技能実習生、留学生等として日本に在留するベトナム人女性が妊娠すると切り捨てられ帰国を強いられるなどして、著者が代表を務めるNPO法人に支援を求めてきた事例を通じて、技能実習生らの置かれた状況、低賃金労働者として利用する企業の身勝手さと無知などを報じた本。
技能実習生が妊娠を伝えるとすぐに契約打ち切りを決めた受け入れ企業が、地域合同労組として団体交渉を申し入れるや退職強要などなかったとして産休は当然の権利だなどと言いだした(70~81ページ)とか、シングルマザーとなる留学生が児童扶養手当の申請をすると市役所が児童相談所に通報して児童相談所が母親から乳児を取り上げて「保護」した挙げ句、父親に認知を求める調停を起こしている間に入管に通報して強制帰国させようとした(86~98ページ)など、企業や行政の横暴ぶりに憤慨し、心が痛みます。
また、技能実習生らが来日までに多額の借金を抱え、郷里の親族らが仕送りに依存しているなどで、技能実習生らの選択が縛られていることも哀しいところです。
著者が経験した事例の紹介で、個別性が強いものではありますが、技能実習生らの苦境と日本社会・企業・行政の実態を垣間見させてくれます。

吉水慈豊 集英社インターナショナル 2024年10月9日発行
技能実習生が妊娠を伝えるとすぐに契約打ち切りを決めた受け入れ企業が、地域合同労組として団体交渉を申し入れるや退職強要などなかったとして産休は当然の権利だなどと言いだした(70~81ページ)とか、シングルマザーとなる留学生が児童扶養手当の申請をすると市役所が児童相談所に通報して児童相談所が母親から乳児を取り上げて「保護」した挙げ句、父親に認知を求める調停を起こしている間に入管に通報して強制帰国させようとした(86~98ページ)など、企業や行政の横暴ぶりに憤慨し、心が痛みます。
また、技能実習生らが来日までに多額の借金を抱え、郷里の親族らが仕送りに依存しているなどで、技能実習生らの選択が縛られていることも哀しいところです。
著者が経験した事例の紹介で、個別性が強いものではありますが、技能実習生らの苦境と日本社会・企業・行政の実態を垣間見させてくれます。

吉水慈豊 集英社インターナショナル 2024年10月9日発行

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