さらに22年の統計をみても給与総額は2.0%増加しているが、やはり物価の上昇には追い付かず実質賃金は1.0%目減りした。それだけ日本人の生活水準は下がったとも言える。
政府はこうした状況を是正しようと、経済界に賃上げの実施を強く要請している。このため大企業のなかには、5%程度の賃上げを決めたところも出始めた。しかし中小企業の多くは1-2%程度の賃上げがやっと、賃上げできない企業が大半だ。したがって、働く人全部の賃金水準が物価上昇分を超えることは、どう考えても不可能に近い。
とすれば実質賃金をプラスにするためには、物価の上昇を抑えるしかない。そこで政府は電気・ガス料金や小麦の価格を引き下げるために、補助金を支出している。それも効果なしとは言わないが、いつまで続けられるのか。その一方で日銀は相変わらずゼロ金利に固執、円安が進んで輸入物価は再び上昇気味。政府には確固とした物価対策が、全く見受けられない。
≪9日の日経平均 = 上げ +178.96円≫
≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫