幼い頃から突出した美貌とプロポーションに恵まれ正義感が強く売られたけんかは買わずにいられない性格で人と群れず友人が少ない久曾神静香が、横浜港をクルージングする客船で船上結婚式を挙げ、そこに呼ばれた級友の佐古怜美との意地を張り合いながら続いた友情のエピソード、静香が怜美との仲を取り持った美容師桜田祐介との三角関係、妹が結婚詐欺に遭いその詐欺師を追い詰めるうちに新郎にたどり着いた警察官の怨念、静香の婚活に4年付き合って新郎を紹介した結婚相談所の相談員の述懐、ウェディンドレスフェチの趣味が高じて結婚式代理出席のアルバイトを続けて新郎側で代理出席したライターの戸惑いなどを通じて、静香の結婚式の一日を描く連作短編。
静香と怜美の意地を張り大げんかをして絶縁状態になりながらも続く友情のエピソードを語る第1章、研究者の生活を続けながら芽が出ず一歩引いて尽くすタイプの妻美登利が不憫に思え結婚相談所の相談員に転身し妻との関係に悩みその後妻が末期癌とわかって苦しみ抜く富永の心情を語る第4章が泣かせます。
全体としては、男女のもつれの青春小説が、結婚詐欺師を追う警察官が登場する第3章からサスペンスに変化し、最終的には恋愛サスペンスのような形で収束します。静香のキャラが立っていることもあり、読み味はわりとよかったと思います。
白河三兎 徳間書店 2017年2月28日発行
静香と怜美の意地を張り大げんかをして絶縁状態になりながらも続く友情のエピソードを語る第1章、研究者の生活を続けながら芽が出ず一歩引いて尽くすタイプの妻美登利が不憫に思え結婚相談所の相談員に転身し妻との関係に悩みその後妻が末期癌とわかって苦しみ抜く富永の心情を語る第4章が泣かせます。
全体としては、男女のもつれの青春小説が、結婚詐欺師を追う警察官が登場する第3章からサスペンスに変化し、最終的には恋愛サスペンスのような形で収束します。静香のキャラが立っていることもあり、読み味はわりとよかったと思います。
白河三兎 徳間書店 2017年2月28日発行