伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

社会人になったらすぐ読む文章術の本

2023-06-21 23:31:17 | 実用書・ビジネス書
 電子メールとその他の場面でのビジネス文章の書き方について解説した本。
 類書数多の中で、この本の特徴としては、アンケートによるイラッと来たメールのランキングを作成して、それに応じたNG文例と改善例を最初に出していることでしょう。もっとも、223人に対するアンケートで、質問票も集計結果も非公表のものですから、どの程度信用性があるのか評価のしようもない代物ですが。
 このNGメールの部分、読んでいて、NGメールの文例も困ったものだと思いますが、紹介されているNGメール受信者の意見がまた、これくらいのことでそこまで言う?というものが散見され、学生気分の新人の問題よりも、こういう不満の多いキレやすい人が世の中にはけっこういることの方に、気をつけないとね、と感じました。
 約束をした後に別件が入って日程変更をお願いするときに、すでに別件が入っていたのに気がつかずに約束してしまった、自分のミスだ、と断るように繰り返し指導しています(64ページ、118~119ページ、213ページ)。これは、嘘をつけという指示ですね。あえて後から別件が入りそちらの方が大事だとあからさまに言わないのは、相手への礼儀として理解できますが、積極的に嘘を言えというのはいかがなものかと思います。著者らは、嘘も方便というのかもしれませんが、新社会人に教訓を垂れる中でそういう姿勢はどうかと思いました。
 ネガティブな表現をポジティブな表現に言い換えるというコーナーで、「できません」を「いたしかねます」に、「わかりません」を「わかりかねます」に、それぞれ言い換えるように指示しています(107ページ)。そういう方がいいとは思いますが、「いたしかねます」や「わかりかねます」が「ポジティブな表現」だというのはまったく理解できませんでした。


藤吉豊、小川真理子 株式会社KADOKAWA 2023年2月25日発行

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