8月19日の深夜にNHK『佐野元春のザ・ソングライターズ』(関西地方再放送)に出演したトータス松本さんは、楽器をぎりぎりまで持たずに歌を作られるようです。フック(リスナーの心を掴む)となる言葉とメロディーが同時に浮かぶことが多く(『ええねん』など)、後は一気に歌詞を膨らませ曲が出来上がると言われていました。ギター(楽器)はバンドのメンバーに聴かせるためのプチ・デモを録音する時に鳴らして歌われます。言われてみれば確かに僕も同じようなプロセスで作った想い入れのある歌は多いです。
一方、以前に買ったギタリスト視点で書かれた作曲の参考本『即・楽・快!』を読み返していたら、山崎まさよしさんがSMAPに楽曲提供してスマッシュ・ヒットとなった『セロリ』は、得意なブルース・ギターの循環コードを鳴らしながら、スティービー・ワンダー風のフェイクで遊んでいたら曲が降りて来たということでした。またその多くはいわゆる曲先で、後から歌詞を乗せるのに苦労することが多いとも言われています。まったく作風の違う個性的な2人のシンガー・ソングライターですが、その歌が生まれてくるプロセスが反映している面も感じ取れます。
ただし、それは実際にはそれぞれのアーティストの傾向やスタンスであり、全ての曲がそのように作られているとは決して想いません。振り返ればソングライターの端くれである僕自身の場合でも、トータス松本式の歌作りもあれば山崎まさよし的にギター・コード進行に乗せて、適当に鼻歌フレージングを楽しみつつ曲を紡ぐという時も、そしてその合わせ技のようなケースが一番多いかも知れません。
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