会社法について、機関(ガバナンス)、資金調達(ファイナンス)、組織再編(リオーガニゼーション)の3点を中心にして、概要と近時の改正、方向性を解説した本。
会社法という法律が、世間では会社というのは働く場と受け止められているけれども従業員に関すること、労働関係については定められず(そちらは私が慣れ親しんでいる「労働法」の分野)、出資者(株主)と法人である会社と債権者(金融機関等)の関係を定め利害を調整するものだということが、一般市民には馴染みにくいところだという説明(はしがき)には、なるほどと思います。
一般の市民のみならず、私が学生だった頃のまだ「商法」の中に会社法の規定があったときにはシンプルだった会社の機関や組織再編関係の定めは、経済界の要請に従い複雑怪奇になり、弁護士になってから「会社法」という独立の法律になって教科書類を読んでもどうにも頭に入らなくなっています(私が、会社関係の事件をやる気がないために、真剣に読まないという事情によるところが大きいとは思いますが)。
この本では、会社法の規定の詳細は、複雑だとかわかりにくいとして説明を省いていますが、わりとシンプルにそれぞれの分野での目的と傾向(方向性)を解説しているので、なんとなく全体像を見るのにはいいかなと思えます。
神田秀樹 岩波新書 2023年4月20日発行(初版は2006年4月)
会社法という法律が、世間では会社というのは働く場と受け止められているけれども従業員に関すること、労働関係については定められず(そちらは私が慣れ親しんでいる「労働法」の分野)、出資者(株主)と法人である会社と債権者(金融機関等)の関係を定め利害を調整するものだということが、一般市民には馴染みにくいところだという説明(はしがき)には、なるほどと思います。
一般の市民のみならず、私が学生だった頃のまだ「商法」の中に会社法の規定があったときにはシンプルだった会社の機関や組織再編関係の定めは、経済界の要請に従い複雑怪奇になり、弁護士になってから「会社法」という独立の法律になって教科書類を読んでもどうにも頭に入らなくなっています(私が、会社関係の事件をやる気がないために、真剣に読まないという事情によるところが大きいとは思いますが)。
この本では、会社法の規定の詳細は、複雑だとかわかりにくいとして説明を省いていますが、わりとシンプルにそれぞれの分野での目的と傾向(方向性)を解説しているので、なんとなく全体像を見るのにはいいかなと思えます。
神田秀樹 岩波新書 2023年4月20日発行(初版は2006年4月)
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