日本列島の成り立ちを地学的に解説し、その気象や資源などの特徴を説明した本。
プレート境界に位置することから地震が多く、プレートの沈み込み帯上にあるために火山が多いことに加え、太平洋の西端の北側に位置するがために台風が集中し、同様の事情で強力な暖流の黒潮が通り、かつそれが日本海側にも分岐するという絶妙の条件で日本海側が世界屈指の豪雪地帯になるなどの、日本列島の世界での特異性が語られ、認識を新たにしました。
理系の学者さんなのに何故か松尾芭蕉好きの著者が、数百万年から1千数百万年前の日本列島の状態や動きと奥の細道の芭蕉の行程をダブらせて説明していますが、親しみやすさを狙っているとしても、芭蕉が見た景色と違うはずのことを何か関係づけられるのはただうさんくさく感じるだけだと思います。
激動を経た日本列島と世界が、この7000年間ほどは海水準が安定し巨大噴火もないことは特別なことで僥倖であった(30ページ、217ページ)ということは胸に刻んでおきたいと思います。

伊藤孝 中公新書 2024年4月25日発行
プレート境界に位置することから地震が多く、プレートの沈み込み帯上にあるために火山が多いことに加え、太平洋の西端の北側に位置するがために台風が集中し、同様の事情で強力な暖流の黒潮が通り、かつそれが日本海側にも分岐するという絶妙の条件で日本海側が世界屈指の豪雪地帯になるなどの、日本列島の世界での特異性が語られ、認識を新たにしました。
理系の学者さんなのに何故か松尾芭蕉好きの著者が、数百万年から1千数百万年前の日本列島の状態や動きと奥の細道の芭蕉の行程をダブらせて説明していますが、親しみやすさを狙っているとしても、芭蕉が見た景色と違うはずのことを何か関係づけられるのはただうさんくさく感じるだけだと思います。
激動を経た日本列島と世界が、この7000年間ほどは海水準が安定し巨大噴火もないことは特別なことで僥倖であった(30ページ、217ページ)ということは胸に刻んでおきたいと思います。

伊藤孝 中公新書 2024年4月25日発行

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