写真の三菱の車でまだ価格は400万円ですが、このクラスの従来車が150万円とすると、その価格差の250万円のうち100万円が国の奨励補助金、そして地方では税金面の免除などで50万円くらいが差し引かれ、約100万円ほどに価格差が圧縮されるという説明でした。電気自動車では燃費が1円/1kmで、一方ガソリン車は17円/1kmという条件で乗り続けると、8年ほどでトータルで並んだ後は電気自動車が俄然有利になっていくということです。ちなみに充電池は10年の間は性能が落ちることはないということでした。
20年近く前になりますが、友達と3人でヨーロッパ・バイク・ツーリングをした時に訪れた、スイスのスキーリゾート地として有名なチェルマットの街では、一つ手前の駅で自動車やバイクを駐車場に止めさせられ、電車に乗って街に入らなければなりませんでした。街中では電気自動車だけが使用を許されていました。それは排気ガスにより美しい自然を守ることが街の観光事業の命であり、そこまでこだわる姿勢がリゾート地としての価値を高めていたからです。マッターホルンを仰ぎ見ながら、特別な地域とはいえヨーロッパの環境意識の先進性に驚いたものでした。
量産効果により価格設定も技術も戦略競争のステージに上がっていくことも予想されます。つい最近まで電気自動車が普及するには10年くらい掛かると言われていましたが、環境を汚しにくいということも含め、この原油高が一般消費だけでなくそういった社会を変えていく推進力にもなっているというのはとても興味深いことでした。