伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ぼくは夜に旅をする

2009-08-14 23:00:24 | 物語・ファンタジー・SF
 8年前に母親を失い父親と住む14歳の少年ジャックが、交通事故にあった後、母親との想い出の地ニューヨークに行き駅で知り合ったゴーストの少女ユーリに案内されて地下の黄泉の国を訪れてゴーストの世界を冒険し楽しみながら母親を捜し、自殺したことを後悔している少女ユーリを連れ帰ろうとするファンタジー小説。
 ゴーストは地下の黄泉の国にいるが夜の間は噴水を通じて人間界に現れることができるが人間はゴーストを知覚できない、黄泉の国に通じるトンネルがあるが生きている人間は渡し守に渡す特殊なコインがないと黄泉の国に入れず、黄泉の国に入ったことがばれると3頭犬ケルベロスに喰われるという設定。
 強気で、しかし陰のある少女ユーリが魅力的で、ジャックのユーリに寄せる思いが切ない。その部分では青春恋愛小説としても楽しめます。
 ユーリの母アナスタシアと父ルイスの愛と冒険、ユーリを人間界に連れ帰ろうとするジャックの冒険は、エウリュディケを黄泉の国から連れ帰ろうとするオルフェウスの神話をベースにしています。至るところでラテン語や詩が引用されることと合わせて、本来はギリシャ・ヨーロッパの古典の素養が要求される読み物なのでしょうけど、そうでなくても単純なゴーストファンタジーとして楽しめます。


原題:THE NIGHT TOURIST
キャサリン・マーシュ 訳:堀川志野舞
早川書房 2008年10月25日発行 (原書は2007年)
エドガー賞最優秀ジュヴナイル賞
コメント (1)
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あなたは、だまされている!

2009-08-14 22:14:55 | 実用書・ビジネス書
 悪徳商法の紹介と騙されないための心得を説く一般人向け啓蒙書。
 著者は放射線防護学の学者なのに、何故こんな本をと思ったら、趣味がマジックで騙しの技術についてあれこれ考えてきた経験からって・・・。
 詐欺商法の紹介は、警察庁・警視庁や国民生活センターのHPの記載とかの受け売りだし、騙されやすい人のタイプとか騙されないコツとして書かれていることも、ありきたりです。ただ素人が書いているだけあって、やさしく読みやすいのは利点といえるでしょう。
 この著者のアプローチでユニークなのは、騙されているというか迷信に凝り固まっている人を説得するのに、それを否定しないで「占い師」として相談にのるとか、神社でお祓いをしてもらってから説得するとかをやってみていること。そのあたりはなかなか現実的ではないけど、一つのやり方として傾聴すべきかも知れません。


安斎育郎 主婦と生活社プラチナブックス 2009年6月1日発行
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