8年前に母親を失い父親と住む14歳の少年ジャックが、交通事故にあった後、母親との想い出の地ニューヨークに行き駅で知り合ったゴーストの少女ユーリに案内されて地下の黄泉の国を訪れてゴーストの世界を冒険し楽しみながら母親を捜し、自殺したことを後悔している少女ユーリを連れ帰ろうとするファンタジー小説。
ゴーストは地下の黄泉の国にいるが夜の間は噴水を通じて人間界に現れることができるが人間はゴーストを知覚できない、黄泉の国に通じるトンネルがあるが生きている人間は渡し守に渡す特殊なコインがないと黄泉の国に入れず、黄泉の国に入ったことがばれると3頭犬ケルベロスに喰われるという設定。
強気で、しかし陰のある少女ユーリが魅力的で、ジャックのユーリに寄せる思いが切ない。その部分では青春恋愛小説としても楽しめます。
ユーリの母アナスタシアと父ルイスの愛と冒険、ユーリを人間界に連れ帰ろうとするジャックの冒険は、エウリュディケを黄泉の国から連れ帰ろうとするオルフェウスの神話をベースにしています。至るところでラテン語や詩が引用されることと合わせて、本来はギリシャ・ヨーロッパの古典の素養が要求される読み物なのでしょうけど、そうでなくても単純なゴーストファンタジーとして楽しめます。

原題:THE NIGHT TOURIST
キャサリン・マーシュ 訳:堀川志野舞
早川書房 2008年10月25日発行 (原書は2007年)
エドガー賞最優秀ジュヴナイル賞
ゴーストは地下の黄泉の国にいるが夜の間は噴水を通じて人間界に現れることができるが人間はゴーストを知覚できない、黄泉の国に通じるトンネルがあるが生きている人間は渡し守に渡す特殊なコインがないと黄泉の国に入れず、黄泉の国に入ったことがばれると3頭犬ケルベロスに喰われるという設定。
強気で、しかし陰のある少女ユーリが魅力的で、ジャックのユーリに寄せる思いが切ない。その部分では青春恋愛小説としても楽しめます。
ユーリの母アナスタシアと父ルイスの愛と冒険、ユーリを人間界に連れ帰ろうとするジャックの冒険は、エウリュディケを黄泉の国から連れ帰ろうとするオルフェウスの神話をベースにしています。至るところでラテン語や詩が引用されることと合わせて、本来はギリシャ・ヨーロッパの古典の素養が要求される読み物なのでしょうけど、そうでなくても単純なゴーストファンタジーとして楽しめます。

原題:THE NIGHT TOURIST
キャサリン・マーシュ 訳:堀川志野舞
早川書房 2008年10月25日発行 (原書は2007年)
エドガー賞最優秀ジュヴナイル賞