経済なんでも研究会

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FRBも 二刀流! (下)

2023-03-29 08:04:14 | アメリカ
◇ 景気後退の可能性が強まる = 政策金利が5%にまで上昇したことで、景気に対する抑制効果はかなり大きくなったと考えられる。さらに金融不安が解消されず、金融機関の貸し出し態度も厳しくなるに違いない。その結果、アメリカ経済が景気後退に陥る可能性は、いちだんと大きくなった。たとえばバンク・オブ・アメリカが機関投資家を対象に実施した調査では「スタグフレーションに突入する」とみる回答が88%にものぼった。

金融不安も、なかなか解消しない。FRBによると、金融機関全体の債券含み損は6200億ドル(約80兆円)に達した。また中小銀行からの預金流出額は15日までの1週間で1200億ドル(約15兆円)に及んでいる。この流出額はリーマン・ショック時の2倍というから大変だ。これらの中小銀行はFRBから多額の融資を受けて預金の支払いに応じているが、引き出された預金の多くは大銀行や金などの安全資産に移し替えられている。つまり消費や設備投資には、ほとんど回っていない。

ヨーロッパに飛び火した金融不安も、まだくすぶっている。クレディ・スイス銀行の問題はUBS銀行による買収で決着したが、総額160億スイス・フラン(約2兆3000億円)の劣後債は紙くずになってしまった。このためヨーロッパ中の銀行が発行した劣後債が売られ、平均利回りは10%近くに上昇。さらに銀行株は一斉に大幅下落した。この先6月には多くの劣後債が償還期限を迎えるため、‟6月危機”も心配さrれている。

景気後退と金融不安の同時進行。資金は一斉に安全資産へ避難し始めた。信用度の高い債券や金、株式でも景気敏感銘柄は敬遠されハイテク株が買われる。また安全資産の1つが日本の国債。国債の価格が上昇、金利は下落した。円の需要が増えて、円相場は上昇気味となっている。世界経済はしばらくの間、混迷の海を泳がなければならない。

        ≪28日の日経平均 = 上げ +41.38円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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