旅館・ホテルや鉄道、クリーニング業などのサービス業で、顧客のニーズを分析し無駄なサービスを省いて省力化しその分を顧客に密着したサービスに振り向けたり価格低下させることでサービスの充実を図っている企業を紹介した本。
至れり尽くせりのサービスではなく、むしろ特定のサービスに特化して顧客にとって必要でない部分は顧客のセルフサービスにしたり顧客に見えない部分は機械化したりして、特に業務量の繁閑があるものを平準化して必要な人員を減らす、顧客の満足度を下げないでできるコスト削減の努力を評価している感じです。
ホテルで客がコンビニで買ってきてゴミを出すのを削減するために自販機でコンビニより安く飲料を売るとか、クリーニング屋が洗濯作業時期を自分で調整して平準化するために無料で次のシーズンまで保管するとか、顧客にとって便利なことが実は企業にとってのコスト削減でもあるというウィンーウィンの工夫は確かに魅力的で、目から鱗感があります。
しかし、そういった省力化の上で、顧客へのサービスは現場での従業員の顧客に密着しての情報収集とサービスのフィードバック、そして従業員の多能工化(繁閑に応じてみんなが何でもやる)に依存しており、結局のところ、労働者の労働強化が図られているということじゃないかなと感じてしまうのは、労働者側の弁護士の僻みでしょうか。
内藤耕 講談社現代新書 2010年9月20日発行
至れり尽くせりのサービスではなく、むしろ特定のサービスに特化して顧客にとって必要でない部分は顧客のセルフサービスにしたり顧客に見えない部分は機械化したりして、特に業務量の繁閑があるものを平準化して必要な人員を減らす、顧客の満足度を下げないでできるコスト削減の努力を評価している感じです。
ホテルで客がコンビニで買ってきてゴミを出すのを削減するために自販機でコンビニより安く飲料を売るとか、クリーニング屋が洗濯作業時期を自分で調整して平準化するために無料で次のシーズンまで保管するとか、顧客にとって便利なことが実は企業にとってのコスト削減でもあるというウィンーウィンの工夫は確かに魅力的で、目から鱗感があります。
しかし、そういった省力化の上で、顧客へのサービスは現場での従業員の顧客に密着しての情報収集とサービスのフィードバック、そして従業員の多能工化(繁閑に応じてみんなが何でもやる)に依存しており、結局のところ、労働者の労働強化が図られているということじゃないかなと感じてしまうのは、労働者側の弁護士の僻みでしょうか。
内藤耕 講談社現代新書 2010年9月20日発行