昨日ご紹介した作詞家の阿久悠さんの『作詞入門』(岩波文庫版)には、「私の歌謡曲論」という文章が追加挿入されているのですが、それがこの新書判の『書き下ろし歌謡曲 』から転載されたものだと奥書に書かれていました。
店頭で少し開いてみると100篇の新しい歌詞が、10のジャンルに分類されて書き下ろされている本でした(なんと20日間で書かれたようです)。そしてその2作目に載っていた『迷い猫と迷い女を同時に拾って』という歌詞が、どこか発想が僕のオリジナル曲『小さなワルツ』と共通する感じがあり、興味を持って買い求め読んでみることにしました。
男と女と迷い猫が一緒に暮らすという設定は似ていても、もちろん随分と違った歌の世界になっています。うらぶれた雰囲気としては僕の『SEPIA』という曲の、男と女の関係を醸し出しているものが合わさったような感じかも知れません。
しかも『迷い猫と迷い女を同時に拾って』はヌーベル・シャンソンに分類されていて、僕の『小さなワルツ』が女性シャンソン歌手に歌って貰いたいとしているのに共通していて不思議な縁を感じます。
もちろん『迷い猫と迷い女を同時に拾って』が1997年初版に載っており、『小さなワルツ』は5年前に作った作品ですが、別にこの書き下ろし歌詞本を参考にした分けではありません。考えてみれば男と女と迷い猫というのは意外に「歌謡曲」の定番なのかも知れません。
いつか阿久悠さんの『迷い猫と迷い女を同時に拾って』にも、僕が曲を付けさせて頂くのも面白いかと想っています。
![]() | 書き下ろし歌謡曲 (岩波新書) |
クリエーター情報なし | |
岩波書店 |
☆ 東日本大震災・津波復興支援チャリティーソング にご協力お願いします!