伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

つながる セックスが愛に変わるために

2015-05-03 19:27:34 | エッセイ
 素人女性を中心にインタビュー形式から入るAVで名を馳せたAV監督が、自分の作品を振り返りながら、セックスを論じた本。
 「中でイクために重要なのが、セックスする相手との関係性である。もっと端的に言えば、相手と心でつながれるかどうか。中でイケない子はここができていない」「イッたときに目をつぶっていたら快感はそこで終わるが、相手の目を見てつながれたとき、"心の射精"とでもいうべき、さらに深い快感が津波のように押し寄せてくる。これがオーガズムだ」(29ページ)というあたりが、著者の言いたいエッセンスのようです。だからタイトルも「つながる」。
 しかし、セックスのハードルが低くなった現代の若い女性は「彼氏や夫といった責任感をともなう人間関係がまともに築けなくなって、セフレのような浅い人間関係しか結べなくなってしまうように思う。手軽に取り替えがきく関係に囲まれていると、いつしか相手を思いやったり、他者を尊重する感覚すらも失われていくのではないだろうか」(19ページ)「20代前半にして500人はさすがに多いが、最近三桁の子はそう珍しくもなくなった。50人クラスになるとごく普通。セフレがいるのは当たり前で、同時進行でつきあっているセフレの数も増えている」(13ページ)って、言われると、時代の流れというか、世代の差を感じます。っていうか、AVの監督がそういって嘆く?
 オーガズムを味わうことで変われるということもテーマになっていますが、3才になるのに言葉が出ずおむつが取れなかった子の母親がAV出演でオーガズムを体験して帰ると子どものおむつが取れ言葉も出た(185ページ)とか、大きな子宮筋腫があり近々手術する予定だった女性がAV出演でオーガズムを体験したら子宮筋腫が消えた(187~188ページ)となると、どこか新興宗教めいてきてうさんくさく感じます。


代々木忠 祥伝社 2012年3月10日発行
コメント
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