m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

東京建築&タイル巡り【大宗旅館&たばこと塩の博物館他】

2024-11-01 | 建築巡り・街歩き【その他】
茶嘉葉さんでの在廊、後半の1日目の最終は、埼玉から友人夫妻が来てくれて
食事を共にした。
久々に会えて、積る話もあり、いろいろと盛り上がって楽しかった。
遠く離れていても、いつも応援してくれる友人がいてくれるのは有難い限り。


前半の在廊時は、近くの旅館西郊本館に宿泊したが、今回は築地の大宗旅館にしてみた。
写真は、翌朝撮ったものだけど、高層ビルの間で健気に建つ木造二階建ての建物は、昭和5年建築、築90年以上になる建物。


遅くなりました~とチェックインすると、女将さんに迎えて頂けた。
お部屋に案内して頂き、ひとしきりお話を。






襖を開けると、広縁には、テーブルセットもある。


欄間の細工など細部もいろいろ凝ったお部屋だった。


お風呂は共同。
そしてお風呂床には懐かしい玉石タイルが敷かれてる。


洗面所のシンクの丸モザイクタイルは、さわやかなミントグリーン。


手洗い場の壁についてる照明は、隣のトイレと共通。


翌朝、チェックアウト後、立ち寄った築地本願寺。


築地本願寺の伊東忠太の動物たちに挨拶していこう。





カラフルな色大理石のモザイクも。







最も会いたかったのは口から階段を吐いてる怪物。



横顔も力強い。



築地駅には、勝鬨橋を描いたこんなモザイク画があった。



その後、前日に来て頂いた大福書林の瀧さんに教えてもらった日本橋のビルを見に行く。


ブルーの濃淡のあるタイルが美しい。


小口タイルは、横じゃなく、縦に貼られてるのも珍しい。
丸窓のタイルの縁取りもいいなあ。



すぐそばにあった白いタイル貼りのビルは、2階が角丸な窓で
最上階のベランダからはグリーンが見える。


粗目の土を使ったタイルの風合いもいいなあ。


そして最寄りの駅、馬喰横山駅へ。
ここにも面白いタイル壁があった。


モザイク画は、この辺りを走っていたという馬車鉄道が描かれている。


タイルに寄って見ると、モザイクタイルには大小のドット模様が描かれていた。ドットだけでなく、塗りつぶされた四角も。



大江戸線の月島駅には、こんなお月さまが。


お月さまは、大きな丼鉢のような陶製。


そして、こちらも教えてもらってた清州寮へ。
昭和8年に建てられたレトロな現役の集合住宅。


エントランスには、カラフルな無釉モザイクタイルが敷き詰められ、
壁面には筋目の型押しタイル。








照明や看板もいいな。


この額に入ったモザイクタイル。
これは、何のためのコーナーだろうか?!


そして、最終的に、この日行きたかった「たばこと塩の博物館」へ。
地下鉄の押上駅というスカイツリーのある駅に降り立つ。
そういえば、スカイツリー、初めて見た。


各階、タイルの貼られたビル。








たばこと塩の博物館では、企画展「嗅ぎたばこ入れ」が開催中。
嗅ぎたばこといえば、中国の鼻煙壺、東洋陶磁美術館の沖正一郎コレクションが思い浮かぶが、こちらの展示では、中国はもちろん、ヨーロッパ各国、モンゴルやチベットまで世界の嗅ぎたばこ入れの展示が楽しめた。


フランスの嗅ぎたばこ入れ。
金にエナメル仕上げがされていて、中央には風景画が描かれている。
ピルケースのようで、豪華で可愛い。




ドイツ製。



ここから中国の鼻煙壺。
飴色の琥珀が美しい。





琺瑯製。




白い気泡入りのガラスにグリーンと白のかぶせガラス、ピンクのガラスの蓋との組み合わせも最高。








石鹸石という石に、リスと木の実を浮彫。
可愛い~



整然と並ぶトウモロコシがシュールなデザイン。


中洋折衷のクラシックな雰囲気が素敵だった鼻煙壺




瓶の口から曲がった筆を差し込んで内側から逆さに描く
内画鼻煙壺も素敵だった。


ゆるふわ猫が何匹も描かれてて、うっとり。


こちらはパンダが大量。


象牙の緻密な細工。


陶製で、鹿が描かれている。


こちらも象牙で、立体感と細かさが半端なく緻密なもの。


こちらは木製。

さまざまな素材で作られた鼻煙壺たちは、小さな容器に凝縮された細工がすばらしくて、見入ってしまった。


この後は、常設展示へ。
常設展示も、たばこにまつわる道具たちの展示。





昔のタバコ屋さんの再現も。


マーブル模様のモザイクタイルまで再現されてる。



可愛い灰皿。


このくまの灰皿も好き。





ここからは在廊後・・
赤羽橋駅に降り立つ。
ガラスブロックの背景がおしゃれなホーム。



モザイクタイルがびっしり貼られた壁面が波打つ


モザイクのグリーンに合わせて、扉も緑。




ガラスモザイクのようだった。




エスカレーター付近は、このライトグリーンのモザイク。


他にも、青や



紫&ピンクも。



カラフルで、タイル的にも見応えのある赤羽橋駅だった。




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東京建築&タイル巡り【明治学院大学&ゆかしの杜(旧公衆衛生院)他】

2024-10-21 | 建築巡り・街歩き【その他】


茶嘉葉さんでの展示中、最終日の土日にも在廊。
その時の朝活で巡った建築など。


早朝に東京に着いてからやって来た白金高輪駅。
正方形のタイル、モスグリーンのグラデーションが美しい。


女子トイレは、ピンクのタイル。


そしてやって来た明治学院大学。
守衛さんにお断りを入れて見学。
明治学院大学には、三つの登録有形文化財があり、しかも正門からすぐのところに三つともまとまって建っているので、迷わず見れてよかった。
こちらは、1916年にヴォーリズ設計により建てられた礼拝堂。
ヴォーリズ自身の結婚式もこちらで行われたという。



学校関係者以外は内部見学はできないようだ。


礼拝堂の向かいに建つのは、インブリー館と明治学院記念館。


インブリー館は、1889年に建てれられた元宣教師館で、宣教師であり、明治学院神学部教授ウィリアム・インブリー博士の住まいだったもの。
都内でも最古の宣教師館だそう。


1890年に、アメリカ人宣教師、H.M.ランディス設計により建てられたといわれる明治学院記念館。
建築当時は総赤煉瓦造りで、神学部の教室や図書館が置かれていたという。
1894年の地震により、2階が木造に改築され、現在は木造と煉瓦造りに。


現在は小チャペルと、明治学院歴史資料館、会議室、事務室などに活用されている。



煉瓦とハーフティンバーの梁が美しい外観だった。


明治学院大学からゆかしの杜へ向かう途中、ギャラリーの建物に
タイルを発見。


ステンシルで模様が描かれたもののようで、カラフルで可愛い。


こちらも道すがら見つけたタイル。
京都でも何か所かで見たことのある釉薬がしみのように掛かった個性派タイル。
これほどの面積で使われているのは初めてみたかも。





そしてやって来たゆかしの杜(旧公衆衛生院)
昭和13年、内田祥三設計により建てられた旧公衆衛生院。
ホールや、旧図書閲覧室、旧講堂や旧食堂などが残されている。


吹き抜けの中央ホール。
クッキーかビスケットが貼り付いてるとしか思えない天井の装飾。




2階から見下ろす。


旧講堂は340席の大講堂




舞台の両脇にはレリーフ陶板が入り、


動植物を描いたレリーフ陶板も左右に。



ヤギかな?


時計周りの装飾も緻密で陶製のようだ。


ゆるやかな階段状況になった講堂に設置されてるこの長椅子も素敵だなあ。


壁付けの照明は、どことなく和風。



6階ホール。
6階は、公衆衛生学を学びにくる保健師の女子寮として使用され、当時は約40室の居室があったそう。



床に貼られたクリンカータイル風に模様が刻まれたタイル。


ホールの照明。



旧図書館閲覧室の前室には、図書館長室と受付窓口があり、書庫と繋がっていたそう。


本閲覧室は、現在コミュニケーションルームとして活用されている。




懐かしの昭和レトロな電化製品など、さわれる展示がされていた。


こちらのステンドグラスは浅野セメント創始者自邸のステンドグラス。
戦後、中学校として利用されていたが、校舎の建替え時に保存されたもの。


イスラム風の幾何学文様とアール・デコぽいデザインの植物文様、






旧公衆衛生院の設計者、内田祥三が自ら設計し、自邸で使用されていた机。
詳細な机の設計図の展示もあった。


この後、12時からの在廊の茶嘉葉さんへ慌てて向かう。

なんと先ほど気づいたが、現在カフェになっている地下の泰山タイルのある旧食堂を見逃してた~やはり急ぐとダメだなあ・・


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東京建築&タイル巡り2024【カトリック碑文谷教会&明治生命館他】

2024-10-19 | 建築巡り・街歩き【その他】


在廊二日目、朝活に以前から行ってみたかった碑文谷教会へ訪れた。
碑文谷教会は、1954年にサレジオ会により建立。


ちょうどこの日は、ミサが行われるということで、信者さんがおられ
少し早目に照明もつけてくださった。
美しい~天井画が圧巻。。
信者さんが言われるには、一人のイタリア人修道士が、故郷の教会を思い出し、3年がかりで天井画を描いたという。
とても緻密で華やか。








祭壇周りもとても豪華である。




イエスと十字架の背景は、モザイク画で描かれ、


手前には、最後の晩餐を描いたモザイク画も。



王冠のようなシャンデリア。


縦長のアーチ窓には、ステンドグラスも入っている。








後方の扉上部にもフレスコ画







聖堂内のあちこちには、作風の違った宗教絵画が描かれている。







とても見応えのある聖堂を堪能。


最寄りの学芸大学駅までの道すがら
気になったやきもののお店。閉まってたが・・


扉に貼られたタイルもいいな。


門や面格子のアイアンワークが凝っていたお宅。









そして公開中だという明治生命館へ向かう。
途中、国際ビルヂング前を通ったので、
あのエレベーター周りのモザイクタイルを観に寄る。


何度見てもいいな~
モザイクタイルもいいし、この白い大判の中央が凹んだタイルもいい。





最高~見に寄ってよかった。




そして明治生命館へ到着。
1934年、岡田信一郎設計。昭和時代の建築物として初の重要文化財に。
コリント式柱が並ぶ重厚な外観。


ロゼットが貼られた重厚感のあるブロンズのドア。


大理石がふんだんに使用された内部空間。






天井は、中央部はガラス屋根のトップライト、周囲は漆喰と石膏彫刻による八角形の装飾が施されていて、重厚感あふれる空間だった。


回廊のシャンデリア。


会議室


こちらは、元食堂。
配膳用のエレベーターが並んでいた。


階数表示板。


アール・デコな通気口。


食堂は、会議室に比べると、部屋の中央部分の天井にゆるやかなアーチがあったり、やわらかな印象。



アーチには、葡萄の蔦が描かれた漆喰のレリーフが細やか。


大理石と陶製のタイルでできた暖炉。
孔雀らしき鳥が向かい合うレリーフ。



 各階に設置された米国製のメールシュート。








応接室の家具や絨毯までもが豪華絢爛で見惚れた。








階段ホールも大理石尽くしに。



この後は朝活終了し、一路茶嘉葉さんへ在廊へ向かった。


在廊後、帰りのバスまでの時間に訪れた大江戸線西新宿五丁目駅の陶板アート。
大胆にカットされ組み合わされた陶板・・抽象画かなと思いきや、
遠目で見ると、山並みや雲の合間に鳥が飛んでいるようにも見える。




寄って見ると、それぞれの陶板には石目だったり、網目のようなもの、つるんとした光沢のあるもの、いろんな質感が楽しい、タイル好きを刺激するアートだな。




更に教えて頂いた、東中野の「モーゼ」で夕食を。


ウニとしめじのパスタ、濃厚で美味しかった。


教えて頂いた通り、床タイルも可愛かった。


通りがかりに東京交通会館の矢橋六郎の大理石モザイク画
も見ていく。


近づくと、やはりひとつひとつの石の存在感がすごいなあ。







螺旋階段のある吹き抜けは、夜はこんなライトアップがされてた。


最初の二日間の在廊を終え、帰宅。

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東京建築&タイル巡り2024【旅館西郊本館他】

2024-10-11 | 建築巡り・街歩き【その他】
茶嘉葉さんの在廊、初日の週は、旅館西郊本館に宿泊した。
以前、一度泊まったことがある宿で、調べると、ここから茶嘉葉さんまで徒歩20分で行ける近さだった。


建物は1931年築の登録有形文化財。
風格のある玄関までのアプローチ。


玄関の引き戸を開けると、懐かしさの漂う空間に。


このタイル貼りの暖炉のあるスペースで、チェックイン。



内側の型押しタイル。


外側の型押しタイル。
どちらもたまに外壁に使われているのを見かける、好きな渋タイル。



コーナー部分は、モールディングタイルが使われてた。


暖炉上にあった照明も建築当時からのものだそう。


お部屋は2階。







この日の部屋は、少し細工の凝った菊の間。
以前宿泊した時よりは、やはり少し宿泊料が値上がっていて、素泊まり8500円。
翌日は、このお部屋を希望した方がおられたのか、別の部屋になり、8000円に。


室内は、床の間や天井に様々な種類の木材が使用されている。


桜の木の床柱に四方竹の落とし掛け、天井には煤竹。



お風呂は、共同。
女将さんが、開いたら呼んでくれる。
いろんな型板ガラスの競演。


網代天井


トイレには、玉石タイルが貼られてた。




手洗い。


1階にもこんなかっこいいタイル貼りの手洗いがあった。



1階のトイレ(使用されてないかも)
石貼りで素敵だな。


丸窓のある裏階段。


重厚な「非常口」表示板。


2階から中庭を。


玄関にあった植木鉢が置かれてた台、ツバメのステンシルが入っていて
何気にかわいいなあと見ていたら、



女将さんが植木鉢を取ってくれたら、上にもツバメが。
元々は、4つ繋がった椅子だったそうで、、
ガーデンファニチュアのようだった。


翌朝は、展示準備がまだ終わってなかったので、早朝に周辺を少し散歩してから茶嘉葉さんへ向かうことに。
お隣の西郊ロッヂは、賃貸アパート。
以前本館に宿泊した時、中を少し見学させて頂いたのを思い出した。



独特な外観のマンションだなと駆け寄ると、秀和レジデンスだった。


エントランス付近のタイルが可愛い。


床から緩やかに立ち上がり、低い塀になった曲面にも貼られてる。



真ん中の部分だけ、釉薬のかかったタイル。


入口に近づくと、更に釉薬が掛かったタイル部分が増えて、色も増え
より華やかに。






茶嘉葉さんでの1日目の在廊を終えた後、
夕食に連れていってもらった南阿佐ヶ谷すずらん通り。
ここのすずらん街灯があまりにも可愛くて感激。


一輪タイプも。


こちらはパール通りなので、すずらんじゃなくパールのようだ。








この後、宿へ戻る前に西郊本館から近くの邪宗門へ。






ウィンナ珈琲を。
この日はたばこの煙が煙たくて、コーヒーを飲んだらすぐ退散;

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東京建築&タイル巡り【中近東文化センター&ルーテル学院大学他】

2024-10-09 | 建築巡り・街歩き【その他】
東京、阿佐ヶ谷の茶嘉葉さんでの個展の搬入に展示前日に東京入り、
搬入後や、在廊前後に巡った建物&タイルをいろいろ。

南阿佐ヶ谷からお店へ向かってる途中、ただならぬ雰囲気のお家に遭遇・・
壁面が波打ち、葉っぱのレリーフが散りばめられてる!?



何?この窓枠のギザギザは・・?!


どの窓のデザインも一癖も二癖もある


お庭の方に、ちょうど室内を改修中の大工さんがおられたので
お話を伺ったら、、象設計集団の関係のお宅だとか・・
さすが、デザインが半端ない。
象設計集団といえば、ずいぶん昔に見た沖縄の名護市庁舎→
が思い出される。
こんな可愛いらしい住宅も造っていたんだ~


とにかくいきなりすごい建物に出会えて感激。。
茶嘉葉さんでは、お昼過ぎくらいまでかかって搬入、展示準備をし、


その後にやってきたのは、三鷹にある中近東文化センター。
30数年前、東京美術館巡り1泊2日で10館をした時にここを訪れたことをうっすら覚えていて、また行ってみたくなった。


タイル貼りの外観の建物。



エントランスの照明が素敵。


入館チケットは、パピルスでできていて、袋に入れてもらえばしおりとして使えるのがうれしい。
ヒエログリフが描かれていて、数種類から選べた。


トルコの本物のタイルもいくつかあったが、館内は撮影禁止で、
中庭の複製品は大丈夫とのこと。


全てブルーが基調で、草花文が描かれたタイルが鮮やか。




展示品は、イランやトルコの陶磁器やガラス、土偶や青銅器などなどを楽しんだ。



その後、すぐそばにあるルーテル学院大学へやって来た。
受付で申し込みし、許可証をもらうと自由に見学できる。
こちらは1969年に村野藤吾設計により建てられたプロテスタント派のミッション系大学。


本館、図書館、チャペル、寮棟が登録有形文化財となっている。


こちらは、チャペルの外観。
本館からガラス貼りの渡り廊下でつながるチャペル



仕切り板で分割したような?とてもユニークな外観。







天井は、深めの?格天井になっていて、和の雰囲気もある。
祭壇の中心には、木彫が施された十字架、背後には縦長の窓にステンドグラス。





エントランス上の天窓。


祭壇側からの入口



四つの照明がやわらかな曲線でつながる素敵なデザイン。


椅子が長椅子でなく、個別の椅子なのは、村野藤吾の別の教会でも見たような


造り付けの棚の扉に透かし彫り。



聖堂への扉はシンプル。
角が丸くなった窓やドアノブがやわらかな印象。


芝生広場から本館棟を望む。
グリーンの芝生がこの建物にとてもよく似合う。


こちらの食堂は、新しい建物のようだけど、
本館などとのつながりを持たせるような外観になっていた。



学生寮




学生寮の窓の付き方も特徴的なデザインだった。


こちらも古くからあるという研究棟。






こちらの外観は、図書館かな?
図書館は、入口だけ見たのだけど、こんな円柱形のスペースがあったんだ?!
奥まで入らせてもらえばよかった・・




図書館から本館へ続く。










こちらは、受付のあるトリニティホール。




トリニティホールの玄関ポーチには、所々にこんなタイルが貼られてた。


ルーテル学院大学からは、一路、泉屋博古館へ。
見たかった板谷梅樹のモザイクタイル展へ。
色彩的にもデザイン的にもめちゃめちゃ好みのものがたくさんあって
うっとり。


唯一撮影可の作品はこちらの「三井用水取入所風景」で、
細やかな色のグラデーションで風景が描かれていて素敵だったが、
ペンダントや帯留めなどのアクセサリー類、小箱や小皿の幾何学的なデザインやくっきりした色使いがモダンで良いなあ~と・・


モザイクのピースを見てると、ほとんど目地がいらないのではないかというくらい、隣同士のピースがぴったり合ってて几帳面さがうかがえた。


その後は、誠品生活日本橋へ。
和なタイルが柱にあしらわれてた。


佐々木千絵さんの展示を拝見。
台湾がテーマの作品が並ぶ。


絵の中には、台湾の食卓の様々な料理や風習が細かく描き込まれていて、楽しくいつまでも見てられそう。






この犬の表情・・可愛い~



豆花。


駅へ向かう道すがら、素敵なガラスの壁面が現れた。


カットが入れられたガラスに、凹凸にデザインされた工芸的なガラス、
鏡や色ガラスが組み合わさって、とても素敵だった。

この後は、この日の宿、旅館西郊本館へチェックイン。







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信楽・信楽窯業技術試験場&陶芸の森陶芸館&黒田園他

2023-12-20 | 建築巡り・街歩き【その他】
先日ついにタイル制作用の電気窯を購入し、その備品の調達や偵察に信楽へやって来た。



高速走行中、すごいいいデザインの橋を見つけた。
アール・デコぽくもある。
帰って調べてみると、新名神高速道路の近江大鳥橋という橋で、
鶴が背中合わせに天に向かって飛ぶ姿を現しているそう。
美しい~。


信楽へ着くと、まずは、立ち寄りたかったアンティーク家具のお店、アンティーク・フレックスへ。
思ったよりスケールの大きなお店で、ものすごい数の家具が所狭しと並んでいてワクワク。(撮影了承済)



ヨーロッパのアンティーク家具、さすがに装飾が半端なく細かく、美しくてうっとり。


アール・ヌーヴォーの飾り棚も。


ライティングビューローも、隅々まで細かく彫刻されている。
引き出しそれぞれに、二つの顔が貼り付いてて、装飾が濃厚。


このテーブルの脚もクセ強いなあ。



そうかと思うと、こんな愛らしい小鳥が装飾されたものも。
リボン付きの鍵穴がまたおしゃれ。




ついつい細部に目がいって楽しんでしまった。
大き目のローテーブルが欲しかったのだけど、残念ながら低めのものはなく・・
お値段もリーズナブルな感じなので、又欲しい家具ができたらここへ来よう。



そして、信楽窯業技術試験場へやってきた。
去年来た時は、まだオープン前だったので、新しくなった施設を見ていこう。
この看板のタイルモザイクが素敵。
様々な質感、釉薬のタイルがモザイク状にデザインされている。



見学は、受付後、1階のみ自由に見学できる。
こちらの施設では窯業技術の研究開発や、後継者育成などが行われているそう。



ロビーの壁面を飾っているのは、旧庁舎場長室にあったという熊倉順吉デザインの陶壁画を移設したものだそう。


信楽らしい焼き締めの素朴な土の味わいが素敵な陶壁。



日本万国博覧会迎賓館用に製作された同じく熊倉順吉デザインの陶壁の一部。


建物内外には、開発された製品などが設置されていて、
こちらの坪庭は、信楽らしいなまこ釉の植木鉢や大小の円形の陶板が組み合わされていた。苔などの植物の緑との調和もいいなあ。



枯山水庭園をイメージしたというタイルの質感が面白い。

ここで、試験場の方からいろいろと説明もしていただき、タイルに興味があると伝えると、今、陶芸の森陶芸館でやってる展示に、こちらの試験場所蔵の建築陶器やタイルが出ていると教えてもらった。
とりあえず、旦那がお腹を空かせているので、後ほど見に行くことにして、まずはランチ場所へ向かった。


この日のランチは、黒田園へそばを食べに行くことにしていた。
土日は、数時間待ちにもなるという人気店だが、平日だったので、すぐ入れた。
風格のある建物は福井の築70年になる古民家を移築してきたもので、移築後20年になるという。






床は、移築時に、信楽焼の陶板を敷いたのだそう。



お座敷席と、囲炉裏端の席があったので、囲炉裏端へ。


火はついてはいなかったが、、



平日限定の海老天セットを。
そばも、サクサクの海老天も、朝宮茶も美味しい~


扉の引手には、鳳凰の彫り物が。



お腹がいっぱいになったのだけど、ちょうど向かいに朝宮茶の老舗、山本園の濃すぎる抹茶ソフトを食べておきたくて立ち寄る。



十分に濃すぎる抹茶ソフトに更に追い抹茶がかけられてる。
最高の風味だった。


大きな陶板の看板を掲げる陶器店。
陶器店で、大きめの土鍋も欲しかったので立ち寄るが、、
原料の影響で土鍋は、今全体的に品薄だそうで、見つからず。


信楽郵便局が、さすがにやきものの町らしく、タイル使いが素敵な建物だった。


三角形に張り出したタイル壁。


透明感のある瑠璃色もきれい。


陶芸材料のマルニ陶料へも立ち寄り、陶芸材料を物色。
ここの壁面のタイルがなんとも言えない風合いで好き。


こちらの陶器店のアプローチに敷かれてた円形と楕円形の陶板も面白かった。


そして、陶芸の森陶芸館へやってきた。






なにしろ特別展のポスターがこんな感じで、岡本太郎が前面に出ていたので、
建築陶器やタイルの展示があるとは、夢にも思わなかった。
どうやら信楽の建築陶器からの岡本太郎の流れらしい。



序章の近代建築と装飾陶器のはじまりから。
近代窯業の祖、ワグネルが開いた窯、旭焼で焼かれた暖炉用の組タイル。


陶磁器試験所で試作された、透かし彫りのレリーフタイル。
とても手が込んでいて、美しい。



獅子の噴水口


レリーフタイル。
陶磁器試験所で作られていた数々の試作品などを見ることができて興奮。


こちらは、陶磁器試験所本館玄関を飾っていたという鬼瓦風の装飾タイル。


孔雀が2羽描かれた華やかな陶板は、トルコ釉の発色が美しく、オリエンタルな雰囲気。


陶磁器試験所にて昭和2年に制作された秩父宮邸陶器製装飾電燈台。
建物は空襲により消失しているので、唯一残されたもの。


1926年フィラデルフィア万国博覧会へ出品された装飾電燈台。
3匹のうさぎが土台で支えている。



滋賀県立窯業試験場指導で製作された滋賀県庁舎の階段のレリーフタイル。
現在も市庁舎で見れる。


大物作りが適していた信楽では、滋賀県立窯業試験場で、このような電燈台などの建築用装飾陶器の開発が進んだのだそう。


動物の噴水口なども作られていた。




旧フェスティバルホールの装飾陶製レリーフや岡本太郎の代表作、万博の太陽の塔も信楽で手がけられたものだそう。
こちらの岡本太郎の「坐ることを拒絶する椅子」も信楽で作られたもので、
他にも様々なパブリックアートが信楽で手がけられてきたという。
岡本太郎と信楽にそんなに密接なつながりがあったとは。


岡本太郎の作品の中で、ダントツ可愛かったのが、この「犬の植木鉢」
岡本太郎が芸術の大衆化を目指し、作ったもののひとつだそうで、
1954年に常滑で最初に作られたのだそう。


何体か作られているようで、このひとつは、刈谷市の中学校に置かれてるようだ。



植物を背負ってる姿も可愛い。

いろいろととても見応えあってよかったので、帰りに陶磁器窯業試験場にご挨拶をしに立ち寄り、展示物の資料なども見せてもらって、更に展示物の写真も撮らせて頂けるとのことで、学芸員さんにお繋ぎくださった。
再び陶芸館へ伺い解説付きで鑑賞させて頂けて、とても満喫することができた。




その後、「かまーとの森」でお茶して帰ることに。
1972年に建設された全長80mのトンネル窯の跡地を使用し、カフェ&ギャラリー、ショップにされている。






入口そばにある円形の建物は、トンネル窯の燃料タンクだったもので、ここから窯に燃料を供給していたそう。
現在は小さなギャラリーになっていて、中には作品が展示されていた。


お店の奥がカフェスペースになっている。






手前がショップに。
かわいい雑貨類がいろいろと。



奥には古いミシンのコレクション。
オーナーの趣味で集められたものだとか。


トイレへの通路は、工場内を通る。


積み上げられた製品の植木鉢。


古い土練機が置かれていた。



おやつに紅茶とワッフルを一枚ずつ。

この日は街中をあまり歩き回る時間がなかったけど、満喫できた。
前回歩き回ったレポはこちら→



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佐川美術館他

2023-11-13 | 建築巡り・街歩き【その他】

近江八幡を後にし、やってきたのは佐川美術館。
ここに来るのは初めてで、一度建物も見てみたいと思っていた。
チケットを買って中へ入ると、目の前には広大な水が張られた庭があり、
建物は、その水庭に浮かんでいるかのように建っている。
広大な敷地にゆったりと建てられた建物。


建物の設計創案は、陶芸家の15代樂吉左衛門によるもので、
設計施工は竹中工務店とのこと。


切妻造の長い平屋建ての建物が2棟並んでいる。


エントランスまでのアプローチを歩く。


水庭の水のゆらぎが、杉板型枠コンクリート仕上げの壁面や屋根の軒裏に反射してきれい。






この日はガウディ展が開催中で、展示室は撮影禁止。


中庭も水庭になっていて、回廊で繋がった向かいの建物が見える。




特別展以外にも平山郁夫や15代樂吉左衛門の茶碗の展示も楽しめた。
茶室も公開されているようだけど、決まった平日の予約制。
ゆったりとした建物と展示が楽しめる美術館だった。



ここから、前に戻って、ヴォーリズ記念病院の後、旦那が行ったことないというので、ラ・コリーナにちょっと寄り道。




青空と、生い茂る緑の屋根





天井には、無数の炭が貼り付けられていて、独特な景観の吹き抜けのホール。2階は喫茶室に。






自然の木のうねりを活かした柱や梁など、
あちこちに楽しい造形が見られる。



八幡堀まで戻ってきて、車を停めてから
散歩しながらランチへ向かう。


ヴォーリズの旧八幡郵便局。
この日は閉まってた。


郵便局のすぐ近くの食堂ヤポネシアで、カオマンガイのランチを。野菜が盛りだくさんで美味しかった。


食後、旧吉田悦蔵邸へ向かう道すがら、ヴォーリズ建築の近江八幡教会へ立ち寄る。
初代の建物は明治40年に建てられたが、火災により焼失し、現在の建物は、昭和58年に再建されたもの。


聖堂も拝見。
中央には、簡素な感じのシャンデリアが下がり、


三箇所に入れられていたステンドグラスは、分厚いガラスを割って、断面を見せるステンドグラスであるロクレールっぽい。





入口扉についていたのも。
ぶどうと


魚。


すぐそばには、昭和10年に再建された(初代は明治40年)同じくヴォーリズ設計の旧近江八幡YMCA会館であるアンドリュース記念館。



かつて玄関があったという北側。


向かいには、昭和15年、ヴォーリズ設計による、近江兄弟社の独身青年社員宿舎であった、旧近江兄弟社地塩寮が建つ。




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近江八幡・吉田悦蔵邸

2023-11-11 | 建築巡り・街歩き【その他】

ヴォーリズ記念病院見学後、ランチして、吉田悦蔵邸へやって来た。
吉田悦蔵は、ヴォーリズの近江八幡の商業学校時代の教え子であり、
片腕として、生涯ヴォーリズを支えたといわれる人物。
現在、四代目のご夫婦がこちらの邸宅を保存維持されていて、
お住まいされながら、一般公開もされている。


ご当主さん案内の元、見学させて頂いた。


玄関には、ヴォーリズらしい造り付けの収納兼ベンチが設置されている。
収納部分も引き出しが三段もあったりと、細やかな造り。


玄関ポーチのタイルは、布目で、泰山タイルだといわれていた。


まずは1階のリビングへお通し頂く。
南向きの窓からは、明るい光が入る。
うっすらとミントグリーン系の壁紙が上品。



壁は土壁だそうだが、特殊な加工で、現在では再現するのは難しいものだとか。


リビングには暖炉があり、白いタイルが貼られてた。
上部は、絵画がはめ込まれた形に。


その白いタイル部分の上中央には、みにくいアヒルの子を描いたタイルが貼られていた。どこのタイルかは不明らしいが、
アール・ヌーヴォーぽい、、外国製?!


こちらは暖炉に置かれていたもの。
庭から出てきたものだそうだけど。
モザイクで作られていて、辰砂釉がきれいな発色。


こちらは風景を描いたものだけど、アヒル同様アール・ヌーヴォーぽいライン。


暖炉の内側には、耐火煉瓦が使われていて、いくつかの会社の刻印が見られる。サンプルを使ったのでは、とのこと。


座り心地よさそうなソファ。
ソファも文化財指定されているもので、
最近修理されたという。


リビングは二間続きになっていて、
こちらのスペースは、ピアニストであるお母さまの演奏会などにも使われている。


家具調度品がとても素敵で、代々、骨董品などを集める趣味を持たれていたとのこと。


机の上にはランプのついた裁縫道具入れなども。


これらの椅子も文化財指定されたもの。


可愛い形の椅子。


そしてリビングから出られるテラスには、タイルがあしらわれた壁泉跡があった。


布目のタイルがよい味わい。
中にはモザイクタイルも。


こんなオウムのタイルは、初めて見た。


貝殻を焼き付けたようなタイルも貼られていた。


テラスの先に見えるのは、離れの茶室。
こちらは非公開。


次に和室へ。
入口は、このような扉がついていた。





こちらの茶室は、日牟禮八幡から移築された江戸中期の建物だそう。


舟板が再利用されている。


茶室では、お茶のお稽古などもされていたそうだが、
人気の教室で、手狭になった為、後ほど離れにも茶室を建てられたのだそう。


襖の引手は竹の節が使われていた。



そして、ダイニングルーム。
ミントグリーンが素敵なダイニングルームだったが、
壁の色は、何度も塗り替えられているそうで、
最初からこの色ではなかったもよう。


造り付けの戸棚は、収納力もばっちりだそう。


ダイニングを出た所にあるスペースは、コート掛けなど
収納の為のスペースに。



隅にあるのは、2階へつながる糸電話的なもの。
いろいろと工夫が凝らされているなあ。


階段を上がって2階へ。



階段途中にある洗面所兼トイレ。
アメリカ製のホーローのシンクが二つ。
コロンとした形が可愛い。


2階の書斎兼居間。


細かく彫り込まれた軽井沢彫りの家具が美しい。


書斎の奥の部屋には、おばあさまが嫁入り道具として持って来たのでは、というクローゼットが、ワンポイントに薔薇の寄木細工が施されていておしゃれだった。





部屋の片隅には、座面がメッシュな小ぶりの椅子。
あちこちにさりげなく置かれてる家具がいいなあ。
家具は全部で23点が文化財として登録されているという。


そして、寝室。
実際にこちらで寝起きされているというが、生活感が全くなく、美しい。


寝室にはこの部屋の中で、身支度が完結できるようにと
洗面台が備わっていて、その両脇には、夫婦それぞれのクローゼットが造り付けで設置されている。



グレー味を帯びたホーローの洗面台、シックで素敵。
鏡は収納を兼ねている。


歯磨きのコップ置きと、歯ブラシ立てが一体となり、用の美を感じるデザイン。


階段ホールにぶら下がる照明は、ローズがモチーフでモダンな雰囲気。



廊下の隅にぴたりと収まっていたのは、ランドリーボックスとのこと。
竹製のようだけど、なんておしゃれなランドリーボックスなんだろう。


和室の入口に使われている杉戸絵の描かれた戸は、別の武家屋敷から持ってこられたものだそう。


その扉を開けると和室




ヴォーリズ直筆の絵とサインが残されている。


3階にも客室として使われていた部屋があり、そちらには、昔の旅行鞄が並べられていた。
昔の旅行鞄、、なんと大きいのか、、歴代の旅行鞄が並べられていたが、


やはり、この一番大きなものが最も古いそう。
カバンだけでも相当な重量があるという。


3階の部屋の床だけが、建築当時のまま残されているとのこと、
何ともいえない良い艶があった。



そして、金物のドアノブ。
ヴォーリズといえば、クリスタルのドアノブだけど、
初期の頃は、この金物のドアノブをアメリカから輸入して使用していたそう。
こちらは、ヴォーリズが建てた最初期の住宅なので、残されていたようで、
後ほど衛生面や耐久性などからクリスタルに変わっていったという。


部屋の隅には、ぽっかり穴のあいた造り付けのチェストがあった。
この穴は、室内で身支度を整える為に、水を張った洗面器を置いて使用したそう。

以上、いろいろと解説をして頂きながら一通り見学させて頂いた。
実際に住まわれている中での建物が見学できるという機会はなかなかないことで、使われている家具と共に建物が生き生きしているのを感じた。
公開する側にとっても勇気がいることだと思うけど、建物が大切に保存維持されて、活かされていて更にそれを見学できる機会を与えて頂けるのは、とても有難いことだなと感じた。



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ヴォーリズ記念病院旧本館&礼拝堂&五葉館

2023-11-11 | 建築巡り・街歩き【その他】

10月のこと・・
友人にヴォーリズ記念病院旧本館(ツッカーハウス)の見学ができるようになったと教えてもらったので、吉田悦蔵邸見学と、ガウディが来たら佐川美術館へも行きたいと思っていたので、それらを兼ねて久々近江八幡まで訪れてきた。


近江八幡へは、初めて家族連れで来た時から、何度も訪れている好きな町だけど、ヴォーリズ記念病院へは、その時以来。
2007年に訪れた当時、ツッカーハウスは、解体は免れたものの建物は老朽化が進み、危うい状態で、外観のみかろうじて見れる状態だったが、この日は見事に改装されて、中へも立ち入れるようになっていた。


玄関ホール。
ボランティアガイドさんにより、建物内を案内して頂いた。


大正7年、結核が大流行していた当時、ツッカー女史の献金により、結核療養所として、ヴォーリズ設計により建てられた。
建物は、日照の方角や時間、効果的な通風などを最大限に考慮して建てられているそう。
病室は2階で、1階は管理事務所として使われていたという。


クリーム色のタイルが貼られた暖炉跡があった。




ヴォーリズといえばの、クリスタルのドアノブがあちらこちらに使われている。


院長室だったか?
こちらは鮮やかな黄色のタイルが貼られた暖炉。




家具なども当時のままのものが保存展示されていた。


開館当時のツッカーハウス。


建物両脇には、八角形に張り出した、こんな日当たりのよいコーナーも。



階段はゆるやか。


2階にある病室は男女に分かれた団体部屋になっていて、広く取られた窓が並び明るく、さすがに風通しもよさそうだった。
当時はこちらにベッドが並べられていたようだ。


窓が大きく明るいからか、照明は小さ目のものがぽつぽつと吊るされている。


こちらは女性用の団体部屋。
現在は、展示室に。
男女、全く同じ広さだそう。


男女共に、部屋から張り出したサンルーム的なスペースがついていた。


職員の部屋。



物置状態的な部屋の床に敷かれてた蜀江文のタイル。


この先、三階にも、物置などのスペースがあるそうだが、まだ整備途中の為、立入禁止。


そして、ヴォーリズ記念病院礼拝堂へ。
このアプローチがいいなあ。
昭和12年建築。




礼拝堂では、毎週日曜日に礼拝が行われ、
ヴォーリズ記念病院の患者さんたちが訪れる。










礼拝堂の窓からは、五葉館が見える。


丸みを帯びた窓のハンドル。


ドアノブと鍵穴の金具。
シンプルだけど、良い形。


壁紙には、独特な模様が入っていて、新たに作るのは難しいものだと言われていた。


最後に五葉館へ。


昔に訪れた時は、草木に覆われていて、全体を見渡せることができないほどだったが、修復されて、中へも入れるように。
ツッカーハウスと同じく、大正7年に建てられた。
療養がすすみ、退院間近の患者さんを収容する施設だったそう。



病室は一つ一つ独立していて、五方向に突き出しており、
高床式で建てられているため床下の換気も十分。



入口扉は、紫水晶のドアノブが使われていた。


建物内へ入ると、中央部分は大きな広間になっていて、各部屋の患者さんたちが娯楽室として、集えるようになっている。


病室は蒸気暖房が取り入れられ、各部屋は窓が三方向に付き、通気の良さと共に、窓からは自然の緑が目に入るようになっている。
なんと贅沢な部屋・・



窓越しに隣の病室の患者さんと話もできるようになっていたとか。


二部屋ほど、修復前の状態で保存されていたが、天井などボロボロの状態だったが以前の状態を見れるのはいいな。


部屋の扉はすりガラスに病室の番号が入っている。



洗面所はタイル貼りに。





衛生面など掃除のしやすさを考えてか、床からの立ち上がりは、曲面になっていたり、
さまざまな工夫が凝らされたヴォーリズ設計の建物をあらためて見ることができてよかった。

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岡山の旅2023【総社まちかど資料館&岡山禁酒会館他】

2023-10-01 | 建築巡り・街歩き【その他】

吹屋から、少し時間に余裕があったため総社へ立ち寄れた。
明治43年に建てられた旧総社警察署も江川三郎八設計によるもの。
現在は総社市まちかど郷土館として公開されている。


入口を入ると、受付窓口だったと思われるカウンター。


1階展示室。
岡山の洋風建築の歴史などの展示。


2階へ。


八角形の塔屋部分。
上げ下げ窓が並び、明るい素敵空間。




2階展示室には、総社の伝統産業、売薬関連の資料などが展示されている。
マネキンは当時の薬売りを再現。


い草・畳表も総社の主要産業だったそうで、編み機などの展示も。



床下換気口の装飾。


向かいには、モザイクタイルのショーウィンドウのある建物があった。
本屋さんのよう。


白と水色の市松模様のモザイクタイル




周囲も少し歩いてみる。






2階に貼られてるブルーのタイルが魅力的な建物。



美しいタイル。


ソフトクリームののれんが気になった建物。



なまこ塀と虫籠窓のある重厚感ある町家も見かけた。


松の彫刻がある持ち送りは、初めて見た。








洋館付きの立派な邸宅も。





岡山に戻り、最後に禁酒会館のカフェへ行くことに。
禁酒会館の隣にあった気になったビルを見て行く。
ガラスブロックと、タイルが貼られた階段ホール。









道路に面した窓には外からうっすら見えたステンドグラスが、きれいだった。


各階に入れられたステンドグラス。


そして、禁酒会館へ。
建物は大正12年に建てられたもので、禁酒運動の拠点として、岡山禁酒会の定例会、講演会、強化運動者の宿舎としても利用されていたそう。
向かいから写真を撮ろうとしたが、木が邪魔して撮れない、、


ドイツ壁風の壁面に白いタイルが貼られた外観。


前回来た時は、閉まっていて中には入れなかったので、今回初潜入。
酒害相談所の看板もあり、現在も建物の維持管理と共に禁酒の為の活動の支援が行われている。


1階は、珈琲屋ラヴィアンカフェに。
天井が高く、とても良い雰囲気。



カウンター


ギャラリースペースには、雑貨販売のコーナーもあり、内部にも一部タイルが貼られていた。





禁酒会館には、昔、カレーを出す食堂があったそう。
当時使用されていた食器などが展示されている。


現在は数量限定で、カレーを出されているようだ。


2階へ。


2階は、いくつかの会社事務所やレンタルスペースとしても活用されている。
ライブなどが開催されるホールもあるみたい。


多種類の型板ガラスが使われた窓。


細い廊下を進む。


突き当りは窓。
窓の外の緑や城の石垣が目に入る。


裏にも階段が。



カフェのアイスコーヒーも美味しかった。
二日間の旅もこれにて終了。
車移動のおかげで、いろいろとはしごできて楽しかった。お疲れさまでした〜

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