伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

朝起きて、君に会えたら

2023-12-30 18:53:48 | 小説
 不登校で深夜徘徊を続ける高校生七崎すずが、深夜の公園で自分の指定席と考えていたブランコで泣いているきれいな顔の男柳瀬環と出会い、高1のときの同級生とわかり恋に落ちるが…という恋愛小説。
 特段の取り柄がない地味で内気な女子が、超イケメンの人気者の男に見初められ告白されるという、少女マンガの王道を行く設定に、難病ものを重ねた、しかし難病ものとしては深刻さが少なく、明るい気分で読めるという、マーケティング本お薦めのような作品です。
 子どもの頃や青春時代に恋愛小説が、告白までに何年、ファーストキスまでに何年という、耐えに耐え、忍びに忍んで思いを遂げるという作品が多数派だった世代には、時代の違いを感じさせますが、好きという言葉が多数回繰り返されることはそれはそれで気持ちを和らげたり高揚させる効果があって、なんだかいい気持ちになる作品でした。


映瑠 角川文庫 2023年11月25日発行
魔法のiランド大賞2022小説大賞恋愛文芸部門部門賞受賞作

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