教員の負担軽減を目的として進められている部活動の地域移行に伴い、それを担う団体の創設等の準備や事故発生時の被害者への補償、被害者に対する法的責任がどうなるかなどを解説した本。
書かれていることは基本的にごく常識的なというか、少なくとも法律業界ではある種当然のことで、学校が主体でそこに指導員やボランティアが関与するという形であれば事故時に被害者には災害共済給付(独立行政法人スポーツ振興センター)がなされ、公立学校(国立も含む)の場合教師(従業員)個人は被害者に対する損害賠償責任を負わない(私立学校の場合は、民間企業なので教師個人も責任を負う)けれども、学校が委託するなどして民間団体が主体となって部活動を行う場合は事故があっても災害共済給付はなく、指導員やボランティア個人も被害者に対する損害賠償責任を負い、巨額の損害もあり得るので賠償責任保険に加入して対応するしかないということになります。
企業が事業として引き受けるのであれば、そういったリスクも十分見込んでやることになります(その分会費等の費用も当然に高くなるでしょう)が、PTAとかボランティアが引き受けるとなると割に合わないとんでもない責任を負うことになります。
教師の負担軽減の美名の下で、責任や出費を免れたい学校が、PTAや地域の気のいいおじさん・おばさんに安易なアウトソーシングをするというか、押しつけるという構図のように、私には見えてしまいます。それはほとんど借金の保証人を頼まれて断れずに引き受けてしまう親族や知人のようで、お人好しが馬鹿を見るという典型のように思えるのですが。
山本翔 日本法令 2024年1月1日発行
書かれていることは基本的にごく常識的なというか、少なくとも法律業界ではある種当然のことで、学校が主体でそこに指導員やボランティアが関与するという形であれば事故時に被害者には災害共済給付(独立行政法人スポーツ振興センター)がなされ、公立学校(国立も含む)の場合教師(従業員)個人は被害者に対する損害賠償責任を負わない(私立学校の場合は、民間企業なので教師個人も責任を負う)けれども、学校が委託するなどして民間団体が主体となって部活動を行う場合は事故があっても災害共済給付はなく、指導員やボランティア個人も被害者に対する損害賠償責任を負い、巨額の損害もあり得るので賠償責任保険に加入して対応するしかないということになります。
企業が事業として引き受けるのであれば、そういったリスクも十分見込んでやることになります(その分会費等の費用も当然に高くなるでしょう)が、PTAとかボランティアが引き受けるとなると割に合わないとんでもない責任を負うことになります。
教師の負担軽減の美名の下で、責任や出費を免れたい学校が、PTAや地域の気のいいおじさん・おばさんに安易なアウトソーシングをするというか、押しつけるという構図のように、私には見えてしまいます。それはほとんど借金の保証人を頼まれて断れずに引き受けてしまう親族や知人のようで、お人好しが馬鹿を見るという典型のように思えるのですが。
山本翔 日本法令 2024年1月1日発行