◇ 利上げの一方で量的緩和 = FRBは先週22日、政策金利の0.25%引き上げを決定。これで政策金利は5.0%、15年半ぶりの高さに上昇した。金融不安よりもインフレ抑制を優先する姿勢を鮮明にしたことになる。声明文では前回の「継続的な引き上げが適切」という一文が削除されたことから株価は上昇したが、あとの記者会見でパウエル議長が「年内の利下げはない」と言明したため、結局は530ドルの大幅な値下がりに終わった。
ところが23-24日、株価は反発した。FRBが23年末の見通しで「政策金利は5.1%程度」という数値を維持したことが改めて評価された。これなら年内の利上げはあと1回、引き締めの終了は近いと想定できるからだ。さらに市場は、FRBが金融機関に対して実施する貸し出しについても注目した。この貸し出しワクは従来からのものと、設立されたばかりの緊急融資ワクの2つがある。
緊急融資ワクは金融不安に対処するため、シリコン・バレー銀行が破たんした直後に新設。経営が苦しくなった金融機関に破格の条件で融資する制度。FRBによると、融資残高は22日時点で536億ドル(約7兆円)にのぼった。また従来からの貸し出しワクでは、1102億ドル(約14兆3000億円)が融資されている。
もちろん、これらの融資は金融機関の倒産を防ぐためのものであって、景気対策とは関係がない。しかしFRBから資金が市中の金融機関に流れるという点では、量的金融緩和と全く変わらない。FRBは昨年6月から市場で国債などを売却する量的引き締めを実施してきたが、その半分に近い資金を放出した形。いわばFRBは、利上げと量的緩和の二刀流を使い始めたことになる。ここから、どんな影響が生じるのだろうか。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 上げ +91.62円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
ところが23-24日、株価は反発した。FRBが23年末の見通しで「政策金利は5.1%程度」という数値を維持したことが改めて評価された。これなら年内の利上げはあと1回、引き締めの終了は近いと想定できるからだ。さらに市場は、FRBが金融機関に対して実施する貸し出しについても注目した。この貸し出しワクは従来からのものと、設立されたばかりの緊急融資ワクの2つがある。
緊急融資ワクは金融不安に対処するため、シリコン・バレー銀行が破たんした直後に新設。経営が苦しくなった金融機関に破格の条件で融資する制度。FRBによると、融資残高は22日時点で536億ドル(約7兆円)にのぼった。また従来からの貸し出しワクでは、1102億ドル(約14兆3000億円)が融資されている。
もちろん、これらの融資は金融機関の倒産を防ぐためのものであって、景気対策とは関係がない。しかしFRBから資金が市中の金融機関に流れるという点では、量的金融緩和と全く変わらない。FRBは昨年6月から市場で国債などを売却する量的引き締めを実施してきたが、その半分に近い資金を放出した形。いわばFRBは、利上げと量的緩和の二刀流を使い始めたことになる。ここから、どんな影響が生じるのだろうか。
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≪27日の日経平均 = 上げ +91.62円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫