青梅市塩船に東国花の寺百ケ寺の一つで、真言宗醍醐派の別格本山の寺院の「大悲山塩船観音寺」はある。創建(伝)は大化年間(645-650)、本尊は十一面千手千眼観世音菩薩である。塩船とは周囲の地形が小丘に囲まれ船の形に似ており、仏が衆生を救おうとする大きな願いの船である「弘誓の船」になぞらえている。すり鉢状の広大な境内を「山門」(仁王門=切妻造)から入り、「阿弥陀堂」(寄棟造)、「大杉」、興隆の名残が窺える「薬師堂」、「弘法大師堂」、室町時代後期に建てられたという「本堂」(観音堂=寄棟造)、「稲荷社」、「七社権現社」、「鐘楼」、「交通安全祈願堂」、「不動明王像」、「護摩堂・本坊」、裏手の丘に「観音像」が建ち並ぶ。当寺は関東八十八ヶ所72番札所でその御詠歌は「わすれずも みちびきたまえ かんぜおん ぐぜいのふねに のりていたらむ」。また当寺は東国花の寺百ヶ寺 東京13番「花の寺」としても名が知れ特に5月の本堂横・裏の斜面一帯に咲き誇る「ツツジ」は壮観で見応えがあるらしい。およそ300株の萩があり、白い花をつけるシラハギ、ピンクの花が美しいミヤギノハギ、ヤマハギ、マルバハギと四種類のハギが次々に花を咲かせる。訪れた日は白、赤の「萩」の花が見ごろを迎えていた。(1409)



















