京の夏の旅、特別拝観へ去年一緒に行った友人Tちゃんを誘って訪れた。
今回訪れたのは今年初の公開になったという櫻谷文庫 木島櫻谷旧宅。
ちなみに去年訪れたのは
並河靖之七宝記念館と
南禅寺大寧軒
櫻谷文庫は日本画家、木島櫻谷の元住居であった建物で、母屋の和館、収蔵庫兼展示室の洋館、そして80畳の畳敷きアトリエからなる。
大正2年建築で2007年に登録有形文化財に。
この衣笠の地は自然が豊富で木島櫻谷が日本画の題材として好んだ地だったそうで
櫻谷が大正2年に転居したのをきっかけに数々の日本画家たちがこの地に移り住み、「衣笠絵描き村」と呼ばれるようになったのだそう。
建物はその自然を取り込むかのように四方が窓になっていて、かつては北は衣笠山、東には東山三十六峰が見渡せるようになっていたそう。
東山三十六峰を模したという欄間。
竹を好んだ櫻谷の随所にこだわりが感じられる二階客間。
床の間の天井にはポイントにさりげなく煤竹が用いられていたりする。
竹を渡し、角を丸くとった垂れ壁?なども風流。
もともとあった家具だそうだけど、籐の家具が多く見られた。
これは子供用いすかな?かわいい~
そして洋館の方へ。
蔵造りのような洋館は木骨煉瓦造りでできている。
洋館ながら入口扉は引き戸に。
息をのむ美しさだったのはこの螺旋階段。
美しく弧を描く。
階段を上がったところ。
二階展示室は撮影禁止ということで写真はないけれど、とても素敵な空間だった。
もともと作品の展示や商談などに使われていたというお部屋は洋館ながら和の要素が加わり櫻谷の日本画ともうまく調和を保っていた。
そしてこちらの部屋でも竹をモチーフにした腰板があって、
自然に生えているかのような竹林のようなデザインが面白かった。
もともとは2000坪あったという敷地。
当初はこんな風に広大な庭園があったそうだけど、今は一部テニスコート、一部マンションなどに。
そしてその敷地内に建つアトリエ。
画室として絵画制作や弟子たちの指導にあたる場所として使われた。
床下が妙に高いなあと思ったらもともとこの下には池があったのだそう。
こちらは外観のみしか見学できないと言われていたが、たまたま説明を聞いた方が中も見せてくださった。
外観から見ると一見二階建て?に見えるような建物は内部は天井の高い平屋建て。
大きく窓が採られていて明るく、80畳と広い大画室は道場のよう。
アトリエとして使われた後は幼稚園や図書館、絵画教室などに利用されてきたそう。
入口に貼られたリノリュームの床は建築当初のもの。
畳が貼られる前は全面リノリュームだったとか。
日本画家、木島櫻谷のこだわりの住宅を堪能することができた~