さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

ゴールウェイへの暴走バス

2011年04月22日 | アイルランド

    
 スライゴーから南へ下って次の目的地、ゴールウェイへ向う。ここは長距離バスで移動だ。スライゴーを出発すると、まだ街中を走り出したすぐなのに、おばあさんが手を挙げてバスを止める。特に停留所でなくともバスは止まるらしい。

 入り口のステップを登るのに大変時間がかかる。1段に1分のスピードだ。運転手の脇に立って手すりにつかまると、バスは走り出した。座らないのか???と疑問に思うか思わないかのうちに、それは解消した。約50mも走ったかと思うと、バスは停車し、おばあさんは降車した。また下車するのに3分停車だ。もし座っていたら、10分停車になっていただろう。買い物袋を持っているところを見ると、自宅からすぐ先の雑貨店で買い物をしたらしい。それに合わせて一日数本の長距離バスを使っていたのだ・・・。これから3時間を越える長旅をするというのに、いきなり気が遠くなる。

 しかしバスは街を出ると、いきなりスピードを上げた。ゆるやかなカーブと丘が続く長い道のりを、運転手は攻めに攻めた。なんとカーブではタイヤを鳴らし(マジ)
、直線ではフルスロットル。エンジンは激しいうなり声をあげた。反対車線に入り普通乗用車を次々に追い越してゆくハンドルさばき。ほとんど逃亡犯の暴走だ。カーブでは耐えられないほどの遠心力が襲いかかり、道路が上下するところでは体が宙に舞う。後部席に陣取ったのが間違いだった。他の乗客はすべて前方から前に詰めて座っている。そういうことだったのか・・・。

 それでも時折バスが街なかに入ると、スピードは下がった。老人がカタツムリのように道路を横切っているからだ。道端では三角形の道路標識が立っており、“Old
People”と表示され、シルエットで老人が杖をついている。日本にもありますよね。ランドセルを背負った子供のシルエットで「通学路」というやつ。高齢化が進む日本にも「老人」の標識が登場する日が近いかもしれない。

 ところでケルト文化の民話には、よく妖精が出てくる。日本のオバケと違って生きている人間をおどかすこともなく、それほど恐れる必要はないらしい。しかし妖精を怒らせてしまうと、いたずらやしかえしをされることがあるという。妖精はいつも決まった道を使うので、そこを人間が横切るときには、邪魔をしないように気をつけなければならないそうだ。そこでとある場所には、「妖精注意」という道路標識があるとか。どんな絵が描かれているのだろう?それを見つけるのを楽しみにしていたのに、このバスのスピードでは外を眺める余裕を与えてはくれなかった。運転席に、「暴走注意」の標識だろうよ…。



スライゴーの近くにあるイエイツが愛した「ベンブルベン」という山。高台のような形をしていますね。


アイルランドでは山岳地帯はほとんどなく、このような丘 or 山があります。



コメントを投稿