経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

寿命が延びた国・縮んだ国 : コロナ

2021-08-06 07:24:18 | 寿命
◇ 日本は男女とも9年連続で延びた = 厚生労働省が発表した20年の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳だった。前年に比べると、女性は0.30歳、男性は0.22歳延びている。ともに過去最高で、9年連続の延長を記録した。腫瘍・心疾患・脳血液疾患などでの死亡が減少したことによる。新型コロナ肺炎による死亡は平均寿命を引き下げたが、その程度は小さかった。

国際的にみても、女性の平均寿命は世界第1位。第2位は韓国、第3位はシンガポール。日本女性の世界一は1985年から36年間も続いている。また男性はスイスに続いて、世界第2位だった。このように日本人の平均寿命は、20年でみる限りコロナの影響はほとんどなかった。むしろ手洗いや消毒が励行され、インフルエンザの流行が抑えられたため、平均寿命は引き上げられたとも考えられている。

アメリカCDC(疾病対策センター)の発表によると、20年の男女を合わせた平均寿命は77.3歳で、前年より1.5歳も縮小した。主たる理由はコロナ肺炎による死亡者の増加。第2次大戦中だった1943年の2.9歳縮小以来の記録となっている。平均寿命の縮小幅は、白人が1.2歳だったのに対して黒人は2.1歳にのぼった。

新型コロナ肺炎がその国の平均寿命に及ぼす影響は、ほぼ死亡者の数に比例する。アメリカの場合、20年の死亡者数は37万5000人。日本は3500人にとどまった。ことしになっても、この傾向は続いている。1-7月間でみると、アメリカの死亡者数は約24万人、日本は1万1600人だった。したがってアメリカは21年も、コロナで平均寿命が縮小する可能性が大。日本も安心は出来ないところまで来ていると言えるだろう。

        ≪5日の日経平均 = 上げ +144.04円≫

        ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

盲点は 通勤電車だ!

2021-08-04 07:05:20 | なし
◇ 職場や家庭の感染源に? = コロナの新規感染者が全国では1日で1万人、東京都では4000人を超えてきた。政府は東京・大阪など6都府県に緊急事態宣言を発令、店舗での酒類提供を禁止している。ところが繁華街への人出はあまり減らず、感染者の増加傾向が止まらない。テレビでは連日のように、渋谷のスクランブル交差点や浅草雷門の人流を映し出し、不要不急の外出を止めるよう呼びかけている。

繁華街への人出や飲み会などが、コロナ感染の機会を増やしていることは確かだろう。だが大きな盲点は、朝の通勤電車ではないのか。時刻や路線によっては、予想以上に混んでいる。3密どころではない。スクランブル交差点より、はるかに人の密度は大きい。しかも長い時間、人と人との接触は続く。誰が濃厚接触者かも判らない。

東京都の場合でみると、50歳代以下の感染者が多くなってきた。また感染源は、職場と家庭が目立つという。では50歳代以下の人たちが繁華街をうろついているのかというと、そんな人はごく少数だ。ただ仕事を持っている人は多いから、電車には乗る。そこで感染者が多くなり、ウイルスを職場や家庭に運んでしまうのではないか。

不思議なことに、政府や自治体あるいは専門家も、通勤電車の危険性について警告する人はいない。テレワークの奨励はしているが、出来る人は限られる。だから政府がいまやるべきことは、通勤電車の実態調査、時差出勤の奨励、ホームへの入場制限、ラッシュ時の運賃引き上げなど。素早く実施すれば、感染者の増加抑制に大きな効果があると考えるのだが・・・。

        ≪4日の日経平均 = 下げ -57.75円≫

        ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

“独り負け”の日本 : GDP成長率

2021-08-03 07:43:20 | 景気
◇ 米欧中は景気回復したのに = アメリカ・ユーロ圏・中国の景気回復が、4-6月期のGDP統計で裏付けされた。いずれもワクチンの接種が進んだことから、経済活動がかなり正常化。これがGDP統計にも反映されて、成長率は大きく上昇している。そうしたなかで、日本の成長率は微増の予測。この面でも“独り負け”の様相が濃くなってきた。なぜなのか。

アメリカ商務省が29日発表した4-6月期の実質GDP成長率は、年率換算で6.5%だった。1-3月期の6.3%をやや上回り、GDPの実額はコロナ前の水準を取り戻している。またEU統計局が30日発表したユーロ圏の4-6月期の実質成長率は、年率8.3%とかなり高くなった。7-9月期には、コロナ前の水準に達すると予測されている。さらに中国の4-6月期の成長率は、年率換算で5.3%だった。

日本の4-6月期GDP速報は、まだ発表されていない。内閣府が16日に発表する予定。だが事前の民間予測では、0.7%程度の低い成長率が見込まれている。この予測通りなら、GDPの水準はコロナ前を1.8%下回り、日本の“独り負け”が明瞭になる。その大きな理由は、ワクチン接種が遅れたこと。コロナの拡大を食い止められず、緊急事態宣言を続けることになってしまったからだ。

それだけではない。アメリカやEU、それに中国は、コロナ対策と同時に大規模な景気対策も実施した。たとえばアメリカは総額1兆9000億ドル(約200兆円)のインフラ強化支出を実現させた。日本も3回に及ぶ補正予算で75兆円にのぼる財政支出を準備したが、その多くはコロナ対策。結果的に30兆円を超える予算を使い残してしまった。目先のことだけを考え、将来展望を忘れたことになる。この“失政”も、日本独り負けの原因となった。

        ≪2日の日経平均 = 上げ +497.43円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2021-08-02 07:29:13 | 株価
◇ 熱中症になった日本株 = 日経平均は先週264円の値下がり。終り値は2万7284円で、1月以来の安値に沈んだ。これで7月中は1507円の下落、全く元気がない。コロナの状況が急速に悪化、景気の見通しも暗くなっている。加えてオリンピック後に迫った総選挙。自民・公明の与党連合が政権を明け渡す可能性はないが、政局が不安定さを増す危険性は小さくない。市場はそれも心配し始めている。

ダウ平均は先週126ドルの値下がり。こちらもコロナの再燃が売りの原因になったが、月末を控えて利益確定の売りが出たことが大きい。それでも売りをこなして、大きくは下げない。まだまだ上げる意欲は旺盛だ。その根底には、企業の業績が予想以上に好調なこと。さらにFRBによる金融緩和政策の縮小も10月まではない、という見通しがある。

東証1部の予想PER(株価利益率)は、およそ15倍と14か月ぶりの低さに落ち込んだ。一方、SP500のPERは22倍を超えている。それだけ日本株の割安感は強まっているはずだが、その反応は鈍い。コロナの心配もさることながら、東京市場は熱中症にかかったようだ。何か強力な材料が出現しない限り、涼しくなるまでは元気が出ないのかもしれない。

今週は2日に、7月の消費動向調査と新車販売。6日に、6月の毎月勤労統計と景気動向指数。アメリカでは2日に、7月のISM製造業景況指数。4日に、7月の非製造業景況指数。5日に、6月の貿易統計。6日に、7月の雇用統計。また中国が7日に、7月の貿易統計を発表する。

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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