毎年、この時期に会う友人家族と今年は千里阪急ホテルでランバイキングの予定だったが、友人の都合が悪くなり、家族四人で出かけることになった。
ランチももちろん楽しみだけど、目的のひとつは、何度も訪れてはいるが、2026年に閉業が決まっている千里阪急ホテルの建物をまたじっくり見ておきたかった。
まずはレストランシャガールでランチバイキング。
コロナの為か、バイキングは、大体の料理はその場でお皿に取り分けてもらうシステムになっていて、やや窮屈感はあるけど、安心。
スィーツもひととおり。
分かってはいたけど、やはり食べ過ぎてしまった・・
この後、反省して、帰りは一人で歩いて帰ることに。
食後、家族でホテルを見て回りたかったのだけど、
子供たち二人は相変わらず全く興味がないので、車で待っているという。
旦那も嫌がったが、せめて自分の結婚式を挙げたチャペルくらいは、
今後二度と見れなくなってしまうのだから見ておこうと、無理やりついてきてもらうことに。
(チャペルの見学は事前にお願いしていた。)
ゆったりとした吹き抜けのあるロビー。
アーチ越しに見える階段。
フロントに貼られてるタイルは、自然の葉を押し付けて作った葉脈が浮き上がったタイルが所々貼られている。
ロビーや廊下の床面に貼られているタイルは押し出し成型により作られたもので、手作り感があり、あたたかみが感じられる。
貼り方も場所によって使い分けられ、バリエーションに富んでいて楽しい。
床からの立ち上がりはアールのついた役物タイルやモールディングタイルが
使われ、細部に渡り、丁寧な仕上がり。
ロビーにある天窓。
館内のあちらこちらに見られるクラフト感のある鋳物の細工いろいろ。
階段に入れられた飾り格子は、鳥と木々が表されていて、場所により微妙にデザインが違う。
チャペルの扉の引手や、燭台、持ち送りなど、きらりと光るデザインがあちこちに。
手吹きガラスの照明器具や蝋燭を模した照明など、ユニークで可愛い。
ホワイエにある真っ赤な絨毯の敷かれた大階段。
階段の踊り場にあるステンドグラスは作野丹平によるもの。
夕暮れのような雰囲気の赤。
この階段の雰囲気にぴったり。
もう一か所、西館2階の階段ホールにあるグリーンのグラデーションが素敵なステンドグラス。
どこかで見たタイル使いだな、と思ったら、村野藤吾の目黒総合庁舎 →
☆のガラスモザイクの作者と同じだった。
そして、私たちも20ウン年前に式を挙げたアイビーチャペルへ。
三浦啓子氏のステンドグラス、ロクレールが入口周りにも、祭壇頭上の天窓の十字にも、両サイドの窓ガラスにも使われている。
御影石と木に囲まれたチャペル。
祭壇は建築当初とは少し変わったそうだけど、他は全てオリジナルのままだそうで、全く古さが感じられなかった。
そして、そのチャペルのすぐそばの、私たちが披露宴会場に使った樹林の間も
お願いして見せて頂いた。
アーチ窓の外の緑が目に入るこの会場が気に入って選んだ。
懐かしい・・思ったより広い。
照明がこんなデザインだったのは知らなかった。
花びらのような、短冊のような面白いデザイン。
そして、もう一つあるチャペル、クリスタルチャペルへも案内して頂いた。
こちらはアイビーチャペルより、3年新しい1994年に建てられたもの。
光と水をテーマにしたチャペル、入口周りはやはりロクレールのステンドグラスで、透明でシンプルなもの。
入口頭上にはモザイクタイルも見られる。
中にもロクレールのステンドグラスが部分的に使われ、壁面にはタイルと合わさった鋳物の蝋燭立てが可愛く温かみがある。
まだまだ魅力がいっぱいの千里阪急ホテルの詳細は、前回参加した見学ツアーを記録したブログにて→
☆ショックだったのは、前回見学ツアーの時は2026年閉業で、その後の建物はどうなるかは決まってないと伺っていたが、
昨日は、更地になる、というのを聞いてがっくり・・寂しいという気持ちが沸き起こってきた。
最後は一人で残ってじっくり建物を味わい、思う存分写真を撮り、
今年の建築&タイル巡りの締めくくりとした。
まだ後、4年あるので、これからも度々訪れたいと思う。