大田区池上一丁目に日蓮宗総本山で「日蓮入滅の霊場」として日蓮宗の十四霊蹟寺院のひとつとされ、また「梅の名所」として知られる「長栄山大国院本門寺」はある。古くより「池上本門寺」と呼ばれている。創建は1282年(弘安5年)。本尊は三宝尊である。安藤広重の江戸百景や江戸均衡八景が描かれているの上でも貴重と言われる「総門」、加藤清正が寄進した「此経難持坂」(96段の石段)を上る行くと、中心伽藍へ入る重要な門の「仁王門」(入母屋造り=三門)を抜けると本門寺境内の正面には日蓮上人を祀る堂々と聳えるのが「大堂」(祖師堂)である。昭和39年建立、鉄筋コンクリート造り、入母屋造り、本瓦葺で間口15、間、奥行は16間、広さは240坪、棟高27.27mである。全体的に朱塗りでその威厳ある堂々たる姿、荘厳さと威容誇る「大堂」には圧倒されるばかりである。内陣中央の大型御宮殿に日蓮聖人の祖師像を奉安、向かって左に第2世日朗聖人像、右に第3世日輪聖人像を安置している。まだ60年しか経っていない建造物であるが、総本山に相応しきシンボル感が漂っている。(1708)
大田区池上に大坊本行寺、照栄院と共に池上本門寺子院、池上三院家の一つ「妙祐山理境院」はある。1321年(元享元年)池上本門寺3世日輪聖人の住坊として「久成院(庵室)」を開創が妙祐山理境院の興りである。後に江戸時代、延宝年間(1673-1681)檀越長澤氏の母理境院妙性日貞尼の寄進の法功を称え「理境院」と改称した。本尊は三宝尊。池上本門寺の総門内左に鮮やかな朱塗の「山門」が構えられている。「山門」前には両山三世、当山開基「日輪上人草庵跡」の石柱が建てられている。山門を抜けると正面に「本堂」、境内は手入れの行き届いた緑の芝、ピンクのサルスベリの花と色鮮やかな寺域を創り格式の高さを窺わせていた。(1708)