伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

摩擦のしわざ

2015-05-29 23:35:15 | 自然科学・工学系
 摩擦による熱、電気(静電気)、音、摩耗などの摩擦力によって生じる現象について解説する本。
 身近な題材を用いながら、さまざまな問題を読みやすく説明しています。
 スキーやスケートは、板やブレード(スケート靴の刃)が接触した面の雪や氷が圧力で溶けて水になりその潤滑作用ですべると、一般的に説明されていますが、最近氷そのものの摩擦係数は非常に小さく、氷は溶けなくてもすべることが確認され、スキー場の粉雪も個体でも流体でもない「粉体」ということもあり、すべる理由は結局まだ解明されていないと説明されている(72ページ)のと、大気圏に突入した宇宙船(説明でははやぶさ)が燃え尽きるのは、大気との摩擦熱で燃えるのではなく、宇宙船のスピードで宇宙船の前方の大気が急激に押しつぶされて断熱圧縮で発熱し温度が3000℃にも達するためと説明されている(89ページ、91ページ)のが、私には新鮮でした。


田中幸、結城千代子 太郎次郎社エディタス 2015年1月30日発行
コメント
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