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イケフェス 、2日目は2つ目に当たった輸出繊維会館のガイドツアーへ参加してきた。
輸出繊維会館はエントランスホールのモザイク画しか見たことがなかったので、この日は内部見学を楽しみにしてた。
昭和35年に村野藤吾により設計された輸出繊維会館は、一見モダニズムのシンプルな建物に見えるが
話を聞くにつれ、あちらこちらに村野藤吾らしいこだわりのある建物だったんだなあと実感できた。
外観はアルミサッシを使った平面的な窓枠とモダニズム建築では通常使用しないという大理石のトラバーチンとが
組み合わされモダンさと装飾性が兼ね備えられたものに。
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建物のコーナーの壁は人の背の高さまでは、面取りされているなど細やかな心遣いが見られる。
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エントランスホールに入ると、波打つ壁面に堂本印象のモザイク画が圧巻!
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色鮮やかなモザイク画が左右両壁面に描かれている。
玄関ホールという人の注目の集まる場所には華やかにと、メリハリをつけて設計されたという。
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モザイク画は鳥のようにも見えるし、海藻のようにも見える抽象画的なもので、
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近くに寄ると、一粒一粒のガラスモザイクがきらきらと、美しい色合いを放っていてうっとりしてしまう。
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モザイク画の入口に近い隅っこには印象のサインがモザイクで入れられてるのは、知らなかった。
堂本印象といえば、以前に京都の堂本印象美術館へ訪れたことがあり、自らが設計したという爆発的な?デザインの美術館
に感激したことがあった→☆
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モザイク画と共に、大きな見どころの一つはこの階段。
うねる壁面に沿って優雅な弧を描く階段。
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ここから見る手摺はまるで新体操のリボンがくるくると舞ってるかのよう。
これが木で表現されているとは!
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建築の中で唯一、人の手に触れるのは手摺やドアノブだということで、
村野藤吾は特にそれらのデザインにはこだわったのだそう。
薄く華奢な手摺は、握ってみると手にフィットしてとてもなじむ。
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階段の一番下の段は宙に浮いてるようなデザインで軽やかさがうかがえる。
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ベニヤ板の壁に囲まれた落ち着いた雰囲気のサロン。
右手には会議室は3室並び、左手には大きなホールが設けられている。
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サロンの正面には、エントランスのモザイク画と同様、堂本印象のタペストリーが。
やわらかい色調のタペストリーが上品で華やかな雰囲気を部屋に与えてる。
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天井には丸い形の照明。
丸い穴がたくさん集まった不思議なデザイン。
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こちらはグラスファイバーでできているのだそう。
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サロンに置かれた椅子などの家具も村野藤吾の設計のもので座り心地もよく、
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デザインにもこだわりが見られ、すっきりとした華奢な可愛い椅子の脚が見られる。
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衝立も布貼りと編んだ籐でデザインされたもので美しい。
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なんと、ドアノブは、引いて開ける側と、
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押して開ける側とではデザインが違っているのだ。
引きやすい形、押しやすい形を考えて作られたものだそう。
更に、手に触れる部分が冷たいと不快だからと、アクリル素材のものが用いられてるという。
気配りが半端ないなあ。
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会議室はベニヤ板で囲まれたシンプルな空間にシャンデリア
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シャンデリアは北欧っぽいデザインに見えなくもない斬新なもの。
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こちらのひじ掛け椅子も座りやすそう。
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少し広めの会議室。
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このゴージャスなシャンデリアが少しミスマッチ感。
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桜の花びらを模したという椅子の背もたれのデザイン。
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そしてこちらは大ホールの前室。
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壁面は大きくうねり、天井もゆるやかに変化がつけられている。
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このテーブルもいいなあ、薄づくりの天板は、縁がくるっとまるまっている。
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シンプルな大ホール
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装飾が入れられた梁。
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なんでもない衝立だけど、脚つきとか縁のデザインだとか、村野藤吾がにじみ出てる・・
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そしてこちらの階段手摺のデザインも又不思議。
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手摺の返しも
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廊下や階段のベニヤ板の壁のなにげない曲面も美しいなあ。
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地下のホール。
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壁に造り付けの時計。
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一見普通のガラスの衝立っぽいものも、
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ガラスとフレームの木との間に隙間を開けるこの隙間が丁寧で、村野藤吾らしいと。
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あちこちにあるさまざまな家具?什器類?もとても興味深い。
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別の村野藤吾の建物でも見たことがある、この傘立て。
装飾性と機能性を兼ね備えてるなあ。シンプルながら美しいデザイン。
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屋上へも。
こちらの塔屋の壁面は後ほど、改修されたものだそうで、
この壁面の下には村野藤吾オリジナルのガラスモザイク壁画があるという。
それは黒いモザイクに桜の花びらを散らしたという日本画のような雰囲気のものだそう。
うわぁ、見てみたいなあ。
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塔屋の上に2本立った避雷針も網かごのようなデザインに。
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フェンス周りにも、特に用途はないがちょっとしたデザインにこだわったものがいろいろ
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屋上階の時計
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そして最後に西玄関へ。
アルミ板で作られた多角形の庇が独特。
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解説付きで見学できて、あちこちに見られる村野藤吾の細やかな気配りや 、
建築と家具が一体となった美しさを体感することができて、大満足なツアーだった。