旧西村写真館は大正10年に建てられた洋風建築で、当主自らが設計施工されたという。
先ほど、マップに載っていた連絡先に問い合わせると、見学させて頂けることになり、ご主人とこちらで待ち合わせしていた。
軒の飾りが華やかでかわいい。
写真館らしく華やかで夢のある外観だなあ。
外観を撮影していたら、ご主人が自転車に乗ってご近所から駆け付けてくださった。
玄関扉を開けて頂くと、カウンターが置かれた受付スペースがある。
外観の洋風さとうって変わって、玄関周りはこんな丸窓がはまっていて、和風の印象。
1階の生活スペースは和風の造りになっている。
外から見ると軒に隠れて目立たなかったが、玄関扉上部にはこんな色ガラスが入っていた。
写真館として使用されていた2階とのことで案内して頂いた。
階段を上がってすぐの部屋は待合室に。
細かく桟が入った明るく大きな窓と大きな鏡が壁面に貼られている。
モダンな家具と写真の見本が並ぶ待合室。
ここでお客さんは鏡を見ながら撮影前の身なりを整えたのかなあ。
当時のガラス扉。
こちらが撮影場。
撮影室は北向きの安定した自然光が入る造りになっているそうで、
室内は北向きに広く取られた窓からの光が入ってとても明るい。
当時使われていたカメラや
大きなスポット照明、
背景のスクリーンも様々残されている。
自然の森の風景から、
こんな和室の背景まで。
当時はこの機械を使ってスクリーンを交換されていたそう。
現在写真館を守られているご主人のお父様と叔父様が写真館を営まれていたと伺った。
そして目を惹くのは撮影に使われていたという様々なデザインの椅子。
形や色がどれも素敵で可愛い!
レトロで楽しい椅子がいっぱい。
優雅な形のソファも。
ちょうど去年、フリーペーパーの撮影で山形出身の橋本マナミ親子が来られ、こちらの写真館で撮影されたとか。
後ほど冊子を見せてくださると、和風のスクリーン背景にこの椅子に座っての写真がとてもいい雰囲気だった。
こちらの写真館が会場となって、演奏会や展覧会などイベントも時折開かれているという。
現像室として仕切られていた部屋の扉上部にはこんな和風の欄間が入れられていたり、
和洋折衷のデザインが面白い。
部屋の片隅にはこんなレトロなストーブもあった。
時が止まったような写真館の内部空間にじっくりと浸ることができた。
ご主人には親切に案内して頂き、いろいろとお話も伺うことができてよかった!
どうもありがとうございました。
西村写真館の近くにある、こちらは大正元年に建てられた吉池小児科医院。
なんと現役の医院。
西村写真館へ行く前に立ち寄ったら、この日も診療されているようだったので、
後ほど又伺おうと思っていたら、後で訪れた時にはもう閉まっていた。
ガラス越しにみたところ、内部もすばらしい雰囲気のようだった。
そして最後に訪れた旧市島銃砲火薬店。
江戸時代から火薬を扱っていた商家だとか。
建物は昭和2年に建てられた山形で最初の鉄筋コンクリート造店舗建築だそう。
この後はレンタサイクルの返却時間がぎりぎりになっていたので、連絡を入れて慌てて駅前へ直行し返却。
猛暑の中、2日間のサバイバル?!建築巡りはようやく幕を閉じた。
予定通りのノルマを果たし、完全燃焼!
再び夜行バスで大阪へ戻ったのだった。