鳥類の生態と骨格等の関係を説明した本。
鳥類の生息地、営巣場所、餌の種類、採餌行動、飛行特性、歩行・遊泳の有無・形態、繁殖行動等に応じて、その骨格、頭蓋骨や眼窩、舌、頸骨、胸骨と竜骨突起、脚、趾、爪がそれに適した形態になっているかについて、文章と、骨格標本・皮を剥いだ死体・羽をむしった死体のスケッチで詳細に説明しています。この鳥のこういった行動特性は、このような構造に支えられている、こういうしくみの体でないとできないということを説明されて、はぁ、なるほどと思うところが多い本です。
本の体裁・センスとしては、統一感があるスケッチであり、スケッチ自体が作品として位置づけられていることはわかりますが、わかりやすさという点からは、外形の(羽根・羽毛もついたままの)写真かイラストも欲しいですし、文章での説明の箇所(骨とかの名前やそこに筋肉や羽根がつく様子だとか)がスケッチのどの部分のことなのか、示していただいた方がよかったと思います。
著者が鳥類学者ではなく博物館学芸員で、25年かけた本ということから、鳥類の分類等について、最近の研究では違うと考えられているという監訳者の注がたくさんあるのも、読んでいて不安になります。
動物の体の構造について、感心し、関心を持つための、わりと趣味的な本として読むのが適切かなという気がします。
原題:THE UNFEATHERED BIRD
カトリーナ・ファン・グラウ 監訳:川上和人 訳:鍛原多惠子
みすず書房 2021年7月16日発行(原書は2013年)
鳥類の生息地、営巣場所、餌の種類、採餌行動、飛行特性、歩行・遊泳の有無・形態、繁殖行動等に応じて、その骨格、頭蓋骨や眼窩、舌、頸骨、胸骨と竜骨突起、脚、趾、爪がそれに適した形態になっているかについて、文章と、骨格標本・皮を剥いだ死体・羽をむしった死体のスケッチで詳細に説明しています。この鳥のこういった行動特性は、このような構造に支えられている、こういうしくみの体でないとできないということを説明されて、はぁ、なるほどと思うところが多い本です。
本の体裁・センスとしては、統一感があるスケッチであり、スケッチ自体が作品として位置づけられていることはわかりますが、わかりやすさという点からは、外形の(羽根・羽毛もついたままの)写真かイラストも欲しいですし、文章での説明の箇所(骨とかの名前やそこに筋肉や羽根がつく様子だとか)がスケッチのどの部分のことなのか、示していただいた方がよかったと思います。
著者が鳥類学者ではなく博物館学芸員で、25年かけた本ということから、鳥類の分類等について、最近の研究では違うと考えられているという監訳者の注がたくさんあるのも、読んでいて不安になります。
動物の体の構造について、感心し、関心を持つための、わりと趣味的な本として読むのが適切かなという気がします。
原題:THE UNFEATHERED BIRD
カトリーナ・ファン・グラウ 監訳:川上和人 訳:鍛原多惠子
みすず書房 2021年7月16日発行(原書は2013年)