富山&石川の旅、金沢ではまず家族で金沢城へ。
今小6の子供たちには夏休みの宿題に「歴史パンフレット」という課題があって二人は旅先でそのパンフレットネタを探していた。
ちょうどガイドブックで「金沢城には22種類の石垣がある」というのを読んだ娘はテーマを金沢城の石垣巡りに決定。
まずは宿題の下調べがてら金沢城へやって来た。
金沢城へはこの石川門(重要文化財)からアプローチ。
ちょうどボランティアガイドさんがおられて、石垣をメインにガイドをお願いすることに。
金沢城が「石垣の博物館」と言われるくらい多様な石垣があるのは、地震や火災の被害によって修築が繰り返されてきたこと、
そしてデザイン性を考え、場所によって石垣様式を使い分けていることからだそう。
こちらの石川門の石垣は違う年代に修復されたため同じ場所で左右で積み方が違うという珍しい例が見られる。
左側は「打ち込みハギ積み」といわれるもの。
形や大きさをそろえた割石を積み上げる方法。
左よりやや整った感がある右側は「切り込みハギ積み」と言われるもので
石同士を接合部分をすき間なく加工して積み上げる技法。
石垣の断面がどのようになっているのか?が分かるコーナーもあった。
石積みの内側にはこんな栗石と呼ばれる小さな石がぎっしりつまってるそう。
石垣背面の土圧を軽減させると共に浸透してきた水を効率よく排水させる機能があるとか。
表面からみるとあまりピンとこないけど、横からみるとこんな奥行きのある石が積まれているようだ。
一つ一つがこんなに大きいとは・・石垣作りの大変さがうかがえる。
石垣作りには専門の技術者、「穴太(あのう)」といわれる石垣作りのスペシャリストが活躍してたそう。
穴太の発祥は今の滋賀県坂本だそう。
こちらは城内最古の石垣。
野面積みといわれるほとんど加工のない自然石を積み上げる技法で古い時代の石垣によく見られる。
接着剤も使わずよく崩れずに今まで残ったものだなあ~
これもスペシャリストの技なのだろうか。
こういう石垣の隅の部分は崩れやすいので「算木積み」というような長方形の短辺と長辺を交互に積み上げていく
など工夫されることが多いそう。
こちらの三十間長屋(重要文化財)の石垣にも特徴がある。
三十軒長屋は本来は食器類を収めた倉庫だったが、江戸後期には武器や弾薬を納めていたそう。
三十間長屋の石垣は「金場取り残し積み」という「切り込みハギ」の技法で積まれるが
表面の縁どりだけをきれいに揃えて、内側は粗いまま残しておく、などデザイン性を考慮したような石垣が見られた。
そしてこちらは数寄屋敷石垣。
石の表面を長方形に仕上げた切り込みハギで、石材の目が横に通るように仕上げてある。
端正で美しい石垣だ。
こちらは土橋門石垣。
切り込みハギの技術が用いられ、中には六角形の石(亀甲石)が混じっている。
亀甲石は水に親しむ亀を表し、防火の願いが込められているとか。
玉泉院丸鼠多門周辺の石垣は趣向を凝らした切り込みハギの技法で縦長の石やさまざまな形の石をバランスよく配した
色紙短冊積みという表情豊かな石垣が見られた。
二の丸北面石垣は形や大きさをそろえた割石が積まれていて、打ち込みハギの中でも最も完成されたものといわれてるそう。
炎天下の中、1時間くらいに渡ってガイドさんが丁寧に説明してくれて、親子共々にわか石垣に詳しくなってしまった。
石垣はまだまだお城の外回りにもたくさん見られるそうだけど、全部周るには相当な時間がかかるとのことで
この辺で切り上げることに。
そんなこんなでちょっと小6の宿題には石垣は地味なテーマかも?と思われたけど、
娘もまあまあ楽しみながら?パンフレット作りは無事終了。
問題の息子の方は・・ラッキーなことに塾の先生が二日に渡って息子と一緒にインターネットで調べて、
下書きをしてくれて・・と大阪城のパンフレットが出来上がってた!
息子には自由研究のレポートをこっちがお膳立てした通りに書かすだけでも大変だったので、助かったぁ~