伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

社長、借金は返さなくていいお金です

2022-01-24 23:28:18 | 実用書・ビジネス書
 銀行が貸してくれるお金はどんどん借りて手元資金を潤沢にしましょうと勧める本。
 売上が増えて事業が拡大している間は銀行がどんどん追加融資してくれるので、実質は返さなくていい、現状の資産とキャッシュフローでいつでも返せる状態を維持すれば心配はない、それなら借金する必要がないじゃないか、利息分損でしょという疑問には、手元資金が潤沢で経営に専念できるのは大きなメリット、利息分くらい事業で使う限り稼げるというロジックです。
 付き合う銀行は最低3行、競合させることで多少でもイニシアチブを握る、借りる時期をずらすことで順番に借りて返して資金を循環させる(109~113ページ)、取引銀行を増やすときは税理士・経営者つながりで紹介してもらう(自分から飛び込みで銀行に行かない:金に困っていると警戒されるから。114~116ページ)などして、融資額が増えると銀行はずっと融資してくれる(融資先の企業が潰れたら担当者には負の実績だし継続的に利子を得るチャンスも失う)、企業と銀行が一度この関係になってしまったら、両者は一蓮托生であり、一心同体のようなもの(40~43ページ)というのですが、自分の会社の状態を数字で客観的に把握して定期的に社長レターを提出して担当者にアピール(118~128ページ)って、著者は税理士だから得意でしょうけど面倒そうですし、そういうふうに頑張っても経費を削減して利益は増えていても売上が減少すると銀行は態度を変え融資の話をお願いしてもなぜかいい顔をしなくなった(90~91ページ)となると、しんどい思いをして銀行の機嫌をとっても経営が少しでも悪くなると手のひらを返されるのだし…と思いますよね。もともと著者のやり方は経営が順調に拡大していないと奏功しないのですし。


公門章弘 現代書林 2021年11月30日発行
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