伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

Web選考は「準備」が9割!

2022-01-04 20:40:04 | 実用書・ビジネス書
 信用金庫人事部で5年間採用と人材育成を担当し、現在は社会保険労務士として採用に関するコンサルティング業務や採用面接官への研修等を行っているという著者が、就活、特にWeb面接にどう対応すべきかを解説した本。
 動画は見た瞬間にダメだと思ったら先は見ない:最初の15秒が勝負(13ページ)、画面には顔と上半身が1対1に映るようにする、カメラが目線より下にならないように(上から目線にならないように)アングルを調整する(61ページ)、身振り手振りではカバーできないので表情で笑顔をアピールする(67ページ)、体の揺れは画面を通すとより目立つ(72ページ)、画面の相手の顔を見て話すと目が合っているように感じない、目線はカメラに向ける(134ページ)、音声に時差があるので、相手の話が終わったことを確認するために一呼吸おき、1、2秒待ってから話し始める(135ページ)、キーボードを使うとその音が耳障り(137~138ページ)、何か(カンペ等)を見て話すと目線でバレる(138ページ)等の指摘は、勉強になりました。リアル面談とは違う特徴として、アピール動画作成やWeb面接(Web会議)では気をつけたいところです。
 Web面接に限りませんが、焦らずゆっくりとしたスピードで間をとりながら話す(71ページ)、1文は40字以内(99~100ページ)、途中で話を遮らない(135ページ)等の指摘は、わかってますけど、私は苦手項目です…改めて心したいと思いますが。


田中亜矢子 自由国民社 2021年12月3日発行
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鳥類のデザイン 骨格・筋肉が語る生態と進化

2022-01-02 19:22:55 | 自然科学・工学系
 鳥類の生態と骨格等の関係を説明した本。
 鳥類の生息地、営巣場所、餌の種類、採餌行動、飛行特性、歩行・遊泳の有無・形態、繁殖行動等に応じて、その骨格、頭蓋骨や眼窩、舌、頸骨、胸骨と竜骨突起、脚、趾、爪がそれに適した形態になっているかについて、文章と、骨格標本・皮を剥いだ死体・羽をむしった死体のスケッチで詳細に説明しています。この鳥のこういった行動特性は、このような構造に支えられている、こういうしくみの体でないとできないということを説明されて、はぁ、なるほどと思うところが多い本です。
 本の体裁・センスとしては、統一感があるスケッチであり、スケッチ自体が作品として位置づけられていることはわかりますが、わかりやすさという点からは、外形の(羽根・羽毛もついたままの)写真かイラストも欲しいですし、文章での説明の箇所(骨とかの名前やそこに筋肉や羽根がつく様子だとか)がスケッチのどの部分のことなのか、示していただいた方がよかったと思います。
 著者が鳥類学者ではなく博物館学芸員で、25年かけた本ということから、鳥類の分類等について、最近の研究では違うと考えられているという監訳者の注がたくさんあるのも、読んでいて不安になります。
 動物の体の構造について、感心し、関心を持つための、わりと趣味的な本として読むのが適切かなという気がします。


原題:THE UNFEATHERED BIRD
カトリーナ・ファン・グラウ 監訳:川上和人 訳:鍛原多惠子
みすず書房 2021年7月16日発行(原書は2013年)
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少年法入門

2022-01-01 19:45:48 | 人文・社会科学系
 少年の刑事手続についての日本での運用の実情、諸外国の制度と運用、少年法の制定の経緯と改正等について説明し論じた本。
 刑事裁判官として少年審判に携わり、少年法改正の議論のため最高裁から派遣されて諸外国の制度の調査を行い、法制審議会委員として少年法改正に関与したという著者の経歴・属性から、基本的には現行制度はうまくいっており、実現した法改正は妥当な線というスタンスで論じられています。
 少年審判への検察官出席について、裁判官が自ら証拠を収集・発見すると自らが収集・発見した証拠への思い入れが強くなり評価が偏りがち、少年に有利な証拠を裁判官が審判で批判的に吟味したり少年を追及したりすると少年に不信感を持たれて最適な処分をしても効果が思うように上がらない恐れがある、検察官の出席はそういう観点から必要なもので、これを厳罰化というのは的外れだと主張しています(58~61ページ)。そういう見方もあるかもしれませんし、裁判官(に限りませんが)が自ら発見したことには過剰な思い入れを持ち冷静・客観的に判断できなくなるということはそうだろうと思います(判決を読んでいてそう思うことは時折あります)が、検察官の出席をそう評価するのもちょっとこじつけっぽく思えます。
 調査官による試験観察の成功例、補導委託の成功例の紹介(64~67ページ)は、まさに少年法・少年審判実務の醍醐味というべきですが、試験観察は調査官の、補導委託は民間の篤志家の、熱意と負担に大きく依存するもので、なかなか実施ができなくなり実施例が減っているというのが哀しいところです。


廣瀬健二 岩波新書 2021年6月18日発行
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