日曜日、予約をしていた京都、亀岡にある盲導犬訓練センターへ見学に訪れた。
まずは係の方から盲導犬の歴史や盲導犬になるまでの訓練方法などスライドを交えていろいろと教えて頂いた。
盲導犬はドイツで生まれ、日本に入って来たのは1957年と意外と新しい。
現在日本では1100人の視覚障害者の方々が盲導犬にお世話になってるそう。
盲導犬候補の子犬は生後2カ月頃にパピーウォーカーへ預けられる。
パピーウォーカーとは子犬を飼育をするボランティア。
約10カ月後、1歳になった犬はこの訓練施設へ戻ってきて半年から1年の訓練が始まるのだそう。
訓練といっても決して犬を叱ったりして厳しくしつけることではなく、犬にとっては訓練=楽しいこと、と理解させるべく
犬の好きな遊びを取り入れ、できたことに対してはほめて能力を引き出すという方法で訓練される。
これは子育てにも通じるような・・なかなかできないのだけど;
これは盲導犬が体につけているハーネス。
ハーネスを通して盲導犬の動きが使用者に伝わり、安全に歩けるようになっている。
このハーネスをつけてる犬は盲導犬としてお仕事中ということなので道で会っても触れたり邪魔をしないようにとのこと。
段差や障害物がある場合はその場で止まる、方向転換するというような訓練を繰り返し教え込むのだそう。
危険な場面では飼い主の言うことを聞かず、危険回避を第一として行動する訓練なども、
ほめるということだけで、こんな複雑なことをマスターできる犬ってすごい・・
訓練センターには最終テストを通過した盲導犬がユーザーとなる視覚障害者と約4週間共同訓練する施設も完備されている。
こちらは洋室。ユーザーのお家に合わせて和室もあって実際に家で暮らすように訓練するのだとか。
実際に盲導犬と一緒に暮らしておられる視覚障害者の方からお話も伺った。
こちらの方は今まで19年間で3頭目になる盲導犬と一緒に暮らしておられるという。
他人の介助なしに外出やいろいろなことができるということで盲導犬はやはり毎日の生活に欠かせないものとなってるそう。
今の犬は現在の自分のライフスタイルに合っていて外出が好きで元気だそうで
1週間に40kmは歩き、琵琶湖240kmを12,3回に分けて完歩、現在2週目にチャレンジ中だとか。
視覚障害というハンデを感じさせない前向きなチャレンジ精神と始終笑顔で話されていたその表情にこちらも元気をもらえた。
一緒に行った両親もいい話が聞けたと感動してた。
最後は自由に盲導犬と触れ合ったり、訓練士の方の話を伺ったり、視覚障害疑似体験なども。
視覚障害にもいろいろあって、全盲の方から光くらいは捉えられる、又視力はあるが視野だけが狭いという方まで。
これらの特殊メガネで体験させていただいたが、視野が狭いだけでかなり歩くことは困難になる。
こういう障害の方はなかなか周りには分かりにくく苦しい思いをしてる人も多数おられるのだとか。
視覚障害の方には黒字に白という文字が見えやすいそう。
ユニバーサルデザインのカレンダー。
20%の国や地方自治体からの補助金以外は80%の寄付金とボランティアでまかなわれているという盲導犬協会。
飼育ボランティアはパピーウォーカーからリタイア犬、盲導犬にならなかった犬(60~70%にもなる)を飼うボランティアまで
犬好きの方々にはなかなかいいボランティアなのでは~と。
この日は盲導犬について、障害についていろいろと知り、考えることができたいい機会だった。