m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

名古屋&多治見の旅2018【カフェ&バーサカエストリート】

2018-02-13 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

モザイクミュージアムを見終わった後は、Sさんとサカエストリートへランチしに行った。

モザイクミュージアムから徒歩約5分。

 

 

表れたのはタイル尽くしの建物。

ぷにょさんのブログでは見てたけど、やっぱりすごい!興奮!

 

 

 

 

 

 

店内に入ると玄関からまたまた違ったタイルが貼り巡らされている。

お店は古い酒屋さんだった建物を店主さん自ら改装し、地元のボランティアの方々とで

タイルを貼られたという。

 

 

今ではあまり見かけないデッドストックの懐かしい模様のタイルなどがいい味わい。

釉薬見本として使われていたタイルなどもあって、

同じ模様で釉薬の濃淡や色味のグラデーションが見られ、雰囲気があっていいなあ。

 

 

店内はカフェ&バーというだけあって、夜の雰囲気もするけど、

あちこちに使われたタイルがその雰囲気をいっそう引き立てる。

 

 

マーブル模様のモザイクタイルがベースになったたばこケースが店内のアクセントに。

 

 

私たちのテーブルに貼られたタイルも素敵だなあ。

こんなダイニングテーブルあれば、売れるよなあ。

 

 

注文が来る間、店内のタイル捜索へ。

 

 

今も人気のコラベルだけど、ちょっと大きめ?

昔も流行っていたんだろうか。

コラベルを縁取りした小粒のモザイクタイルもかわいいなあ。

 

 

あ、この額縁はさっきモザイクミュージアムのショップで売ってたので、私も購入したものと同じだ。

外国へ輸出用に作られていた額縁だと言われてた。

たしかに日本ではとても使われなさそうなバタくさい?デザイン。

こうして中もモザイクタイルを敷き詰めたら可愛いなあ。

こちらは店主さんが作られたものだそう。

 

 

玄関の壁はその額縁を贅沢にも割って、モールディング状に貼り付けたもののようだった。

このカフェの中のタイルを見ているといろんな貼り方やデザインがあって面白い。

プロではない有志のボランティアの方々が手掛けたものだというが、どれも個性的でセンスがあった。

さすがタイルの町の有志!

 

 

階段にも効果的に貼られたタイル。

 

 

この貝のような石のような縞模様のタイルも面白いなあ。

 

 

こちらはお座敷の上がり口に玄関マットのように敷かれたタイル。

近くのごみステーションにもこれと同じデザインがあったけど、素敵だなあ。

 

 

お座敷の奥の壁にもタイルが貼られてた。

子連れや団体客にもよさそうなスペース。

 

 

こんなところにも抜かりなく

 

 

男子トイレ見た?と言われて見に行くと、

うわ~、これも圧巻!

こちらも釉薬見本の同じ模様の色合いが微妙に違うタイルが並べられている。

 

 

お店の方はこの釉薬見本のやわらかい色合いが好きで、使ったと言われていた。

 

 

女子トイレの方はもう少しシンプル。

 

 

この自由さがいい感じ。

 

 

怒涛のタイルワールドをじっくり味わってるうちにランチがやってきた。

ランチは3種類から選べて、私はオムライスにしたけど、サラダも盛りだくさんで、オムライスはガッツリ、

お味も美味しくて大満足。

が、しかし、私たちがいる間、誰一人お客さんが入ってこなかった・・

モザミューにはそこそこ人がいたのになあ。

タイル好きならこのお店も絶対好きなはずなんで、ぜひみんな訪れて欲しいなあ。

 

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名古屋&多治見の旅2018【モザイクミュージアム】

2018-02-12 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

モザイクミュージアムは9時開館なのに、多治見駅からのバスが、土日はなぜか9時台がない・・

皆、車で来るからかなあ?

まあ、多治見で歩き回ったので10時発のバスにはちょうどいい時間に。

 

 

モザイクミュージアムになってからは2度目の来館に。

この日は「陶磁器試験所と近代建築装飾」という特別展をやっていたので、

名古屋へ来たついでに訪れることにしたのだった。

 

 

3階の常設展から。

真っ白なタイルに包まれた空間に、レトロなモザイクタイル画やタイル絵、タイルが使われた流しや風呂が並ぶ。

この常設展示は建物の設計をした藤森照信氏のセレクトだそう。

 

 

この日はちょっと天気が悪くて青空は見えなかった。

蜘蛛の巣状に貼られたタイルがきらきら光る。

 

 

 

 

 

 

このマーブルタイルの作り方、知りたかったのだけど、

この前兵庫県立考古博物館でも教えてもらったところによると、

タイルに真綿をのばして置いて、上からスプレーで吹き付けると言われてた。

真綿でこんなに大理石っぽい風合いが出るんだなあ。

 

 

このお風呂なんて、外側のモザイクタイルのグラデーションといい、大理石風の縁といい、

中もピンクのモザイクタイルびっしりでほんとに可愛い。

 

 

底までもが更に違うパターンのモザイクタイル貼り。

 

 

グリーンバージョンもあって、こっちもいいなあ。

 

 

 3階はいろんなレトロなタイル見本がいっぱい。

 

 

パズルのようにいろんな形のモザイクから、さまざまな風合いのもの

 

 

全国で解体された建物から救出されてきたタイルの展示も。

こちらは今井兼次の東洋学園大学の壁画からもって来られたフェニックスモザイクの一部分。

フェニックスモザイクというのは陶器やタイルなどのリサイクル品を捨てずによみがえらせて再利用する

という意味があるのだそう。

以前見た今井兼次のフェニックスモザイク、「糸車の幻想」

こちらは取り壊されずに、大阪商工信用金庫本店ビルに移築保存されている。

 

 

平成28年に解体されてしまったエザキ旧本社ビルのメダル型テラコッタ、一対のうちの一組。

象を意匠化したものだそう。

こちらは取り外されてから小森忍の山茶窯の作品とわかったのだとか。

 

 

昔、見たエザキ旧本社ビルの写真。

 

 

モザイクタイルの元祖といわれてる山内逸三の初期の作品。

 

 

貼り板とタイルの展示は楽しいなあ。

 

  

後ほど安藤さんとお会いするお約束をしていたので、台湾で見たモザイクタイルのことも

お聞きしたら、初期のものは全部笠原発、と言われてた。

東南アジアへ輸出していたタイルは香港を拠点に各地へ散らばっていったとか。

 

 

たしか台湾のモザイクタイル展の展示でこんなパズル風のものもあったかと・・

 

 

これも可愛すぎる色と組み合わせ。

 

 

 

 

釉薬を吹き付ける時に使われたたらい?のようなもの

 

 

窯詰される時にタイルを入れるさや、H型匣鉢と言われるもの。

 

 

特別展「陶磁器試験所と近代の建築装飾」は写真撮影禁止だったので、美術館のHPから。

試験所で試作されたさまざまなタイルは、試作品なだけに?手作り感のあるものばかりで、とってもわくわくした。

 

 

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ベトナムのお正月(テト)を楽しむイベント

2018-02-11 | 異食文化の会

異食文化の会のKさんに誘われて、comm cafeで催された「ベトナムのお正月(テト)を楽しむ」というイベントに参加して来た。

 

 

旧暦のお正月(テト)はベトナム人にとって大事な日で、実家へ帰り、家族と共に新年を祝うという。

幸福や健康を祈願し、5種類の果物をお供えし、祖先に線香をあげるそう。

桃と梅はテトの花だとか。

 

 

テトの時に食べる欠かせない料理として、ベトナムのちまき、バインテット(南部)とバインチュン(北部)がある。

1部はワークショップでベトナムのちまきづくりを楽しんだ。

こちらは北部で作られるというバインチュン。

月桃、もしくはバナナの葉を十字において、もち米を置き、その上に豚バラ肉が入った緑豆を練ったものを置いて

更にもち米をかぶせて葉っぱで四角に包み込む。

 

 

竹の皮の紐で包んでこんな感じで完成。

 

 

バナナや月桃の葉はかなり大きい。

日本で手に入るのか?聞いてみたら、ネットで月桃の葉は買えるのだそうだけど、

なんと1枚千円とか・・?!

後でベトナム人留学生に聞いてみたらベトナムではタダのように安いものだそう。

 

 

バインチュンは本来はこんな真四角の枠を使って作るそうで、葉の敷き方にちょっと手がかかることから

最近では手で包み込むのが主流になってるとか。

 

 

もう1種類の南部で作られるというバインテットはもち米にココナッツミルクが入るという以外はバインチュンと一緒で、

最後は筒状に仕上げる。

 

 

この後はベトナムの旧正月の伝統文化についての紹介があって、ランチタイムへ。

料理はコース仕立てになっていて、前菜には海老と豚肉の和え物、揚げ春巻き、ベトナム風ハム。

私たち3人は隣のベトナム人留学生グループに合流させてもらって、

ベトナムの料理や日本での生活などなど、好奇心丸出しで質問攻め。

 

 

鶏肉と野菜のトマトシチュー。

ベトナムでは選りすぐりのエリートらしき留学生たちは、私たちおばさんの質問にも快く受け答えしてくれて、話が弾んだ。

なぜ、留学先に日本を選んだのか?との問いには「日本人の精神を学びたい」と・・

日本人の精神ってどんな?!

すると「勤勉」と答えが返ってきた。

ベトナムの若い人たちは日本人をそんな風に見てるのか~と驚いた。

 

 

ゆで卵入り、豚角煮。

私は12年前と10年前に家族でベトナムへ行き、ホーチミンからハノイまで列車で縦断したことがあるので

その時の強烈な?!懐かしい思い出も話せて楽しかった。

ニューランのバインミーが美味し過ぎる話とか、家族がぼったくりタクシーにつかまり銀行で金下せと連れていかれた話とか

ダムセン公園の急流すべりは頭からバケツで水かぶるくらいのありえない激しさとか・・

道路ではバイクが道幅いっぱい怒涛の如く押し寄せてきて、道路を渡れない話とか・・

 

 

牛肉のフォー

あれから10年経って時代は変わっているのかなあ?と 思ったが、

バイクは相変わらずのようで、しかし道路を渡る術は皆持ってるようで、バイクの流れを読みながら

渡ることは当たり前のことのようだった。

 

 

蒸し上がったバインチュン。

葉の緑色がもち米にほんのりついて、お味は軽めの塩味。

後、デザートに緑豆入りのチェー、そしてベトナム珈琲や蓮茶もセルフサービスで。

 

 

最後にビンゴゲームもあって、私はベトナム珈琲が当たった!

ベトナムのビンゴカードは長方形・・

奨学金でやってきているベトナム人留学生は今年の春からは東大や京大へ進学予定だそうで・・まさにエリート。

ぜひ日本でたくさん学んで日本のいい思い出を作って帰って欲しいなあ。

おばちゃんたちのあほな話に付き合ってくれてありがとう。

今日はベトナムのことをいろいろと思い出し、とても楽しいひとときが過ごせた。

 

懐かしいベトナムの旅行記はこちら↓

子連れ初ベトナム

2006年初子連れベトナム①

2006年初子連れベトナム②

2006年初子連れベトナム③

 

子連れベトナム縦断

2008年子連れベトナム縦断ホーチミン①

2008年子連れベトナム縦断ホーチミン②

2008年子連れベトナム縦断ホーチミン③

2008年子連れベトナム縦断ホイアン④

2008年子連れベトナム縦断ホイアン⑤

2008年子連れベトナム縦断フエ

2008年子連れベトナム縦断ハノイ⑦

2008年子連れベトナム縦断ハノイ⑧

2008年子連れベトナム縦断ハノイ⑨

 

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名古屋&多治見の旅2018【多治見のタイル歩き他】

2018-02-09 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

名古屋の近代建築観察会に参加した日はぷにょさんと名古屋で宿泊。

翌日瀬戸へ行くぷにょさんと別れて、私は多治見のモザイクミュージアムへ企画展を見に行くことに。

 

 

ホテルから丸の内の駅へ行くまでにタイル探し・・

このポストかわいいなあ。

 

 

さすがに陶磁器の町、名古屋ならではな贅沢なタイル使いの塀。

 

 

地下鉄の乗り換えで歩いた鶴舞駅には、すごいスケールの鶴が舞うモザイク壁画が通路いっぱいに描かれていた。

 

 

紫のグラデーションで描かれた、羽を広げた鶴が美しい。

 

 

金色のモザイクタイルがきらきらと輝いて、集団で立つ鶴の姿のモザイク画も圧巻!

 

 

寄って見ると、意外にたくさんの色のモザイクタイルが使われている。

 

 

多治見駅に着き、10時発のモザイクミュージアム行のバスでSさんと合流するまで

小一時間、多治見の町を歩くことに。

 

 

数度歩いたことがあるけど、まだ歩いてないところや歩いたところも再び歩いてきた。

 

 

散髪屋さんの鮮やかなモザイク壁画。

三叉路にあって、とても目立っている。モザイク画の他にもガラスブロックや上の深緑のタイルが

贅沢に使われていた。

 

 

窓の下の型押しタイル。

 

 

アンティーク店の軒下に貼られていたタイルは色がとてもきれい。

 

 

入口扉前にもモザイクタイルが敷かれてる。

 

 

お店はまだ開いてなかったけど、楽しそう~

 

 

なまこ塀のある路地の奥の壁には

 

 

タイルがびっしり貼られてた。

 

 

 

 

 

  

このブルーのタイルも鮮やかでニュアンスのある色合いがきれい。

 

 

繊細なデザインの面格子

 

 

細かいモザイクタイル貼りのオリオンスポーツ

 

 

前も通った純喫茶。入ったことがなかったので

ここでモーニングすればよかったかな。

 

 

 

 

 

銀座センター街の路地。

ここもまだ通ったことなかった。

 

 

廃墟になったお店が並ぶが、お店を彩る個性的な壁やタイルが使われた壁などなどが

寂れながらも残されてた。

 

 

ガラスモザイクに囲まれた扉。

 

 

周りのモザイクタイルも可愛いデザイン。

 

 

壁の裾にもぼこぼこと雰囲気のあるタイルが貼られていたり、

 

 

重厚感のあるやきものの風合いのタイルもあった。

 

 

商店街の中には、こんな純喫茶も。

 

 

煉瓦風のタイルで描かれた「コーヒー」の文字とカップが手作り感があって楽しいなあ。

 

 

商店街の中はこんな老舗っぽい雰囲気の建物もあって、

 

 

その壁は渋いタイル尽くし。

 

 

 

 

特にいいなあと思ったのはこのモールディング風な装飾タイル。

和風の建物だけど、ここだけ洋の雰囲気

 

 

何のお店だったか?このショーケースも上部のモールディングが凝ってた。

 

 

土台の白と深緑のタイルも鮮やか。

 

 

酒屋さんの建物もタイルに覆われてた。

 

 

細かい貫入の入ったやわらかい色合いのタイルが素敵だった。

 

 

こちらは元銭湯。

 

 

ここのマジョリカタイルのデザインは他では見たことないなあ。

ベースの赤色の釉薬の発色がほんとうにきれい。

 

 

中央のモザイクタイルも可愛い

 

 

いい感じに錆びれた看板とシャッター

 

 

マジョリカタイルがボーダー状に入ったショーケース。

 

 

ツブツブ感のあるタイル。

時間になったのでそろそろバス停へ走った。 

 

  

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名古屋&多治見の旅2018【旧春田鉄次郎邸】

2018-02-07 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

旧豊田佐吉邸を出て、お隣の旧春田鉄次郎邸へ。

春田鉄次郎は、多治見生まれの大洋商工(株)を起こした陶磁器の貿易商

こちらは常に開いてるわけでないみたいで、ボランティアガイドさんが付き添ってくれて

鍵を開けて案内してくださった。

建物は大正13年に武田五一の設計により建てられた自宅。


 

洋館はレストランが営業しているので見学はできないようで、

外からテラスだけ。矢筈貼りのタイルの床、ストーブらしきもの

 

 

洋館の奥にある和館へ。

 

  

表玄関は洋館の方になり、こちらは裏玄関の和館の天井装飾。

和洋折衷風な不思議な雰囲気。

 

 

中央には2匹の鳳凰が描かれた装飾。

当時はこちらから照明が下がっていた。

 

 

玄関のすぐそばの和室には造り付けの押入れや戸棚がある。

 

 

 食堂との境の扉は三枚の引き戸になっていて、扉には階段状に並ぶ小窓が面白い。

 

 

食堂は洋風?!

中央には丸テーブルが置かれ、人数が増えた時にはテーブルが伸びるようになっていた。

 

 

この造り付けの配膳台の向こうに台所があったそうだが、今はもう取り壊されてしまったそう。

 

 

ダイニングには重厚な造りの子供用の椅子もあって、それぞれの脚にはコマがつくなど機能的な造りに。

 

 

2階の洋室。

天井には楕円を描く数珠状のシンプルな装飾が。

 

 

鏡の付いた造り付けの大きなクローゼット。

武田五一らしく、家具も建築の一部となって、見た目もすっきりと収納豊富な造りだなあ。

 

 

トイレのタイルも当時のものだそう。

 

 

廊下にあった扉を開けると、こちらは収納庫だった。 

 

 

和室との境に入れられた網戸?! 

  

 

 

床の間のある和室。

和室の付書院の前には紅葉の一枚板でできた琵琶台が貴重だそう

 

 

欄間は鳳凰の透かし彫り

 

 

 

二間続きの奥の部屋は元は和室で、戦後進駐軍に接収されたときに洋間にされたのだそう。


 

武田五一デザインの大きな洋服箪笥が設置されていた。

 

 

寄木模様の入った箪笥の扉。

この後は集合場所の名古屋市役所へ向かった。

 

 

途中、カトリック主税町教会へ立ち寄る。

明治37年に建てられた名古屋最古の教会堂。

復元された鐘楼の鐘は100年前のフランス製だそう。

 

 

礼拝堂内も入ることができた。

 

 

 

 

八角形のステンドグラスの色合いがきれい。

 

 

十字架を描いたステンドグラスも

 

 

更に歩く道すがら、編み込み風タイル発見。

 

  

ブルー系の美しいタイルも。

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名古屋&多治見の旅2018【旧豊田佐助邸】

2018-02-06 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

橦木館を出て、旧豊田佐助邸へやってきた。

発明王豊田佐吉の実弟、後に豊田紡績の社長を務めた豊田佐助の邸宅で、

こちらの白色タイル貼りの洋館は大正5年に建てられたもの。

 

 

隣接する和館は大正12年に建てられた。

当時は主屋を和風の建物、接客応接の場として洋館、洋室を付設したものが一般的だったそうだが、

こちらの邸宅は三井、三菱などの大財閥と同じく、洋館を主屋としていたそう。

 

 

玄関ポーチはオレンジ色のタイル貼り。

 

 

玄関へ入ると色違いのタイルが貼られている。

ボランティアガイドさんがおられ、集合時間1時までに、もう1軒春田鉄次郎邸へも行きたかったので

制限時間を伝え、駆け足でガイドしてもらうことに。

 

 

1階洋間。

とても高い天井には漆喰装飾の天井飾りが付き、四隅には特徴的な換気口が見られる

 

  

 

 

部屋の四隅の換気口はとよたの文字を取り入れ、鶴と亀の模様で表した縁起のよい図案になっていた。

 

 

トイレは白いタイル貼りに。

 

 

タイル貼りの広い洗面所には、米軍接収時にはバスタブが置かれていたこともあるという。

 

 

和館の方へ移動。

和室は襖を開けると大きな一つの部屋にも使える造りに。

 

 

和室の障子には左右に扉が開ける猫間障子と言われる珍しい障子に。

 

 

無双連子窓は窓は2重になっていて、明り採りと風通しの為にスライドできるようになっている。

 

  

和室には一部内部の構造がむき出しになっている部分があり、構造分析の結果、

十分な耐震構造であるとのこと。

見えないけれども大事な部分にお金をかけたというトヨタの精神が垣間うかがえるという。

 

 

床の間の壁にはその内部の筋交いが内側から浮かび上がっているのが見られる。

 

 

廊下には洋風の傘のガス灯も残されていた。

 

  

洋館の2階へ。階段の手すりもスライドする明かり採りがついている

 

 

洋館の2階は外観は洋風なので、廊下には上げ下げ窓に。

窓の位置がかなり下についているのは、和室で座った時に庭を眺められるようにとの配慮からだそう。

 

 

 

 

 

豪華絢爛な襖絵

 

  

 

 

 

 

鳳凰の透かし彫りの入った欄間

 

 

こちらの欄間の桟は斜めに入っていて今では造るのが大変困難なものだそう。

 

 

時間がないので、次はお隣の旧春田鉄次郎邸へ案内して頂いた。

 

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兵庫県立考古博物館の珉平焼とマジョリカタイルコレクション

2018-02-05 | 美術館・ギャラリー他

先週末、兵庫県立考古博物館へ、ぷにょさんが面識のあるダントーのマジョリカタイルにお詳しい深井先生に

お話を伺いに訪れてきた。

深井先生は、「タイル考古学」を提唱され、タイルの図柄などによる作成時期特定や

タイルの世界的な広がりについて研究を続けておられる。

縄文時代がご専門だったそうだが、淡路島の珉平焼窯跡の発掘調査に携わられたことがきっかけで

タイルの面白さに引き込まれていかれたという。

こちらの博物館では、その珉平焼窯跡から発掘された珉平焼やマジョリカタイルなどの陶片も所蔵されていて、

お話をお伺いした前後に展示品のタイルや、更に今回は「タイル友の会(TTK)」(つい先日発足?!)

として正式に申請をしていたので、所蔵庫に保存されている発掘品のタイル片も多数拝見させて頂くことができた。

 

 

JR土山駅から徒歩約15分、見えてきた博物館の建物は古代の丘をイメージしたものだそうで、

芝生のような草に覆われてる。日本古来の種、チガヤという植物が植えられているのだとか。

 

 

壁面は地層がイメージされたもの。

 

 

参加体験型の博物館は子供たちや家族連れが興味をそそられるような展示工夫や

さまざまなイベントなども定期的に行われてるようで、縄文土偶づくりや古代のかごづくりなど興味深いワークショップも

催されているようだった。

 

 

古代の土器の修復作業の現場を見れるコーナーもあったりして興味深いなあ。(平日のみ)

 

 

素人が見ると単なる石片にしか見えない。

こんな破片からパズルのように組み合わせ復元できるとは・・

熟練の技が必要なのだそう。

 

 

地下には巨大な収蔵倉庫もあり、バックヤード見学デッキからも見ることができる。

 

 

収蔵展示品の中には珉平焼とマジョリカタイルのコーナーもあり、そちらもじっくり見学。

海外輸出用に作られた食器類は色合いがカラフル。

 

 

珉平焼特有の三彩釉の小皿。

窯跡発掘品なので、欠けなどがある失敗作になる。

発掘時には大量の失敗品が廃棄された層が6mも堆積していたのだそう。

 

 

緑と黄色の発色が本当に鮮やかだなあ。

 

 

この蓋らしきものについた桃のつまみもとても愛らしい。

 

 

展示は引き出し式になっていて、1番上の引き出しを開けると、最も古い明治30年代に湿式製法で作られたマジョリカタイル

が並べられている。湿式タイルは粘土を土型に押し込み成型したもので厚さは通常15mm以上とぶ厚くなっている。

 

 

こちらは網干の山本邸の外便所の内壁に貼られていたのと同じデザインのものだなあ

 

 

四隅に松のモチーフ、真ん中に温泉の文字が入るタイルはどこの温泉で貼られてたんだろう?

 

 

あまり見かけない紫の釉薬に洋柄のものも

 

 

 

 

こちらは上の模様と同じだけど、単色だと別のデザインに見えるなあ。

マレーシアのマラッカのカンポンクリンモスクで使われていたものと同じタイルだ。

 

 

こちらは台湾では最もポピュラーな柄といわれてたタイルだ。

 

 

このデザインのタイルも初めてみた。

 

 

ここからは乾式タイル製法で作られたもの

乾式タイルは粉砕した土や岩石で金型を用いて機会により圧縮成形したもの。

厚さは10mm前後、最大でも13mm程度だという。

湿式から乾式へ、より扱いやすいように薄く、軽いものへと進化していった。

 

 

このデザインも初めて見るなあ。

 

 

こちらも、アールヌーヴォーの曲線が美しい。

  

 

こちらのレリーフタイルも珍しいものだそうで、見たことのないデザイン。

 

 

通常は約15cm四方のマジョリカタイルだけれど、

その1/4ほどの大きさのものもあった。

 

 

 

 

銅板転写タイルもいろいろ。

 

 

 

 

お昼からは企画展、「ひょうごの遺跡2009~2018」の深井先生によるギャラリートークもあったので

そちらにも参加させて頂いた。

発掘品の解説もいろいろと興味深く、親子の水鳥埴輪にはほのぼのさせられた。

 

この後も貴重な珉平焼窯跡の発掘品のさまざまなタイルを解説してもらいながら見せて頂いたり、私たちが訪れた台湾のマジョリカタイルミュージアムやそれぞれが発見したタイルスポットの情報交換などなど、話は尽きず・・

結局ほぼ閉館時間まで長居してしまい、お話をさせて頂くことができ、大変有意義な時間を過ごすことができた。

お忙しいところ本当にありがとうございました。

 

 

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名古屋&多治見の旅2018【文化のみち・橦木館】

2018-02-03 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

名古屋で近代建築観察会に参加した朝、朝一で高速バスで来たので、

集合時間まで2時間ほど、白壁地区のお屋敷を見学することに。

この辺りは10年ほど前に家族でやって来て、東山動物園で遊び疲れた子供たちが車で寝てる間にダッシュで回った

界隈なので、もう一度ゆっくり見学したいと思ってた。

こちらの橦木館は陶磁器商として活躍した井元為三郎が、大正末期から昭和初期に建てた邸宅。

約600坪の敷地の中に和館、洋館、二棟の蔵、茶室、庭園が残されている。

 

 

明治20年代になると輸出向けの陶磁器の比重が高まり、こちらの地区で美濃や瀬戸から

仕入れた白素地に上絵付け、焼付けをし、完成品として世界各地へ出荷していたそう。

昭和初期には600をこえる上絵付工場があり、最盛期には日本で作られた輸出用陶磁器の7~8割がこの地域で生産されていたとか。

 

玄関入口周りはさすがにやきもので作られたアーチが貼られている。

 

 

扉上部にはアールデコ調のステンドグラスが入り、

 

 

玄関ポーチの天井にはブルーのガラスが魅力的な星形のかわいい照明

 

 

内扉にも細かい幾何学模様のステンドグラスが入っている。

 

  

洗面所入り口上部には小枝にとまる鳥のステンドグラス。

橦木館のステンドグラスは宇野澤スティンド硝子工場草分けの職人、梅澤鐵雄の作品だと推測されているのだそう。

 

 

そして前回来た時にはあまり気付いてなかった洗面所の中がすごいタイル貼りに。

 

 

 

 

壁面は透明感のあるつややかなタイルが貼られ、

 

 

床面にはグレーのグラデーションが美しい無釉モザイクタイルと上品な取り合わせ

 

 

トイレ内も大き目の窓が二つもつき、周りは白いタイルに囲まれて

明るく清潔感漂うトイレだった。

 

 

1階の旧応接室にもテラスに面した扉の欄間にステンドグラスが入れられている。

 

 

2匹の鳥が向かい合ったデザイン

 

 

応接間の扉などには象嵌細工で作られた模様がとても繊細。

 

 

 

 

 

 階段の腰壁は手斧仕上げに。

 

 

2階の浴室も総タイル貼りで水色のタイルがさわやか。

 

 

2階の旧娯楽室

  

 

サンルームとの境に入れられた欄間のステンドグラス。

クローバーやダイヤなどトランプのようなデザインが楽しい。

 

 

色の入った型板ガラスも美しいなあ

 

 

ここの娯楽室に続くサンルームがまた素敵。

広くとられた窓からは明るい光が差し込んでいて、

 

 

スクラッチタイル貼りの腰壁、網代模様に貼られた床のタイルは

重めの色合いだけれど、明るいサンルームなので程よい渋さ。

 

 

旧娯楽室は展示室になっていて、輸出陶磁器関連の展示があった。

銅板転写用の銅板かなあ。

とても細かい模様が彫り込まれている。

 

 

井元商店が扱っていたカップ&ソーサー

井元商店の製品は主に輸出向けだったため、国内にはあまり残ってないそうだが、

こちらのカップ&ソーサーは長年米国で使用された後に、里帰りした貴重なものだそう。

ライトブルーの優しい色合いやデザインも斬新だなあ。

他にも輸出用の陶磁器や資料などがいろいろ展示されていた。

 

 

1階へ下りて、和館の方へ。

和館では書道展が開催中。

和室や洋室、茶室など、貸室もされているそう。

 

 

庭園から見た和館。

 

 

洋館

 

 

洋館のテラスにもモザイクタイルが敷き詰められていた。

 

 

 

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名古屋&多治見の旅2018【名古屋近代建築観察会その二・丸栄百貨店】

2018-02-01 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

 

近代建築観察会の最後はこの日のメインでもある丸栄百貨店へやって来た。

丸栄百貨店は今年の6月で閉店、そして建物も解体される予定だという。

昭和28年に村野藤吾設計により建てられた本館は百貨店で唯一、日本建築学会賞を受賞している。

 

 

ファサードは伊奈製陶のカラコンモザイクという薄紫色のタイルが使われ、その間にはガラスブロックが入れられていて、

光が入るよう工夫されていたのだそう。現在は商品の日焼けを避けるため光を通さないよう閉じられている。

そしてタイルは建築当初は下から上へ紫の濃淡のグラデーションになっていたという。

 

  

看板の上には鳥モチーフのモニュメントが。

 

 

 そして、西側は西日が入らないように閉じられた壁面いっぱいが陶壁になっていて村野藤吾デザインによる

抽象的なモザイク画が描かれている。

 

 

 緑のタイルは大仏タイル、それ以外は泰山タイルが使われていて、

タイルの他にもカラフルなガラスブロックが用いられているそう。

後ほどこちらの一番上の窓から一人ずつ顔を覗かせて写真を撮ってもらうというサプライズも。

 

 

この時伺ったが、京都の泰山製陶所が瀬戸にもあったのだそう。

この壁面を埋め尽くすタイルの量は相当なものだろうなあ。

 

 

西日を受けてキラキラ輝くタイル。

 

 

 

 

 

 

そしてこちらが上の窓から覗いた時に間近で見た緑の大仏タイル。

思ったより光沢があって鮮やかで、目地幅も大きくとられてるんだなあ。

 

 

1階部分の外壁は深い緑色の蛇紋岩が貼られ高級感漂う。

ショーウインドウ前には当初は明り採りのガラスブロックが入れられていたそうだけど、

今はもう埋められている。

 

 

後ほど、地下から埋められた明かり採りのガラスブロックを見せて頂いた。

すごい数の明かり採りに驚く。

バックヤードで働く人たちのことも考えてのデザインだったそうで、

地下なのに自然光が降り注ぎ、明るい空間だったんだろうなあ。

 

 

 

 

 

こちらの地下への階段も一工夫され、

 

 

壁面に貼られたタイルは目地のないもの

 

 

そして店内へ。

エレベーターの扉は東郷青児デザインのもの。

灰色がかった柔らかい色彩の絵が上品で素敵だなあ。

周りの独特なオレンジ色の大理石ともピッタリマッチ。

 

 

 

 

しかし、個性的な色と模様・・

 

 

エレベーター周りだけでなく、階段周りにも様々な印象的な大理石が使われていて、

百貨店ならではのゴージャスな内装に目を奪われる。

 

 

 

 

 

階段のデザインも村野藤吾らしく、繊細で美しいなあ。

 

 

 

  

屋上へ上がり、外壁のタイルに挟まれたガラスブロックを間近で見る。

 

 

機械棟へ入ると、こちらもバックヤードとは思えない明るさで、縦長のいくつもの窓から光が降り注いでいた。

 

 

さらにその奥の空間もすりガラスから入る柔らかい光に圧倒される。

バックヤードまで手を抜かず、隅々まで機能美が考えられたデザインが素敵だなあ。

 

 

そしてこのツアー最大のサプライズは、なんと、この機械室にしまわれていた東郷青児デザインオリジナルのエレベーターの扉!

柔らかい自然光の中で見るオリジナルの扉はとても美しくて感動!

ツアーの演出も完璧だなあ。

 

  

サインも。

 

  

最後は屋上へ上がらせて頂く。

簡易過ぎる柵に足が震える・・

 

 

丸栄の力強い看板がすぐ目の前。

建築当初は回転していた看板。

 

 

 

 

そしてツアーはこちらでお開きに。

最後には丸栄百貨店からのお土産も持たせてもらい、無料なのに至れり尽くせりのツアーに感激した一日だった。

 

 

 

 

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