看護師歴37年のバツ2の61歳小鳥遊志津恵が、45年前の高校生時代からの元彼相原徹也から逢いたいというメールを受け、逡巡しつつも再会しドキドキしながら不倫関係を始める老いらくの恋小説。
年月を経ての再会で、自分が元彼との過去を美化して記憶を書き換えていたことを認識する経緯は、う~ん、そうだよねと思わせられます。歳をとって丸くなっていることもあり、昔の傷や嫌だったところも、今なら許せるというか、それほど気にならなくなっているということはありそうですが。
そうは言っても、旧交を温めるのなら笑っていられるけれども、都合のいい女として不倫関係を続けられるかは、どうだろうと思う。たいていの小説では、過去の相手から受けた仕打ちをくっきり思い出したところで思いとどまるのではないか。60歳を超えた主人公を、分別のある者、執着を持たなくなった者、枯れた者として描くのではなく、その寂しさ、開き直り、あるいは人間そんな簡単には悟れないよと描いてみたというところでしょうか。
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高生椰子 幻冬舎 2021年12月1日発行
年月を経ての再会で、自分が元彼との過去を美化して記憶を書き換えていたことを認識する経緯は、う~ん、そうだよねと思わせられます。歳をとって丸くなっていることもあり、昔の傷や嫌だったところも、今なら許せるというか、それほど気にならなくなっているということはありそうですが。
そうは言っても、旧交を温めるのなら笑っていられるけれども、都合のいい女として不倫関係を続けられるかは、どうだろうと思う。たいていの小説では、過去の相手から受けた仕打ちをくっきり思い出したところで思いとどまるのではないか。60歳を超えた主人公を、分別のある者、執着を持たなくなった者、枯れた者として描くのではなく、その寂しさ、開き直り、あるいは人間そんな簡単には悟れないよと描いてみたというところでしょうか。
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高生椰子 幻冬舎 2021年12月1日発行