二日目の朝、ゲストハウス花鳥苑を後にし、1軒目のうどん屋、池上へ向かう。
昨日のおか泉の長蛇の列を目にして、長時間並ぶのだけは避けたいと早めに向かったが、開店40分以上前に一番乗りしてしまった。誰も並んでなくて拍子抜け。
30分前くらいになると、車が1台、2台と増えてきた。
そして開店。
池上は、移転前のお店に何度か通ったことのある好きなお店。
うどん界のレジェンド、るみおばあちゃんは、一昨年に亡くなられたそうで、
代わりに等身大の看板が立てられていた。
池上のもっちりと弾力のあるうどんが好き。
せっかくなので、大(二玉)を釜玉にして食べた。
よく考えたら、好きなお店で食べたら、もう何軒もはしごしなくてもいいんじゃないかと。
後、最後に山田家で食べれたらよいかな。
その後、娘が見つけてた「ヤドン公園」へ。
香川県が「うどん」と語呂が似てる「ヤドン」を推しポケモンとして、PRに活用してるそうで、マンホールやお土産物にも使われてるらしい。
ヤドン公園は、家族連れでにぎわっていた。
よく知らないけど、ヤドンかわいい。
公演の遊具のあちこちにヤドンがいてる。
ピカチュウのベンチもデザインかわいい。
自販機もヤドンとピカチュウ。
その後、見学予約していた渡邊邸へ向かう。
車窓から、ライオンの顔インパクトがすごい幼稚園発見。
そして三木町の渡邊邸へやってきた。
讃岐の豪農、揚家所有だった茶室10のうち5つが移築され、
お茶人であった現当主のご両親が様々に手を加えられ、茶室として使用していた建物。
当主さんに迎えて頂き、ご案内して頂いた。
家族4人で伺ったが、関心があるのは、私だけで・・
と話すと、当主さんも昔は、ご両親が熱心だった茶道には、ご興味がなく、
音楽に没頭されてたそうだが、次第にご両親の残されたこの建物たちを守り、活かそうという考えに行き着かれたのだそう。
そのうち子供たちも、関心を持つようになりますよ、
と言われたが、うちの場合はまずないな;
敷瓦が敷かれた玄関のたたき
丸炉の席。
丸い炉が切られている。
櫛窓の席。
半円の櫛型の窓があり、網代天井が美しい。
鯰魚庵、こちらは当家伝承の建物。
書院には、前当主で茶人だったご夫妻の写真が、火灯窓の両脇に飾られていた。
床框は、普段はカバーが付けられていて、
お茶時に外すと、高台寺蒔絵が施された美しい細工が現れる。
お客さまを喜ばせる仕掛けが随所に見られる。
欄間には、福を呼ぶ蝙蝠の透かし彫り。
障子、斜めに渡した竹が入っていたが、こちらは、障子が歪まないためのつっかえ棒的な役割のものだとか。
お庭へ。
紅葉の落ち葉が一面を埋め尽くしていた。
さぞ見事な紅葉だったのだろうなあ。
紅葉の頃も絶景だっただろうが、枯れ木や落ち葉も風情があって、茶室との相性もよいな。
外腰掛け。
お庭をぐるりと一周。
こちらは、狐月庵。
茶室前の織部のタイルが印象的。
手前の小さな黒味を帯びた石は那智黒石だそう。
タイルは移築時に、前当主のセンスで貼られたものだそうで、
タイルの間に飛び石をめり込ませてあるのも面白い。
何よりこのタイルの色合いが美しい。
一枚一枚、微妙に違うグラデーションの美しいタイル。
雨に濡れると更に輝きを増すという。
狐月庵の中も様々な木材が使用されている。
天井は屋久杉が貼られ、竿縁は、栗の木を手斧仕上げしたもの。
水屋も素敵だった。
鋳物の照明は、桐の文様をデザイン化したものだった。
床下収納の扉には、可愛い瓢箪のくり抜き。
(指を引っ掛けて開ける為のもの)
更に奥にあった茶室、白雲軒。
萩の茎を並べて網代に編んだ天井も圧巻。
無双窓。
かわいい梅の花文様の透かし彫り。
扉の瓢箪形のつまみ。
細かいところまでこだわりが見られる。
更にお手洗いには、床に本業タイルが貼られてた。
透かし彫りの入った建具や照明も美しいな。
このような照明の類は、前当主がひとつひとつ集められたものだそう。
茶室にふさわしい、それほど華美でない小ぶりの照明たち。
最後にお抹茶とお菓子を頂く。
個人の見学は、お抹茶、お菓子付きで1000円と気軽に見学することができ、
全国からお客さんが来られているそう。
当主さんは、建物は、使われる中で生かされると考えられ、
蔵では、バンド活動をされている当主さん自らライブ演奏を行われたり、
茶会などのイベントも不定期で行われている。
昨年に登録有形文化財に指定された建物を今後も維持し、守っていかれるとのことで、
このように建物が生かされ、活用されるのはすばらしいなと思った。
渡邊邸を見学させて頂いた後は、うどん本陣山田家へやってきた。
お昼はとっくに回ってたので、そろそろ空いてる頃かな?と思いきや、庭には順番待ちのお客さんがぞろぞろいてた。
しかし、意外に回転は速いようで、待つことに。
3、40分で順番が回ってきて、うどんにありつけた。
この日は2軒目で、最後にしようと思ってたので、ちょっと豪華な
天ぷらの盛り合わせといなり寿司のついた釜ぶっかけ定食にした。
最後にここのうどんが食べれてよかった。
帰るころには、庭にあふれていたお客さんもすっかりいなくなっていた。
登録有形文化財の本館。
本館の内部。
香川うどん旅、最終的に二日間で、うどん屋は、5軒巡って終了。
昔は二日で10軒巡っていたことを思うと、今回はやや少なかったが、
満足できたのでよしとしよう。