伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

マンガ脚本概論 漫画家を志すすべての人へ

2022-01-20 21:31:51 | 趣味の本・暇つぶし本
 京都精華大学マンガ学部で「竹宮惠子先生の後任として」脚本概論を担当してきた著者が、マンガの脚本の創作に当たっての考え方を論じた本。
 読み切りマンガを想定していることから、よい問題提起(読者の関心を惹く・身につまされる問題等)からいくつかのハードルを乗り越え問題解決へとつなぐ、読者の関心を惹き続けそらさないシンプルなストーリー(モデルは「はじめてのおつかい」!)をよしとしています。なるほど、ではありますが、長編や小説ではそうは行かないかなとも…
 キャラクターの成長のパターンは、弱い人間が強くなる、バカが利口になる、悪い人間がよくなるの3つしかない(276ページ)、テーマは宇宙・世界とは何か(人間「外」の問題)と人間とは何か(人間「内」の問題)の2種類の根本的な問題に繋がるものであり、すべてのフィクションの使命は「世界とはなんだろう」「人間とはなんだろう」という根本的なテーマに新しいものの見方を提供すること(365~368ページ)などの言い切ったまとめが、示唆的に思えました。


さそうあきら 双葉社 2021年10月24日発行
コメント
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