m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【カジンチ通りシナゴーグ他】

2023-06-30 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

ブダペストではよく歩いたが、少し離れた場所へは地下鉄の他にトラムとバスを使用。googlemapが最適なバスやトラムの番号を教えてくれるので、停留所さえ分かれば、乗りこなすことができた。
いちいち切符を買う手間が省ける72時間の共通チケットも重宝した。




ゲッレールト温泉の後は、リスト音楽院へやってきた。
館内には、ジョルナイ製のタイルがあるようなので見学ツアーに参加しようと思ってた。が、しかし、ツアーは、この日はないと!
ええっ、そんな~~!
これはコンサートを聴いて内部を見るしかない。
チケットを購入しようとしたら、なんと、この日は無料コンサートが開催されてるという。
音楽院の学生によるものなのか?
それは、ラッキー!
無料の上、建物と音楽も楽しめるなんて。
19時からだったので、後ほど出直してくることに。


そして、街歩きの続きを。
ステンドグラスとタイルがチラ見えした建物。ちょうど、荷物を運び入れていた方がおられたので、エントランス周辺部分を見せて頂けた。


階段踊り場には、素敵なステンドグラスが。


三枚のステンドグラスの真ん中には、大草原の小さな家的なデザインのステンドグラスが入っていて、周囲の控え目なデザインもいい。





階段のアイアンワークも凝っていてすばらしい。


そして床のタイルも。
アール・ヌーヴォーのセメントタイル。


モザイクタイルでデザインされたこんなコーナーもあった。


真鍮の扉が存在感を放っていたお店。


扉の両脇には、こんな可愛いお花のステンドグラスか入っていた。
オレンジ色なのもいいなあ。


ドアノブ部分。

こちらのアパートは、上部の装飾とバルコニーのフェンスのデザインが
アール・ヌーヴォーの美しい曲線を描いていて素敵だ。









落書きが痛々しいが、アイアンワークが良いな〜と思って近寄ったら、


門の内側には、鮮やかなセメントタイルが敷かれてた。


花が整列するアール・ヌーヴォーデザインが素敵な緑の扉。


扉上の植物と人の顔とが一体となったグロテスク装飾。
グリーンマンというらしいが、、
このおじさんは、口からブドウを出してた〜



こちらの扉も、重厚な彫刻が入れられてる。



近寄って見ると、このモールディング装飾、何重?!
っていうくらい念入り。


魅力的なアパートも次々に現れる。


このバルコニーのフェンスの凝りよう、、


一見、大人し目のアパートだが、


中央のバルコニー、よく見ると、装飾に使われてる顔が
キュビズムっぽい。
周りの文様もちょっと独特。



両脇の窓と窓の間の装飾にもキュビズム風顔面が。



門の装飾もどちらかといえばアール・デコっぽい。
様々な時代の建物、装飾が見られる街歩きが本当に楽しい。


そして、カジンチ通りのシナゴーグにやってきた。
この辺りは、かつてユダヤ人が多く住んでいた地区で、現在もシナゴーグがいくつか集中して残されている。


1913年に建てられたアール・ヌーヴォー様式のシナゴーグ。
煉瓦造りの外観、ステンドグラスの入った半円アーチのある正面扉、
窓を縁取る装飾や文字らしきものも入ったパラペットの装飾が興味深い。




ベランダのつく縦長の窓。
ハートが連なるような可愛いデザインの窓周りのモールディングは三重に。



入場料を支払って中へ。
エントランスホールの床にはテラゾーで描かれた植物をモチーフにした装飾。
トランシルヴァニア風味の模様がほのぼの可愛い。




入口上部のステンドグラスは、ユダヤ教のダビデの星を中心に、幾何学模様でデザインされている。


内部も明るく、様々な装飾で彩られている。


祭壇周りは色大理石がふんだんに使用され、



黄土色の大理石にグリーンの柱が映える。


天井を見上げると、シャンデリアと大小様々なステンドグラスが散りばめられ、


花のようなデザインのステンドグラスの花びら一枚一枚にも細かく幾何学文様が描かれている。
なんと美しいのか~


二重の折り上げ天井というのか?とても豪華。



シャンデリアの傘の装飾の細やかさにも注目。


そして壁面や柱のそこかしこに描かれているトランシルヴァニアモチーフ
の装飾がとても興味深い。


やはり植物をデザインしたものが多そう。


こちらのステンドグラスのデザインも面白いなあ。


洋風でもイスラム風でもない、これまであまり見なかった様式がとても新鮮。。


丸みを帯びたベンチに、


鋳物のフェンスは、燭台を模したものかな?


床のタイルは、四角形と三角形を組み合わせ、滑り止めも兼ねたようなデザイン。
カジンチ通りのシナゴーグ、とても良かった。
他のシナゴーグも見てみたいなと。


シナゴーグを出た後、街角で見つけたモザイクタイルアート。


カラフルなモザイク。
それぞれ地模様が入ったタイルが使われていた。



この日の昼ご飯は、タイ料理店でエビのパッタイ。
えびもたっぷりで、味付けもとても美味!
アジアの料理がやっぱりしっくりくるな~





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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【ブダペストの地下鉄その三・3号線Deak Ferenc ter駅他】

2023-06-28 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

地下鉄巡りは、目的地から目的地への途中や、早朝、日が沈んでからと、
巡った。
ブダペストの地下鉄は1号線から4号線まであり、Deak Ferenc ter駅は、
1,2,3号線と唯一三つの線が交わる駅。


ホームにタイルアート発見。
フリーハンドで描かれたアルファベットの文字。
意味のある言葉なのかは不明だが、、カラフルな色のまとまりがあって、


周囲を濃紺のタイルで囲っている。



立体感を持たせるように描かれてるようにも見える。
同じ文字でも、ややラインが違ってるようなので、手描きみたい。


タイルアートのある壁面以外は、真っ白なモザイク柱が立つ。


壁面のカラフルさとは対照的な柱。


ホームの向こう側の壁面は、駅の装飾で度々見かける金属板を
パンチしたもの。
さわやかなブルー


パンチされた金属板。


エレベーターへのアプローチは、トンネルのような弧を描いている。


同じく3号線のArany Janos utca駅。
こちらの駅は水色の柱が印象的。








壁面にすっきり収まるダストボックスや消火栓など。



Covin-negyed駅は、マーブリング風にプリントされたベンチに、


天井は、様々な小口の四角形、長短いろいろの角材っぽいもので装飾されている。


配線などがむき出しになってるようなところを、直接角材で所々覆っている感じで、とても個性的な天井装飾・・



こんなタイルの壁面も見つけた。



三角形とひし形がモチーフのレリーフタイルに、ワッフル状の格子のタイル。


改札を出て、階段にも広範囲に使われていた。


もう一種類、クリーム色のタイルが一面に貼られてるなと近寄ったら、


表面はブツブツのヒキガエル風。


同じく3号線のNagyvarad ter駅は、パンチングメタルを使ったアートに、
モノトーンのモザイクタイル円柱、



メタルパンチングは、手をモチーフにしたデザイン。


真っ白なベンチがあったり、


壁面にもモザイクタイルが貼られていて、
遠くから見ると、流れる滝のよう。
モザイクタイルをこんな風に使うのか~


近寄ってみる。
流れの最後がちょっと左右に振れているのがいい。
斬新な表現だなあ。


モザイクタイル滝は、白から黒の濃淡で表されている。


もう一つあったモザイクタイル壁は、
またまた違った感じで、少々荒れた海面?みたいな雰囲気。



近寄ってみると、モザイクタイルをランダムに並べただけのように思うが、
少し離れて見ると、全体像が浮かび上がる。
面白いなあ。


そして、この照明。
蛍光灯を放射状に繋げ、銅板らしき素材を使って傘が作られている。


何本もの細いねじれた素材を並べた傘に16本もの蛍光灯がつく照明は、
モダンなシャンデリア。


これが何個も連なるホームは、迫力いっぱい。


決して高価な素材ばかりが使われているわけではないと思うけど、
どの駅もデザインセンスがよく、まとまりがある。
タイルの使い方も日本とはまた違った感覚で用いられているような・・
本当に興味深い。
地下鉄駅巡りは更に続く・・



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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【レヒネル・エデンの地理学研究所】

2023-06-26 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

レヒネル・エデンの地理学研究所へ。
27年前に訪れた時にはいつでも入れた感じだったのが、現在は毎週水曜日に事前予約が必要ということになっているよう。
今回いろいろとやり取りの末、キャンセルが出たのか、ハンガリー語のガイドのみだけど、、ということで了承し、直前に見学させてもらえることになって、急遽駆け付けた。



外観写真は、前日に撮ったもの。
地理学研究所は、レヒネル・エデン設計により1899年に建てられた。
窓周りやパラペットが独特の曲線を描き、煉瓦で縁取られている。
青いセラミックの屋根瓦、壁面には地質学に関するモチーフがデザインされた装飾が施されている。


離れて見ると、青い陶製の屋根やパラペットの複雑なラインがよくわかる。


屋根の稜線にも細かな陶製装飾、アンモナイトをモチーフにした飾りも見える。



入口近くの煉瓦塀には、建物全体像の陶板が入れられていた。
「ハンガリー地質研究所」との看板、その下には点字でも何か説明書きが書かれている。
セラミック部分、煉瓦部分、漆喰部分と色分けされ、手で触るとわかるようになっているのかな?!


入口上部にはブリックラインに囲まれた中に陶製で文字が描かれ、
中央には地質研究所なだけに、ノミと金づちのマーク、
壁面には陶製のオーナメントがぽつぽつ貼り付く。
扉は鉄製のもので、上部にはガラスが入り、花をモチーフにしたアイアンのグリルも曲線を描いてる。


ドアを押して入ると、すでにツアーは始まっていて、警備の方々がおられたが、メールでやり取りしていた方に招き入れて頂けた。



内扉はハンガリーフォークロアの植物文様のガラスのエッチングが美しい。


ヒダヒダのアーチに囲まれた中央ホール。


ヒダヒダ部分にはぶつぶつと突起のある球や花モチーフの漆喰装飾が張り付く。階段部分にもヒダヒダアーチが連なる。


花や貝状にかたどられた天井には、繊細な絵付け装飾も見られ、


アーチの根本の装飾も念入り。


大理石の階段を上がると、



階段の踊り場には、窓が三つ。


中央の窓には、展示ケース付きテーブルも設置されていて、



形がユニーク。
床のテラゾーもテーブルと呼応するような曲線を描いていた。


階段の真鍮手摺は、柱に合わせてクワトロフォイル型に。


大理石の階段壁も、すごい波打ちっぷりで、石とは思えないようなやわらかな雰囲気。




地質学に関する展示があちこちにあるが、この建物の雰囲気とは
なんとなくミスマッチ感が・・





廊下も扉にアーチが重なっていて美しい。


2階も3階も同様に装飾されている。



廊下の照明は、天井からぶら下がるものと、壁付けのものが、同じデザインで
意外にシンプル。何がモチーフなんだろう?種子?!


扉の枠内のラインもかわいいな。



ドアノブの形も。






周囲がレースで囲まれたような窓のエッチング装飾。


ハンガリー刺繍のような可愛い花々。





ツアー中に中庭に面する窓から屋根がよく見えるスポットを教えてもらって、
激写。
屋根の天辺には、四人の人が地球を担いでいるセラミック装飾。
屋根の稜線に沿っても、細かな飾りがつく。



屋根瓦は六角形のセラミックで、ブルーの釉薬の濃淡で、模様が作られている。
上部が開いた陶製の煙突飾りも。


ツアー案内の方が見せてくださった設計図。
レヒネルがコンペで最初に提出した設計案。


コンペで一等を取り、仕事を得てから、実際に実行された修正案。
最初の案より個性的になっている。

ツアーは、建物見学というよりは、地質学研究所の見学といった感じで、じっくりと解説されていた。ハンガリー語でもあったし、
時間に追われていた私は、失礼して途中抜け。
でもじっくりと建物も見させて頂くことができてよかった。



煉瓦造りの柱の上にセラミックの壺が乗っている建物を囲む外壁。

この後は、朝一、閉まっていて撃沈した、ゲッレールト温泉へリベンジへ向かったのだった。



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勝尾寺〜妙見山〜プルーンの木〜にこにこ餅ライド

2023-06-25 | ロードバイク

先週に引き続き、今週も旦那所属の毎週妙見山まで行くグループライドに参加。
先週は、怪我後3ヶ月ぶりの妙見山だったので、上がるだけでいっぱいいっぱいだったが、今日は、更に足を延ばして、野間を下って「プルーンの木」まで行くというので、ついて行くことに。
野間峠、こんなに長かったっけ?!
というくらい長過ぎる下りに恐怖を覚えつつ下りきり、更に目的地目指して漕いで漕いで漕ぎ続けて、ようやく到着。

ここは、ずいぶん前に、車で犬連れで来たことがあった。
緑がいっぱいの気持ちのいいカフェ。

テラス席が豊富にあるので、日陰は涼しい汗ばむ季節はうれしい。




もちろん室内もあるが、暖炉もあり、ウッディな内装で落ち着く感じ。


ランチ前の時間に到着したので、ゆっくり休憩。

猫たちもすぐそばで、のんびり昼寝してる。


この無防備な寝姿。

敷地内をちょっと散策。
物置小屋みたいなのがおしゃれだなあ。


ついつい撮ってしまうドアノブも可愛い。

鹿


庭の紫陽花もきれいに咲いてた。



気まぐれランチを。
ハンバーグと焼き野菜など。
ドリンクとデザートのゼリー付き。

グループライドは、ランチ後解散で、
この後、野間峠を上りたくなかったのと、にこにこ餅のくず餅を食べたかったのとで、旦那と大回りして、高槻のにこにこ餅経由で帰ることに。
それほど坂はないというものの、体力低下してる上にそこそこの距離あるし、到着まで結構な地獄だった。
餅も喉を通らんくらいには疲れてたけど、
白桃のくず餅、冷たくぷるんとしてて、美味しかった〜

今日の移動距離79.97km、
 獲得標高1413m

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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【アール・ヌーヴォー建築&タイル巡りその三】

2023-06-24 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

※なぜかエラーが出るので、二つに分けて続き・・
 フォントもいつもと違う設定にすぐ戻ってしまっておかしい 

小休止の後、散策を再開。
玄関ポーチに敷かれてた可愛いタイル。


リベット鋲の柱がかっこいい建物。
細部はアール・ヌーヴォーの意匠が興味深い。


この門も見事なアイアンワーク。
下の図柄は太陽がモチーフかなあ。



2階に渡されたバルコニーのバーにもアール・ヌーヴォーぽい細かい装飾があった。


ちらりと除いた床面にもセメントタイルが貼られてた。



建物の扉上には、こんな顔が張り付いているものもよく見かけたので、
気になる顔は、コレクション。


モザイクタイル柱のある扉。




こちらは、建築家ビダー・エイミル設計のアパート。


中央部分の窓周りは、タイルで装飾されていて、とても美しい。


バルコニーのフェンスは、ひまわりと赤い実のついた草が一体となり曲線美を描いてる。 


中央部の窓下には、木に果実が実ってるようなデザインのタイルが貼られ、
その下は花瓶?から花。
建物に陶製の装飾がつくと一気に華やかになる。


1階には、アール・ヌーヴォーの意匠が美しい窓周り。



修復中の建物に出くわす。


こんなに高い建物だが、、人海戦術で、上から部材を下ろしてた。


出窓の側面にも文様が入り、半円に張り出したバルコニーの格子もいいなあ。





窓と窓の間にも異様な文様のレリーフが。
窓周りのラインにも繊細な装飾が施されている。


この文様が、おじさんの顔に見えて仕方ないけど、何を表したものなんだろう?!


建物の間から見える聖イシュトヴァーン大聖堂。

レヒネル・エデン設計のトーネットビル。
一見、レヒネルっぽくないクラシックな雰囲気だけど。

ファサードはタイル貼り。


アラベスク模様のある水色のタイルがエレガント。


エントランスにも複雑で繊細な装飾が施されていた




シンプルだけど、各階と窓周りにグリーンのタイルが貼られた建物。


深いグリーンと大理石の取り合わせがマッチしてる。



モダンな照明。

この時、レヒネル・エデンの地理学研究所の見学のことでやり取りしていた方から、
10時からの見学、来てもらってもよい、とメッセージが入り、慌てて向かったのだった。
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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【アール・ヌーヴォー建築&タイル巡りその二】

2023-06-24 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023
レヒネル・エデンの応用美術館の後やってきたのは、こちら、
リクシルの「ハンガリー建築タイル紀行」を見て、ぜひ生で見たいと思っていたスポット、旧ジョナス・ハッチ&サン商会の建物。


建物の1階部分のファサードがタイルと銅板使いで、美しく装飾されている。
1907年、レヒネル・エデンの弟子、ライタ・ベーラ設計によるもの。


柱を覆う薄緑色のタイルも美しく、中央にはエオシン釉が美しいタイル、
上部には帯状にレリーフが入り、その上には銅板のレリーフが貼られている。



草花モチーフにした幾何学文様のデザインが素敵で、要所要所に入れられた
エオシン釉が控えめに光沢を放っていてとてもきれいだ。


帯部分のデザイン、緑青が吹いたような色合いもいいな~
銅板部分にも草花文や鳥などが様々な文様がデザインされてて、興味が尽きない。


ベースのタイルは大理石を模したものだろうか?!よい風合い。


軒を見上げると、持ち送りには、二匹の魚と渦巻の水紋らしきレリーフが入り、
建築年の陶板も見られ、



軒裏に丁寧に貼られた銅板にも、レリーフ文様が浮かびあがっていた。


もう一方の入口の持ち送りには、魚を真正面から捉えた顔。
細かいところまでデザインされていて、本当に興味の尽きないタイルファサードだった。


近くには、ブダペスト随一の大聖堂、聖イシュトヴァーン大聖堂がそびえたつ。


大聖堂の前の広場は、大理石の象嵌モザイクが広がっていた。


そこからレヒネル・エデンの旧郵便貯金局を目指して歩く。
歩く度に出会う建物は、日本でいえば登録有形文化財級以上であろうものばかりで、
何を写真に撮ろうか迷ってしまうくらい・・
こちらの建物もよく見ると、丁寧な彫刻が施されている。


鉱山で採掘でもしているかのような人々のレリーフ。
壁面の何気ない凹凸も見逃せない・・
どれだけ手間暇をかけて装飾されてるんだろう。



天辺あたりには、口を開けた人の顔が、等間隔で並んでた。


こちらの三叉路に建つ建物



1階にはちょっとデフォルメされたような大きな渦巻が付くイオニア式付け柱が並び、2階にはコリント式、


最上階には人面柱がコーナーを彩っていた。


こちらはシンプルなフォルムの建物だけど、
バルコニーの格子はかなり複雑なデザインで、


建物の屋上には、こんな人が寝そべっている。
誰?!


そうこうしてるうちに旧郵便貯金局に到着。
27年前にもこの郵便貯金局へやって来たのだが、その当時はレヒネル・エデンに関する本や資料がほぼなく、駅から○○分という情報のみで、もちろんスマホもないので
駅から、道行く人に、建物の写真を見てもらって聞き込み調査しながら
なんとか見つけた建物だった。
それを思うと、今の時代、
googleマップさえあれば、地下鉄もバスもトラムも自由自在に乗って目的地へ行ける。
なんて便利な時代がやってきたのだろうと思う。


旧郵便貯金局は1901年に建てられたレヒネル・エデンの最高傑作とされる建物。
やさしい色合いのブリックラインが窓回りや装飾を取り囲む。


複雑にうねる屋根の稜線には黄色い陶製の飾りが縁取る。
付け柱には点々と、貯蓄の象徴である蜂が、天辺の巣に向かう様子が見られる。


陶製の巣と蜂。


窓枠の周りにはモザイクタイルが縁取る。







門のアイアンワークは流れるような植物文様。


内の扉には、ガラスにフォークロアモチーフのエッチングが施されている。
現在国立銀行の施設として使用されていて、これより中は撮影禁止。


入口扉脇につく外灯のアイアンワークも複雑な曲線を描いてる。


1階部分に付く窓にはハートのついた面格子が可愛い。


外観は十分堪能できたが、この立地条件だと、引きで建物が見れず、せっかくの陶製の屋根が見れないのが残念。
裏技として、先ほど見た聖イシュトヴァーン大聖堂のテラスから全体像を見れるというのを伺っていたが、大聖堂の内部へ入ると更に時間がかかり過ぎてしまいそうなので、断念。


朝に市場でいちごとチェリーしか食べてなかったので、お腹が空いてきた。
ちょうど郵便貯金局の前にあったパン屋さんが、お客の出入りが激しかったので、美味しいのかなあと、ショーウィンドウを覗くと、
ガラスに、数々のコンテストで1位を受賞・・の文字。



ショーウィンドウの中には、美味しそうなパンがいっぱいで、迷った。


クロワッサン生地のカスタードの乗ったパン、生地がサクサクで美味しかった~

※続きがあるのだけど、なぜか文字数制限にひっかかり、二つに分けることに・・


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みやけ旧鴻池邸表屋他

2023-06-22 | 純喫茶&リノベカフェなど

旧佐伯邸見学会で偶然お会いしたTwitterのフォロワーさんに、帰りに
和菓子屋&カフェ「みやけ旧鴻池邸表屋」へご案内頂いた。


近鉄奈良線富雄駅下車、住宅街の中を歩くこと約10分。
こんな住宅街の中にカフェがあるの?というようなところに
突然立派な建物が出現。


建物は、江戸時代の豪商鴻池邸表屋を大阪市今橋から移築復元したもの。
戦後は大阪美術倶楽部の会館としても使用されていたという。
1979年に大阪美術倶楽部の改装で、建物が撤去されることになり、
「なんとか船場のシンボルを残したい」という三宅製餡株式会社二代目社長が引き取り
この地へ。
移築当初は資料館として使用されていたが、より多くの人に建物に触れてもらいたいと、和菓子屋&カフェに生まれ変わったそう。
すばらしい・・よくぞ残してくださったことだなあ。


建物を入ると、右手には和菓子屋さんの店舗がある。


和菓子屋さんの方にも葛バーなど美味しそうな和菓子が販売されてた。


そして喫茶室へ。
平日の夕方近くにもかかわらず、お客さんで超にぎわってて、
ぎりぎり空いてた一席に滑り込み。
(写真は窓際が開いた隙に撮ったもの)


窓の外は竹林で、緑が目に入って清々しい。




かき氷がちょうど6月中旬から始まったばかりのようで、
どれもめちゃ美味しそう・・
いちごと迷って、マンゴーミルクかき氷にした。
出てきたかき氷は、巨大で、マンゴーの果実感も半端なく、
まるで台湾の雪花マンゴー氷を思い起こさせるような味わい。
しかも価格が1000円くらいとリーズナブル。
建物も良くて、コスパのよいすばらしいお店だった。




こちらの庭にも鶴がいた。





富雄駅前の煉瓦造りの近代建築。
以前はレストランが入っていたそうだけど、現在は空き家のよう。
駅前だし、カフェやレストランに再び生まれ変わってほしいなあ。


そして、ここへ来る前に間違って乗った列車が、鹿尽くしのラッピング列車だった。


鹿の絵も可愛くて、


床も、全面、若草山?!って感じの緑。


車内広告も一切なくて、全て鹿。


つり革にも全て鹿がぶら下がってる。



シートも鹿柄という徹底っぷり。

めったに近鉄に乗ることがないので、鹿列車満喫できてよかった。

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旧佐伯邸見学会

2023-06-21 | 建築巡り・街歩き【その他】
昨日は、ワールド航空サービスさんの
「おおさか旅さんぽ」というツアーで、旧佐伯邸&松柏美術館見学会へ訪れてきた。
旧佐伯邸は昭和40年村野藤吾設計により建てられた、元近鉄社長、佐伯勇氏の自邸だった建物。


奈良の近鉄学園前駅から2kmほどの住宅地、松柏美術館と同じ敷地内に建つ。見学者の皆さんで、手配して頂いたタクシーに分乗しやってきた。
建物は三千坪の敷地内にあり、現在は茶室の貸出時や茶会などの催しの際、お庭のみ公開されていているそう。
塀の外から見ると、屋根の高さが低く、ゆったりとした平屋建てに見えるが、
一部二階建てになっている。

門から中へ。
庭を囲む回廊がとても雰囲気がいい。





庭側から入口に向かう回廊と建物を。


茅葺屋根の建物は裏千家の茶室、伯泉亭。庭には丹頂鶴のオブジェ。







邸宅は、大淵池に面していて、どの部屋からも池が眺められ、周囲の景観を取り込めるように、雁行して建てられている。


池の手前に造成された松林。


こちらは表千家の茶室。


手前畳と客畳の間の中板に炉が切られている。


炉の蓋は指一本が引っかかるように小さなツメが取り付けられているなど
細かな工夫と細工が。



網代天井に、下地窓が風流。


ランダムに編まれているが、バランスよくまとまっている。




襖紙は唐長のもので、村野好みの渋めのちりめん模様。



障子につけられた小さな格子窓は、障子の後ろに置かれた空調設備の為につけられたものだとか。
大工泣かせの細工があちこちにみられる。


茶室と茶室の間にある水屋。


四畳半の裏千家の茶室。


少し暗めの室内、化粧屋根裏の突上窓には、光を補う為に蛍光灯が入れられている。



自然なつながりを意識した和室と応接室の洋室との境。


蛍光灯の配置が面白い応接室。
天井クロスは川島織物製。


壁と床の境目は、窪みがアールに施されていて、掃除のし易さが考えられている。


続く部屋には、障子が入れられているので、和室として、又、障子の内側にカーテンレールがつけられているので、カーテンをつけると洋室として使用することもできるようになっているそう。


壁には川島織物製のクロス。


キッチンはラワン合板の造り付けの食器棚が入っている。





シンプルな真鍮の金具が、いい味わい。






レンジフードの造りも美しい。


当時最新式のビルトイン食洗機の搭載されたシステムキッチンもついていた。


外に面する窓の格子は、木製と思いきや、中の芯には鉄筋が入れられ、
防犯面も考慮されている。


お風呂は意外に質素で、浴槽も小さかった。


2階は立入禁止だったが、娘さんのお部屋の襖が見え、桜色だったのが可愛らしかった。



旧佐伯邸を高台から。


旧佐伯邸をたっぷり見学させて頂いてから、松柏美術館も学芸員さんにより
ご案内して頂いた。



松伯美術館は、村野藤吾の設計ではないそうだけど、この外壁が、村野藤吾のシャモットタイルというのに似てなくもないなあと。
バルコニーのデザインもなんとなくそれっぽかったのだけど。


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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【ブダペスト中央市場他】

2023-06-20 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

ブダペスト二日目の早朝にやって来たのは中央市場。
1897年に建てられたブダペストで最大の市場。
現在の建物は修復されたもの。
煉瓦造りの建物には、ジョルナイ製の陶製屋根が使われているというので、
それも楽しみに。


地下鉄Fovam ter駅から上がってくると、すぐ見えてきた市場。


遠目からだとちょうど屋根がよく見える。
ジョルナイ製の陶製の瓦は、ビビッドな黄色と緑、赤のパターンで、
一枚一枚がやや丸みを帯びた四角形のものが貼られてる。
その上にゴシック風のドーマー窓。






エントランスの門やアーチには細やかなアイアンワーク


エントランスホールの天井


開店時間の6時過ぎに行くと、まだ市場の中はガランとした雰囲気だった。



中央部分は二層吹き抜けで、鉄骨の梁が優雅に弧を描いている。


階段のアイアンワークも美しいな。
2階は、飲食店やお土産物屋さんがあるが、この時間は全く開いてなかった。
朝から朝食が食べれるかな?と思ってやってきたのだけど;


1階の市場は、ぽつぽつ開いてるお店もあった。
サラミやハムなどを売るお店。



八百屋さん


果物屋さんもいくつか開いていて、


イチゴとチェリーが赤々として美味しそうだったので、
キロ売りのところ、少量でもOKか確認して、朝ごはんに食べる分をゲット。


いちごもチェリーも甘かった。


市場からは、この後、ゲッレールト温泉へ行こうと、市場からすぐの自由橋を歩いて渡ることに。



19世紀末に建設された橋は、優雅なアール・ヌーヴォー様式で、橋を眺めながら渡る。






トラムがやってきた。
映える黄色だなあ。
この後、ゲッレールト温泉へ到着したが、開店時間が変更になってて、出直してたのだった→⭐︎


その後に、レヒネル・エデンの応用美術館へ向かった。現在改修中で、中も外も見ることは叶わないとわかっていたが、、やはり、修復中の姿も目に収めておこうと。


やはり、建物はシートに覆われていて、見えたのはドームの屋根だけ。
ガイドブックには2020年に修復完成予定と書いてあったけど、一体いつ終わるわだろう?!




今回は見れなかったけど、1996年に訪れた際に、修復前の姿を写真に収めていたものがあった。




エントランス。
黄色いセラミックが手摺に使われてる。


これは天窓のステンドグラスのよう。



アラブ風味強めの内装のようだった。


ここから最終日の昼過ぎに行った中央市場。
早朝の市場とは、うって変わって賑わってる。


パプリカを売ってるお店が、すごい迫力。
パプリカとは、唐辛子を粉末にしたものだけど、
辛いバージョンと普通のとがあり、、
布袋に入ったかわいいものをお土産用にいくつか購入。


赤、白の袋があって、普通、赤い方が辛いのかと思いきや、白の方が辛かった。




絵付けされた陶器類なども。


サラミソーセージ屋。



2階から1階を見下ろす。
2階の飲食店は、更に混雑していて、おちおち食べてられない感じ。



フードコート的なお値段かと思ったら、そこそこするなあ。
せっかくなので、ハンガリー料理のお店を選んで、、牛肉の煮込み料理と付け合わせに、ダンプリング(小麦粉を練って小さい団子状にしたもの)を。
かなりのボリュームでお腹いっぱいに。
ハンガリーの料理は、だいたいどこでも量が多かった。
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ハンガリー&チェコの建築&タイル旅2023【ブダペストの地下鉄その二・1号線】

2023-06-19 | ハンガリー&チェコのタイル&建築旅2023

ロンドンの地下鉄についで、ヨーロッパで2番目に古いというブダペストの地下鉄は、1896年にハンガリー建国1000年を記念して開通したそう。
1号線は当時の雰囲気を再現したものなのか、クラシックな雰囲気で統一されていた。


地上からの地下への入口は、鮮やかな黄色のフェンスに囲まれ、
地下への階段壁は白と茶色のサブウェイタイルが貼られている。


黄色の手すりは、細工が美しく、グリーンの窓枠ともぴったり。


ホームへと続くタイル壁。茶色で縁取りされている。


駅名もタイルに描かれたもので素敵だ。




コーナー部分はこのような装飾的な金物が使われていたり


ホームを支える鉄骨も、柱頭には華麗な飾りがつく。





各駅についていた重厚な雰囲気の木の扉。
何がしまわれているのか?!


こんな変形楕円の扉も。


ゴミ箱も当時のものを復元したものなのか?おしゃれ。


車両は目の覚めるような黄色。
現在の車両は1995年に開通100周年を記念して、建設当時の姿
に復元されたものだそう。


さすがに車両と駅の雰囲気がぴったり。


対面のホーム。



車両に乗り込む。
つり革は、本革仕様だ。
他の線はバーだけだったりしたけど、この線は復元車両だからかな?


照明カバーもレトロな雰囲気。


シートもいくつかパターンが。






1号線は各駅、それほど大きくは変わらず、クラシックなパターンで統一されていた。こちらの駅はホームの柱が茶色。
地下鉄編は更に続く・・
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