丸万商会さんを経て、平田会長さんにご案内されたのは、126年の歴史のある会社、寿山(丸仙化学工業所)さん。
社長さんにお出迎え頂いた。
事務所前には様々なタイルのサンプルがあり、
サンプルの中には、布目タイルもあるではないか。
お話をお伺いすると、なんと泰山タイルの下請けもされていたという。
もしや、あの立命館大学の布目タイルも・・?
とお聞きすると、作ってました。と、しかもあのいくつもある校舎
の8割方を下請けで作られていたとのこと。
ええっ!ここで作られていたの~~~?!
あの大量のタイルは、どこで作られていたんだろうか?と常々疑問に思っていたのだが、
会長さんに、何の前フリもなく連れてこられたこちらの会社が
泰山タイルの下請けをされていて、しかも立命館大学のタイルを作っていたなんて・・なんというお導き?!
泰山タイルだけでなく、大仏タイルも作られていたのだそうで、、
すごい会社にやって来たようだ。
現在も、湿式の押出し成型により、人の手の加わるタイルづくりをされているそう。
実際の立命館大学の布目タイルのサンプル。
紫がかった赤茶色の上品な色合い、「赤失透」
これだ~!
工場も見学されますか?と聞かれ、
もちろん!
と、案内して頂くことに。
寿山(丸仙化学工業所)さんでは、土づくりから自社で一貫生産をされている。
岐阜県美濃地方の粘土を中心に、岡山県の陶石などをブレンド、こちらにあるようなリサイクル品も交え、14種類もの原料を混ぜ合わせ、オリジナルの土を作られているという。
やきものの色合いは、釉薬だけでなく、土と釉薬の相互の作用により決まるということ、その為土づくりが大切であることを知る。
こちらは、原料を細かく挽くフレッドミル。
布目タイルは、粘土とドンゴロスの布をサンドして、ローラーで
圧力を加えて作られているそう。
押出し成型の為の様々な金型。
製品が押出され、カットされているところ。
完成品、釉掛け前、乾燥前。
乾燥後、釉掛けされた後は、一枚一枚、手作業でこちらのさやに入れられ、
トンネル窯で38時間かけて焼成される。
出来上がった製品たち。
表には、試行錯誤されながら開発中のタイルがずらりと並ぶ。
見たことのないような表情のタイルも。
現在販売中の布目タイルとスクラッチタイルのバリエーション。
こちらは、縁を手でちぎって風合いを出されたという商品。
土の質感や手作りの風合いも良いなあ。
さまざまなサンプルが貼られた壁面。
昔作られていたという印花で模様をつけたおもしろいデザインのタイルも
世界的な高級ブランドの店舗に使用される立体感のあるタイルは
湿式の押出し成型でしか実現できない複雑な形。
半円状のめくれ上がった部分はすこしずつ角度が違うため、それぞれに金型が必要なのだとか。
こちらも高級ブランドロエベの店舗用の試作品。
色に対して妥協しないブランド側に応えていく苦労も。
事務所兼ギャラリー。
タイルだけでなく、器も製造販売されている。
床のタイルも素敵だった。
展示のボーダータイルは、どれも好きな雰囲気。
泰山製陶所のタイル見本も。
泰山製陶所のカタログなども見せて頂いた。
右端には、喫茶フランソアと同じデザインの八芒星のタイルも。
社長さんの古いタイルのコレクション。
この窪みのあるタイルは、何度か見かけたことある。
この窪みのあるタイルは、何度か見かけたことある。
こちらのタイル壁の塊は、京都の和菓子店、大極殿本舗本店のタイル。
手の込んだ覆輪目地が入れられている。
こちらのタイルの復元も手掛けられたという。
復元されたタイルのサンプル。
そばにあった旧小学校の校舎を曳家で敷地内に移築した建物は、
今後ギャラリーとして整えられるそう。
お手洗いのタイルが、これまた素敵だった。
腰壁のボーダータイルと床のタイルの色味が美しく、
上部はオフホワイトの布目タイル。
女子トイレは色違いのグリーンが基調に。
一通り見学させて頂き、寿山さんのものづくりへのこだわりや情熱を感じ、
このように今でも手仕事を大事にしたものづくりをされている会社があるのだということを知って感激した。
この後は、寿山の社長さんに多治見駅まで車で送り届けて頂き、
無事帰途へつくことができた。
タイル三昧の一日、各所で貴重なお話をお伺いすることができて、実り多き一日だった。