先端科学技術支援センターを見学した後やってきたのは安藤忠雄設計の播磨高原東小学校と中学校の間にある栗ノ木谷公園。
ここで母が持ってきてくれたお弁当を食べ、この公園の中で見たかった公衆トイレ、「スプリングテクチャー播磨」を見学した。
このリボンを巻いたような優雅な曲線を描く建物はなんと公衆トイレ。
少し前に三木総合防災公園で見たブルボンビーンスドームと同じ設計者遠藤秀平の作品だそうでとても面白いデザインになっている。
最初は一体どこからトイレへ入ればいいのか?迷路のようで戸惑ってしまったが、なんとか入り口発見。
リボンが渦巻くようなこの大胆な外観・・
コルゲートシートという波型鉄板を使って作られたトイレ。あまりに面白い造形に感動~
女子トイレの個室もこの波型鉄板で整えられていて美しい。
こちらは多目的トイレの中。
素材はこんな鉄板なのに不思議とやわらかさを感じる遊び心あふれる楽しい建物だった。
この前の三連休の一日に播磨科学公園都市へ両親、子どもたちと一緒に訪れた。
播磨科学公園都市は建築家の磯崎新氏、安藤忠雄氏、渡辺真理氏、そしてランドスケープアーキテクトのピーター・ウォーカー氏により
都市全体が自然環境を守りつつデザインされているとのこと。
一度泊まってみたいと思っていた先端科学技術支援センターが
宿泊しなくても予約すれば見学できると知り、まずはこちらへやってきた。
建物は磯崎新設計、ピーターウォーカーによる庭園もある。
こちらの研究棟は関係者以外は立ち入り禁止・・会議集会棟、宿泊棟へ。
会議集会棟の入り口。
向かい合わせで同じデザインのエントランスがあり、反対側は宿泊棟の受付になっている。
エントランス前にはピーター・ウォーカーデザインの火山をイメージした植栽が。
エントランスは中央に柱があり、開口部もそれほど大きくないので目立たず、入り口を探す人が結構いるとか・・
まずはロビーから案内していただいた。
ここのロビーはとっても面白い・・
ドーム型の天井の中央に音が集まって、音が大きく響くようになっている。
声を出したり、床を足で踏み鳴らすとすごい反響が返ってきた。
日光東照宮の鳴龍を模しているのだとか。
建物は全て「和」をコンセプトにデザインされているとのこと、
ロビーの一面はこの朱色の壁になっている。
朱色は西方浄土を表わす色とのこと。
グラデーションがついたような色合いだったので壁に何かで塗り付けたもの?と思いきや
Pタイルというプラスチック製のタイルを貼ったものだそう。
そして廊下に敷き詰められているのは和を意識し、せん瓦の特注品だそう。
ロビーから続く大ホールの入り口への通路の上を見上げると、天窓から光が差し込む吹き抜けになっていた。
大ホールは円形になっていて巨大なアーチが天井を支えている。
国際会議ができる同時通訳ブースなどもある。
大ホールの壁面はこんな分厚い煉瓦風のタイルが貼られていて、重厚感を醸すと共に吸音の役割もあるという。
こちらは交流サロン。
先ほどの大ホールでの会議の様をこのマルチビジョンに映し出すこともできる。
ハイセンスなテーブルや皮製の椅子など家具は全て西ドイツ製とのこと。
こちらの壁面はコンクリートと木のコラボになっていた。
このコンクリートの打ち放しに四角い枠がくり抜かれたデザインは建物のあちこちに繰り返し使われているモチーフで、
廊下ではこの四角の枠の中にはアルミが入っていたり、部屋の中ではガラスが入っていたりと
場所によってそれぞれ変化が付けられていた。
せん瓦が敷かれた廊下からはガラス越しに緑の庭園が見える。
こちらも一工夫されていてガラスの上部がすりガラスになっていて、雪見障子の役割を果たしている。
椅子に座った目線から透明なガラス越しに庭園を眺めることができる。
この後は宿泊棟の特別室へ案内していただけた。
意外と部屋は狭目?!
何が特別室なのかといえば、寝室の他にこんな別室が設けられている。
会議や簡単なパーティなどに使えるそう。
こちらの家具も全て西ドイツ製。
宿泊は二人の場合この部屋でも平日一人4400円と格安。
この皮製の椅子、座り心地よかった・・
優雅に弧を描くガラスブロックの内側はトイレになっている。
この曲線はマリリンモンローのヒップをイメージしたものなのだとか。
多目的室からは中庭の日本庭園を眺めることができる。
中庭は銀閣寺をイメージしたものだそうで、芝生と石に覆われた6mの巨大な二つの築山がそびえ立っている。
それぞれ夏の山、冬の山を表わしているそう。
そして、庭園内へも入れて頂けた。
飛び石が館内にまで入り込んでいるのがおもしろい・・
きれいに組み込まれた石。
庭園の片隅には竹林もあって、黒御影石がストライプ状に並べられ、その石の先は建物の中にめり込んでいるという
面白いデザインに。
建物内を一通り案内していただき、先端科学技術支援センターの宿泊棟、会議集会棟の見学を満喫することができた。
この前の三連休に播磨科学公園都市へ行った時、最後に立ち寄った兵庫環境体験館にて
新聞エコバッグの作り方と英字新聞をもらったので帰ってから作ってみた。
新聞紙2枚とのりとはさみで簡単にできるというこのバッグ、
作ってみるとほんとに簡単で、新聞紙のわりに意外と強度もある。
英字新聞で作るとたしかにちょっとおしゃれな感じも・・
もらった作り方はこちらこれ↑
分かりにくいようならこんなサイトも見つけた。
図書館でも新聞紙エコバッグの本を発見。
新聞エコバッグはこの本の著者である服飾デザイナーの坂本政子さんが元祖のようで、
最先端のエコ活動として取り上げられたりと話題となっていたようだ。
折り目の幅を変えてちょっと縦長に作ってみたり、
英字新聞でなくてもカラフルなページを探せばおもしろいデザインのバッグにもなる。
株式欄のページも字が詰まっていて意外とすてき!という声も。
家にあまってた包装紙を使って・・
こちらは以前韓国で買ったハングルが描かれた韓紙を使って。
作り出すとついついはまってしまう新聞紙バッグ作り・・
いいデザインのページがないか?今までとは違った目線でついつい毎日新聞をチェックしてしまう~
倉吉ではお昼御飯に町屋清水(せいすい)庵へ訪れた。
こちらは大正初期に建築された町屋を利用した食事処。
中の間のお座敷には・・
上を見上げると吹き抜けがある。
自然光を取り込む天窓も。
階段を上がると・・
二階にはこんな風に吹き抜けを囲む渡り廊下が設けられていた。
創業100年余りの餅屋を営むこのお店の名物は「餅しゃぶ膳」
餅好きの私は迷わずこれにした。
栃、よもぎ、柚子、ごま、エビと5種類の餅が入っていて、それぞれに風味があって楽しい。
更には茶碗蒸しと栃餅のあんかけまでついていて、1050円のセットで満腹になった。
倉吉の町並みを歩いている途中出会った豊田家住宅。
江戸中期から呉服屋を営んでいた家で、
二階建ての母家、中庭、二階建て離れ、坪庭、土蔵を持つ倉吉の伝統的な町屋形式の建物。
登録有形文化財となっている。
休憩がてら入った建物だったが、ボランティアガイドさんが建物の内部を案内してくださるというので見せていただいた。
特に昭和5年に建てられたという「離れ」の造りが細かいところまで手が込んでいて、すばらしい住宅だった。
母家と離れの間には中庭が設けられている。
中庭に架けられた太鼓橋がなんとも風流。
太鼓橋を渡って離れへ。
この太鼓橋の下は元は池が作られていて、その池はかつては家の中まで入り込んでいたのだそう。
家の中から見たところ、池の名残の石ぐみが見られた。
離れの一階座敷の床の間の横にはかなり大きな明かりとりの丸窓がとりつけられている。
この座敷には小さな坪庭がある。
ちらりと目に入ったマジョリカタイル。
昔の洗面所だった所だそうで、洗面の方は改装されていた。
離れ二階はこれまた凝った造りが随所にみられた。
家が一軒建つほどの価値があるという黒檀を使用した床柱。
自然のうねりが美しい。
めちゃめちゃ繊細な欄間にも職人の技を見た。
天井は杉を使用し、「烏造り」(うづくり)といってわざと木目を浮き上がらせる仕上げを施したもの。
更にこちらの欄間は桐板を両面に「菊」を浮き彫りしたもの。
障子の桟には面取りが施してあって、これは作るには5倍の手間暇はかかるそうでかなり珍しいものなのだとか。
離れの方にまでこれだけ贅を尽くしてあるなんて~
優雅で余裕のある暮らしぶりが伺えた豊田家住宅だった。
島根&鳥取の旅、二日目の朝、米子からは三徳山へ向かう前に倉吉に訪れた。
白壁土蔵が立ち並ぶ町並みや中心部から少し離れたところへも足をのばして散策を楽しんだ。
漆喰壁に黒い焼杉、赤い石州瓦をもつ古い蔵を改装して作られた施設「赤瓦」は
お土産屋さんや喫茶など12の蔵からなる。
一枚石の石橋を渡るとお店の入り口が。
昭和6年に日本産業貯蓄銀行倉吉支店として建てられたこんな洋館も。
現在は「ぎゃらりい和」というお店に。
三階菱という家紋が入った矢吹本店。
森永キャラメルと明治チョコレートの看板はいい感じにさびれてた・・
タイル貼りの河本薬局。
赤い灯籠が並ぶ小路を歩いて行くと、
インド風の外観が目を惹く大蓮寺が現れた。
昭和30年に再建されたものだそう。
鯉が泳ぐ鉢屋川の流れ。
趣のある小川酒造の路地裏。
昭和7年から平成2年まで現役で働いていたという倉吉で最初の上水道施設、旧倉吉町水源地・ポンプ室・量水室
ミントグリーンのタイルがきれいだった建物。
整然と並ぶ格子が美しい~江戸時代末期の商家。
ヨーロッパの家具、インテリアが並ぶアンティークショップになっていた。
こちらの蔵造りの建物は明治41年に建てられた旧国立第三銀行倉吉支店で、
山陰地方に現存する蔵造りの銀行建築の中でも最も優れたものだそう。
現在はレストランになっていて登録有形文化財。
他にも登録有形文化財の豊田家住宅やお昼には餅しゃぶ膳を食べに町屋清水庵へも訪れて倉吉を満喫。
そちらは又別記事にて・・
最近、娘が友達に影響されて始めたフェルトのマスコット作りにはまってる。
先日パパに「何か作って欲しいものある?」と尋ねた娘。
パパは「バイクのキーにつける渋いどくろマークのストラップを作ってくれ」と依頼。
今日、台風で学校が休校になったので娘は張り切って製作に取りかかっていた。
リクエストがどくろというので、ちょうど夏の夜店の当てもので息子が当ててきたどくろの光るおもちゃをお手本にしようと決めた娘。
結構きっちりしてる娘は、手本のどくろを見て最初下絵を描いた。
この時点ですでに、なんか、違うような・・?!
それにそってフエルトを切り製作開始。
そして出来上がったどくろのストラップ?!
渋いどくろのはずが・・なんだか情けな顔に見えるのは気のせい??
島根&鳥取の旅、三徳山三仏寺投入堂への登頂を断念した私たちが最後にやってきたのは
「山陰旅行 クラフト+食めぐり」という本で目をつけてた山根和紙資料館と山根窯。
岩井窯へも訪れたかったのだけど、定休日の月曜日と重なり断念;
田んぼの中の小道を分け入った先にあった山根窯。
庭先には大きな登り窯が。
こちらは年に二回火が入れられるのだそう。
自宅の一部であるギャラリーへ招き入れていただいた。
ギャラリーはとても素敵な空間で、作品と一緒に世界各国の民芸品などがディスプレイされていて、
想像した通り自分好みの空間だった。
作品はどれも素朴でどっしりとしていて、でもどの器もフォルムが素敵、使い勝手もよさそう。
素敵なカップにお茶を入れて頂けた。
これらのカップもこちらのギャラリーで購入可能。
子どもたちがお茶を飲んでおまんじゅうを頂いてる間じっくり見せていただいた。
テーブル周りの椅子も各国の民芸品だそうで面白い・・
皮と細い木々を組み合わせてできたメキシコの椅子なども。
濃いい民芸品たちに負けず、しっくり調和していた器の数々・・
その中で目を惹いた器。
取っ手の形が異様?ともいえる・・
イメージはプリミティブなアフリカン?!
思わずこの器を衝動買い?することに。
たっぷりと深目の器なのでサラダボールに最適、テーブルのアクセントにどうぞ、とのことだった。
民芸品とすてきな器に囲まれた空間、自分にとってはほんとに飽きない場所でゆっくりしていたかったが・・
子どもたちもそろそろ飽きてきたのでおいとますることに。
米子で泊まった朝、いつものごとく一人早朝散歩へ繰り出した。この日も6時前起きでたっぷり2時間ほど歩き廻った。
しばらく歩くと見えてきた米子専門大店ビル
大正13年建築の米子で最初の貸しビルだそう。
雰囲気のある散髪屋さん
昭和5年建築の旧米子市庁舎、現在は山陰歴史館となっていて常設は入館無料で入ることができるようだけど
朝早かったため開いておらず外観だけ。
蔵が立ち並ぶ旧加茂川のほとり。
早朝の川のほとりの散策は気持ちいい!
朝の水面はまるで鏡のように静か。
川べりにあった立派な民家は江戸時代に海運業を営んでいた回船問屋の後藤家住宅で重要文化財。
駄菓子屋、岡本一銭屋。
立派な看板は昭和25年に米子市で博覧会が開催された時に作られたものだそう。
昭和6年建築、坂口合名ビル
400mの間に9つもお寺が並ぶ寺町通りという珍しい町並みもあった。
こちらは昭和10年建築の元郵便局の本屋さん、角盤文庫。
朝早くから開店の準備をされていたので、中の様子もちらりとのぞかせて頂いた。
昭和33年、村野藤吾設計の米子市公会堂。
グランドピアノとブラジルの教会をイメージしたものだそう。
大正7年建築、旧山陰電気米子変電所
現在は民家として使われてるそうで、米子に現存する最古の煉瓦建築だそう。
温泉津温泉を後にし、宿泊地米子へ向かう途中、出雲に立ち寄った。
出雲大社へ参る前にJR旧大社駅へ。
大正13年に建てられた駅舎で平成2年廃駅となってから保存、公開されている重要文化財の駅舎。
格調高い宮殿風造りの駅舎は存在感たっぷり!
西日を受けて輝く駅舎はとても美しかった~
5時までだったら中へも入れたようだけど、残念ながら時間が過ぎてしまってたので外から覗きこんでみた。
純和風の外観とは変わって内部は洋風。
これまた西日が差し込んでいて駅舎内はすばらしい~雰囲気に包まれていた。
天井は格天井に中央には装飾豊かなシャンデリアが。
こちらは待ち合い室内部。
団体客用の改札口。
ここから駅構内へ入ってみた。
精算所
そしてもう一つ、一畑電車出雲大社前駅舎へも立ち寄った。
こちらも昭和5年に建てられたもので有形文化財となっている駅舎。
アーチ状の天井にはステンドグラスやアールデコ調の照明や装飾が美しい。
西日に照らされたステンドグラスが駅舎内に写り込んでいてとてもきれい。
アールデコ調のデザインが素敵な旧窓口。
そしてやってきた出雲大社。
十数年前に、城崎で1泊旅行した友人たちと分かれて、青春18きっぷを使って一人旅でやってきたことがあった・・
その時は早朝にこの松並木の参道を歩いてとても神聖な気持ちになったことを思い出した。
そして本殿を見た時にはその迫力に圧倒され、鳥肌の立つ感動を味わったのだった。
この日も又その感動が味わえるかなあ・・と楽しみにやってきたのだが・・
なんと本殿はちょうど今60年に一度の屋根の葺き替え作業「平成の大遷宮」のためすっぽり覆われていて、見れない状態に~~(泣)
こちらは大遷宮の間に神様の住居となる御仮殿。
この後は宿泊地の米子へ向かったのだった。