「首絞めヒロの芝居小屋」と題するサイトを運営し、そのサイトで「青天井の遊歩者」と題する小説を公開している謎の人物による連続殺人事件をめぐるミステリー小説。
最後のひねりは、確かに序盤から感じる釈然としない点に答を与えてはいるのですが、どうもひねりのためのひねりという感じがします。
首を絞めるという行為への執着が殺人への衝動の原点/起点であったヒロが、何故に顔が判別できないほどの顔面殴打を実行するに至ったのか(絞殺の技術的困難性が296ページで指摘はされていますが、心理的な変化、動機の点での説明はなされていません)、白いソックスへのこだわり、その意味、などのけっこう重要な謎、布石が説明されないままに放置された感があります。そして、プロローグの「人を四人も殺した」(6ページ)というのが理解できません。どう数えても3人しか死んでいないはずなのですが(エピローグの記載は曖昧で、それだけなら別異の解釈も考えられますけど、時系列上はプロローグの方がエピローグより後になるのですから…)。そういったところに、作者の設定を受け入れてもなお、モヤモヤ感が残りました。

森晶麿 角川書店 2019年3月1日発行
最後のひねりは、確かに序盤から感じる釈然としない点に答を与えてはいるのですが、どうもひねりのためのひねりという感じがします。
首を絞めるという行為への執着が殺人への衝動の原点/起点であったヒロが、何故に顔が判別できないほどの顔面殴打を実行するに至ったのか(絞殺の技術的困難性が296ページで指摘はされていますが、心理的な変化、動機の点での説明はなされていません)、白いソックスへのこだわり、その意味、などのけっこう重要な謎、布石が説明されないままに放置された感があります。そして、プロローグの「人を四人も殺した」(6ページ)というのが理解できません。どう数えても3人しか死んでいないはずなのですが(エピローグの記載は曖昧で、それだけなら別異の解釈も考えられますけど、時系列上はプロローグの方がエピローグより後になるのですから…)。そういったところに、作者の設定を受け入れてもなお、モヤモヤ感が残りました。

森晶麿 角川書店 2019年3月1日発行