吾妻線<万座・鹿沢口駅>付近で莫高窟(?)に出会った
渋川駅から終点大前駅まで通じているJR吾妻線は、吾妻渓谷沿いにゆったりと走る昨今はやりのスローライフ満喫路線である。
沿線に点在する温泉群へのアクセス拠点としても親しまれていて、四万・沢渡・川原湯・草津・尻焼など主だったものを並べるだけでも温泉天国群馬の面目躍如といったところだ。
終点一つ手前の<万座・鹿沢口駅>からは、よく知られた万座温泉のほか東部湯の丸高原にある鹿沢温泉などがあり、春夏秋冬どの季節でも自然のたたずまいが楽しめると評判である。
景観だけではなく、このあたりは高原野菜で有名な嬬恋村が控えているので、直売所や売店で新鮮かつ安価な野菜がたくさん手に入るはずである。
トウモロコシやブルーベリーを買い求めていく観光客は、もう一つの満足を得て夏のよき思い出に加えているに違いない。
たしかにローカルな路線であり、ローカルな風物がのんびりと広がっている。意気込んで訪れる場所ではなく、自分を解放するのにふさわしい風と空気の棲み処なのかもしれない。
そうした中、<万座・鹿沢口駅>近くから<大前駅>方面に連なる古い地層の崖を写真に撮ってきた。
線路に沿って林立する電柱と電線が写りこんでしまうが、それさえなければシルクロード莫高窟を髣髴とさせる(?)風景である。
風雨に浸食された切れ目や穴が、あたかも人為的な洞窟に見えて感興を呼ぶ。敦煌に行った人には笑われそうだが、心のうちで手を合わせた。
実はこの日急に歯が痛くなって、歯医者に行った帰りである。
家からクルマで30分以上走らないと治療してもらえないから、痛みが薄れて余計にありがたみを感じたところだった。
莫高窟に見立てて仏心を刺激されたのには、そんな事情があったのかもしれない。
あまり有名でないローカル線は、わたしも大好きです。紹介されたのも、そのひとつだろうと思います。
渋川まで行けば乗れるんですね。
しかし、筆者はお気の毒に歯痛のため、クルマで医者に向かったとか。
その帰り道、「仏心」が湧いたとか。なぜか、それが景観の素晴らしさを言い表しているようです。
「莫高窟」を「ばくこうくつ」と読むのかどうか、戸惑ったのはお恥ずかしい。