文系コース2年の黒田希美が水曜4限の数学Bの授業のときだけ座る席に入っていた、その机の主2年E組理系コースの人気者男子瀬戸山潤からの宛先のないラブレターに、黒田が匿名で返事を書いたことから交換日記が始まったものの、黒田がわたしの名前、知ってる?と聞くと、瀬戸山は黒田の親友松本江里乃の名を挙げ…という展開の恋愛小説。
インパクトのある書き出しから最終盤(ラスト直前)の瀬戸山の叫びまで巧みに引き込んでくれます。裏表紙の紹介で「予想外の結末は圧巻!」と書いていますが、私には、ふつうこの展開は予測するでしょ、むしろ予測できる展開をきちんと書き切れる、予想していても/予想しているからこそ共感/感動できると思える作品でした。
自分の主張を堂々と伝える(と黒田に評価されている)生徒会副会長の松本と何か聞かれると自分の意見を言わずどっちでもいいが口癖で周りの空気を読む「頭ポンポン」にときめく黒田を対比しながら、松本に卑下させ、黒田をメインに据える点、読者層としては黒田に自己投影する者が多数派なのだろうけど、それでいいのかと思いました。私は松本の方に好感しますので。
櫻いいよ スターツ出版文庫 2017年8月28日発行
インパクトのある書き出しから最終盤(ラスト直前)の瀬戸山の叫びまで巧みに引き込んでくれます。裏表紙の紹介で「予想外の結末は圧巻!」と書いていますが、私には、ふつうこの展開は予測するでしょ、むしろ予測できる展開をきちんと書き切れる、予想していても/予想しているからこそ共感/感動できると思える作品でした。
自分の主張を堂々と伝える(と黒田に評価されている)生徒会副会長の松本と何か聞かれると自分の意見を言わずどっちでもいいが口癖で周りの空気を読む「頭ポンポン」にときめく黒田を対比しながら、松本に卑下させ、黒田をメインに据える点、読者層としては黒田に自己投影する者が多数派なのだろうけど、それでいいのかと思いました。私は松本の方に好感しますので。
櫻いいよ スターツ出版文庫 2017年8月28日発行